産学連携学
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第8 代産学連携学会長 挨拶
特集 産学連携学会第23回大会CRDSオーガナイズドセッション講演録
  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_3-1_9
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS)では,これまでにも大学などの研究成果を産業へ橋渡しするという観点から,イノベーションエコシステムの形成に関する調査を実施してきた.今回の調査では,この橋渡しを「技術主導型」と「デザイン主導型」の二つに大別し,分析を行った.「技術主導型」については,知的財産権確保の重要性やマネジメント体制のさらなる強化のための課題について論じるとともに,国内外の主要大学における特許動向の差異を分析した結果について,その概要を示した.一方,「デザイン主導型」については,科学技術に新たな意味付けを行う「デザイン for 科学技術・イノベーション」に焦点を当て,先行する英国やEUの政策動向,および日本の大学の現状に関する調査結果を報告した.さらに,イノベーションを促進するための産学による共創の「場」のあるべき姿を提示するとともに,先進的な取り組みを行う国内大学などの事例を紹介した.

  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_10-1_14
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本稿では,ソニーの研究開発と芸術表現の関係史をたどり,東京大学との連携講座および欧州委員会のS+T+ARTS事例を通じて,科学・技術・芸術の越境的協働の重要性を論じる.ソニーは創業以来,芸術的感性を技術革新に組み込み,ウォークマンやPlayStationなどの開発を通じて,「クリエイティビティとテクノロジーの力で,世界を感動で満たす」を実践してきた.近年は,アーティストとの協働によるプロトタイプ開発や,社内外をつなぐ技術交流イベントを展開している.東京大学との「越境的未来共創社会連携講座」では,批評と創造を統合し,芸術・デザイン・工学を横断する「Creative Futurist」の育成を目指す.また,EUのS+T+ARTSプログラムでは,科学・技術・芸術の協働が社会課題解決に寄与する姿が示されている.全体を通じ,越境的視点と芸術思考がイノベーションの質と創造性を高める鍵であることを強調する.

  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_15-1_19
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    九州大学は「総合知で社会変革を牽引する大学へ」を掲げ,産学官金連携を通じた新産業・雇用創出を目指している.その中核を担うのが,大学の産連機能を外部法人化した九大OIP株式会社である.OIPは「イシュードリブン」「ビジョンドリブン」「サイエンスドリブン」の3チーム体制で,課題起点の連携形成,長期的ビジョン創出,知財活用を一体的に推進する.小規模ながら専門人材による機動性と連携力を強みとし,大学の知財権の技術移転,スタートアップ支援や人材バンク構築,周辺地域の大学も参画するスタートアップエコシステムの形成・運営などを展開している.さらに,福岡県・市と連携した創業支援ファンドや,地域の既存企業の課題解決を図る産学官金のアイデア創出コンソーシアム事業などを通じ,地域共創型の産学連携モデルの形成を推進している.

  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_20-1_24
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    東京大学生産技術研究所の価値創造デザイン推進基盤は,科学とデザインを融合し,新たな価値を生み出すことを目的に2017年に設立された.その活動は,①Science×Designによる創造プロセス「トレジャーハンティング」の開発,②産学民共創の場「Curiosity」の運営,③大学院生・社会人向けデザイン教育,④ものづくり基盤技術の深化の4本柱から成る.多様なプロトタイプを通して科学研究を社会とつなぎ,研究者・企業・市民が共に価値を創る新たな研究実践を展開している.

  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_25-1_28
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    大阪大学COI-NEXT(JST共創の場形成支援プログラム)「住民と育む未来型知的インフラ創造拠点」では,地域が主体となる持続的なまちづくりを目指している.人口減少に伴うインフラ維持管理の人材・財源不足という課題に対し,本拠点では「インフラの民主化」を掲げ,橋梁などの社会インフラを対象に活動を展開している.具体的には,小規模橋梁に特化した点検手法とチェックシートを開発し,自治体と連携して実証実験を進めている.また,地域のステークホルダーも参入できる新たな点検ガイドラインと技術認証制度を整備し,アーキテクチャ(システム設計)の構築も進めている.これらの取り組みにより,地域雇用の創出とインフラ管理の自立が促されており,現在は全国の市町村への展開を進めている.

