従来の土構造物の耐震設計法では, 円弧すべり面法などの極限釣合安定解析法が採用されてきたが, 最近では変形照査が取入れられるようになってきた。土構造物はレベル2地震動を受けたとき大きな変形が予測されるため, 高地震力に対する変位解析法の検討, 具体化が重要な課題なる。
本報では, 農業水利施設の設計施工・維持管理に関して, 性能設計が,(1) 公共工事の説明責任,(2) コスト縮減,(3) ストックマネージメント,(4) 要求機能の多様化などに応えうる枠組みなのかどうか, について考えてみる。かかる課題は, 設計の自由度の拡大, 新工法・新材料の適用など性能設計の特徴が十分に発揮されるときに真に実現される。そのためには, 技術論的にその内容を検証し吟味しておく必要がある。また, 各種の土地改良事業計画設計基準を性能規定化するための課題についても示す。
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