今日, 土地改良施設と土地改良区に対する社会的経済的要請は, 従来の生産基盤としての農地・農業用水の維持保全から, 多様な公共的公益的機能の発揮へと大きく変容してきている。鹿児島県土地改良事業団体連合会は, 施設と土地改良区のあり方について, 現状を検証し今後の方向を検討するため, これらの公益的機能に関する調査検討を行い, 具体的な経済評価を算定した。
その結果, 施設と土地改良区の公益効果は一体的に発揮されること, その効果額は極めて大きいことが明らかになった。今後の施策展開にあたっては, このことを踏まえ,「共」の論理に基づき, 資源対策と環境保全対策を担う地域資源管理団体としての土地改良区を確立することが必要である。
このような新しい土地改良区を形成するためには, 公共・公益的機能に対する国民の理解を得ながら, 諸制度, 権限の整備強化, 国の財政支援などを求めていく必要がある。
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