  • 満生 昌太, 茅 明子, 阪口 幸駿
    原稿種別: 特集 産学連携学会第23回大会CRDS オーガナイズドセッション講演録
    2025 年22 巻1 号 p. 1_29-1_34
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    講演①~⑤までの登壇者が集い,総合討論を実施し,産学橋渡しの課題と突破口をテーマに多様な立場からの議論が展開された.討論においては,越境には専門性と勇気が不可欠でありリスクを取る仕組みや「おせっかいな人」の存在が鍵となること,アーリーステージの知を社会実装に結びつける大学はリスク低減や共創の仕組みを模索しつつあること.デザインやアートは課題解決に加え「ワクワク」を生み出す媒介として理解できること,などが述べられ,成功や失敗の受容,個性の尊重,人材流動性の促進が,イノベーションを支える要素であることが確認された.また参加者は,産と学の距離を縮め,共創の文化を醸成する重要性を共有するに至った.

論文
  • ―全国大学アンケート調査の結果から―
    鹿野 京子, 小野 浩幸, 落合 文吾, 高澤 由美, 杉本 俊之
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_35-1_44
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    大学等に対する研究成果を活用した大学発ベンチャー企業創出への期待が一層高まる一方でコンプライアンス遵守の要請も強まっている.大学等内にベンチャー認定規程の整備などの「スタートアップ・エコシステム」整備が進むなかで,リスクマネジメントの違いがベンチャー創出にどのような影響をもたらすかについてはこれまでは必ずしも明らかにされてこなかった.

    そこで,本研究では日本国内の805の大学に,大学における大学発ベンチャー企業に対する認定規程の整備状況及び研究職員兼業の運用についてアンケート調査を依頼し,回答があった136の大学の回答を対象に,大学発ベンチャー企業の設立数に影響を及ぼしうるかについて検証を行った.その結果,大学研究職員の大学発ベンチャーとの兼業の制約が,大学発ベンチャー企業の設立数に影響を及ぼす可能性があることが明らかとなった.

  • XU QICHAO, 野田 博行, 小野 浩幸
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_45-1_53
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    科学技術基本法の制定から30年が経過したことを契機に,日本の科学技術政策と産学連携を振り返る動きがみられる.そこで本研究では,20年余にわたって産学連携研究の蓄積がある産学連携学会の学会誌に掲載された114報の論文,171報の特集記事,及び26報の事例報告を対象に,自然言語処理の類似検索により産学官連携政策に関する論文等を抽出し,抽出論文等からキーワードの出現頻度等を解析した.

    その結果,次の特徴を明らかにした.1.掲載論文等は中小企業との産学連携に関係するものが多いこと,2.掲載論文の傾向から学会創設時からの20年間を4年刻みの5つの期間に分けることができること,3.産学連携活動の範囲は広がりを見せており,その傾向は4年刻みの第4期にあたる2016‐2019年の期間に顕著となっていること,4.各期間の論文等は先行する科学技術政策の変遷を若干遅れるかたちで反映していると思われるものがあること.

  • ―産学連携の障壁と低減の方策―
    烏谷 直宏
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_54-1_71
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本稿では,農業を基軸に連携した高等学校におけるレトルトカレーの開発から販売に至るまでを事例として分析した.その結果,36都道府県の52校の高等学校で生産された農水産物あるいは地域の特産品等を具材として開発されたレトルトカレー計68種類を確認した.また,高等学校の教育活動を通したレトルトカレーの開発から販売に至るフードシステムとの接点を示し,開発類型や開発から販売に至るフードシステムの類型から高等学校の経営環境を整理した.その上で,産学連携の障壁を低減する方策を示した.単なる商品開発から販売に至る産学連携ではなく,教育モデルや地域経済の持続可能性の観点を加えて考察した.

