森田頭首工は, 栃木県東部の芳賀台地に農業用水を供給するため, 南那須町森田地内の那珂川水系荒川に設置された。しかし, 頭首工建設に伴う河道拡幅と河床掘削, および堰下流の河道蛇行部に起因する背水によって掃流力が低下し, 平成10年と11年の洪水において, 堰周辺と堰上流の河道湾曲部内岸側に大規模な堆砂が発生した。この現象は, 河川の自然な流れの作用によるものであり, その対策としては, ある程度の堆砂を許容しつつ, 主流の方向と流速を適切に定め, 堆砂の位置と量を制御する方法が現実的と考えられた。本報では, 移動床水理模型実験に基づき, 水制工の布設を主とした, 森田頭首工の堆砂対策について報告する。
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