文部科学省が平成14年度から開始した「知的クラスター創成事業」は,既に事業開始後4年近くを経過した.この間,実施地域の選定や中間評価を経て,18地域でクラスター形成に向けた地域イノベーションシステムの構築のための取組が着実に進捗しているが未だ課題も多い.本事業はクラスター形成の初期段階のプロセスを加速することを目的として,当面5年間の事業実施期間が設定されており,多くの地域で間もなく事業の最終年度を迎えることとなる.このため,これまでに築き上げたクラスターの形成の流れを無駄にしないためにも,平成19年度以降の新たな施策の展開が望まれている.
本稿では,クラスター形成に向けた地域の産学官連携の課題と今後の国の施策の方向性について論じる.
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