豪州の米生産地帯であるマレー川中流域のリバリナ地方の現地調査等を基に, 地域資源の特性と水田の持つ機能について検討した。
その結果, 豪州の山地には, 日本のような水資源酒養の場という景観はない。マレー川周辺の稲作地帯は, 洪水時の氾濫水をも貯留させているが, マランビジー川周辺では, 洪水の機会も少なく, 水田の洪水緩和機能は, 実感されていない。水田による地下浸透は, 塩害を起こすため, 水田の浸透抑制や地下水の揚水排除が行われており, 水田の地下水酒養機能は評価されていない。
豪州の地域資源の環境が半乾燥・低平であるため, 多雨・急峻な日本で認識されている水田域の多面的機能は, 評価されていない。
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