1990年から1999年までの10年間の農業土木研究の歩みを, 大学関係を中心として概観した。特に, この学が21世紀に向けて人類的課題である人口, 食糧, 環境という問題解決のために重要性を増していることを, 農業土木学の3つの特性, すなわち,
(1) 農地と農村を創造し, 整備し管理する工学
(2) 農業土木に関わる事業を点検し検証し自己評価する工学
(3) 農業土木学に関わる個性的な基礎学を育てる工学,
に沿って, この10年の歩みと21世紀への展望という形で述べた。
またこの間に進んだ大学改組大学院重点化が, この学の歩みと展開に及ぼした影響についても論じた。
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