近年, 途上国における灌漑排水施設の老朽化は, 気象条件や環境など, その状況に違いはあるものの日本国内同様に進んでおり, 水利施設の新設から既存施設の補修等に内容が変わりつつあるのが現状である。より効率的・効果的なODAを実施していくためにも, 施設の長寿命化を図り, ライフサイクルコストを低減するストックマネジメントの概念を導入することは極めて重要かつ有効な手段である。農林水産省から委託を受け, 2006年度, 東南アジアの2力国にモデル地域を選定し, 施設の機能診断をはじめ, 予防保全対策の検討のための現状把握等を行った。ここでは, 実施した調査結果の一部である灌漑施設の機能診断調査方法について述べる。
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