戦後, 水田の経営形態は, 地主制から零細自作農制へとドラスティックに変化した後, 高度経済成長期を経て, 農地の流動化が徐々に進行し, 現在, 稲作の担い手は零細自作農家から大規模経営へと移行しっっある。今後, 少なくとも平地農村部においては, そうした大規模経営が支配的になるものと予測されてもいる。一方, 圃場整備方式も, こうした社会的条件の変化に応じて, 時間差を伴いながらも, 1反区画方式から30a区画方式へ, そして近年の大区画方式へと展開を遂げている。本稿では新沢・小出による「耕地の区画整理」(1964年) を手がかりとして, 戦後の水田の圃場整備方式の展開を, 水田経営形態の変化と対応させて考察する。
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