田主と二毛作に代表される淡路島の農村では, 震災から2年が経過し, 4回の作付けが行われた。津名郡一宮町の園出, 深草の2集落を対象に, 2年4回の作付け状況を把握し, 震災被害が土地利用に及ぼす影響を, 土地利用の変化と区画ごとの作付けパターンの分類から検討した。震災後2年間で作付け面積は減少した。水稲の減少が大きく, 不作付け地が増加した。震災の影響は, 裏作の畑地状態よりも, 表作の水稲作付けに現れる。水稲の減少は, 農地被害の多かった園出集落よりも, 震災後, 溜池貯水量が減じ, 作付け制限が行われた深草集落の方が顕著であった。不作付け地の動向は, 農地の整備に関係し, 継続して検討することが必要である。
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