クリークは用排水の送水, 貯留および調整機能を保有する水利施設である。この施設からの潅漑は揚水潅漑で, 用水の多くは循環利用による水利用であり, 揚水手段は打桶, 足踏水車そして, 1923年に小型揚水機へと変化した。
この小型揚水機の設置の背景には, 第一次大戦による農村労働力の他産業への流出という社会経済条件があった。加えて, 地域的には水囲いの水位変動による揚水労働軽減要求と, クリーク深さに関係するクリーク容量が要因であった。本報文はクリーク容量について, 湛水排除の迅速化および小型揚水機の普及による水資源の有効利用という観点から検討したものである。
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