  • ~大学教員は企業経営において経済的価値をもたらすのか~
    南 了太
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_72-1_84
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本論は,企業ガバナンスの場面で大学教員が経済的価値をもたらしているかに関する研究である.2017年と2022年の売上高上位200社の内,両年度に出現する167社を取り上げ,人数・専門分野・性別の変化と経済的価値(株価・売上高・時価総額増減率)の変化で分析を行った.その結果,2017年に教員取締役がいて2022年にさらに増やした企業は株価に有意差があった.また2017年に教員取締役のなかに「人文社会系」分野が存在せず,2022年に新たに「人文社会系」教員を迎えた企業は株価に有意差があった.株価の影響には様々な要因があるが,産官学で人的交流を促進し,教員取締役がさらに増えることが,株価に良い影響を与えていることが統計の検定結果から分かった.従って,大学教員は企業経営の場面でも貢献しているとも言える.

  • 原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_85-1_96
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

     本号に掲載される以下の論文につきまして、掲載順とページ番号の間に食い違いが生じております。これは著者の責任によらない、編集段階でのミスに起因する修正作業の結果として生じたものです。

     対象となる論文

     【論文 Original Article】

     国立大学法人18大学における2014~2018年度の共同研究費受入額の大学間の比較

     北村 寿宏,川崎 一正,竹下 哲史,秋丸 國廣

     p 164-176

     具体的には、J-Stageにアップした上記論文について校正過程での見落としがあり、最終版の差し替え(編集上のミスによる訂正再発行)を行いました。その結果、開始ページ/終了ページの数字が掲載順と一致しないという状況が生じております。

     これは編集の責任であって、著者たちには何ら責任はありません。以後はこのようなミスがないよう、編集に携わる関係者間でのチェックを徹底いたします。ご迷惑をおかけした著者のみなさまに、お詫び申し上げます。

     2026.3.26

     産学連携学会 学術誌編集・改革委員会 委員長

     石塚 悟史

  • 北村 寿宏, 川崎 一正, 竹下 哲史, 秋丸 國廣
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_164-1_176
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/05/27
    ジャーナル フリー

    国立大学での共同研究の実施状況を明確にすることを目的に,共同研究の契約情報の提供が得られた18大学を対象として,2014~2018年度の5年間について共同研究費受入額の分析を行った.その結果,①全ての大学で共同研究費受入額全体に占める大企業の割合が最も高く,多くの大学で中小企業の割合も高いこと,②大企業を相手先とする共同研究の研究費受入額では,関東地方に位置する企業の割合が最も高く,近畿や東海地方に位置する企業の割合も高いこと,③中小企業を相手先とする共同研究の研究費受入額では,大学所在地県内企業の割合が高い一方で,関東や近畿,東海地方の割合も高いこと,④共同研究一件当たりの研究費受入額は,大学により差があり,大企業を相手先とする共同研究では大学の教員数と正の相関があること,がわかった.

    2009~2013年度を対象とした前回の調査の結果と今回の結果を比較した.その結果,①全体的な動向には大きな変化がないこと,②ほとんどの大学で共同研究費受入額が増加していること,③関東地方の大企業との共同研究で研究費受入額の増加が著しいこと,④大学所在地県内や関東地方の中小企業との共同研究で研究費受入額を増加させている大学が多いこと,⑤関東地方の企業との共同研究で一件当たりの研究費受入額が増加していること,が明らかになった.

  • XU QICHAO, 野田 博行, 小野 浩幸
    原稿種別: 論文
    2025 年22 巻1 号 p. 1_97-1_106
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本研究では,自然言語処理技術を活用して,産学連携学会誌に過去20(2004-2023)年間に掲載された共同研究に関する論文等の自然言語処理分析を試みた.具体的には,共同研究に関する論文等のテキストデータを収集し,MultipartiteRankモデルとSentence-BERTを活用し,高次元ベクトル空間にマッピングしてクラスタリングを行った.その結果として,掲載論文等を類型化し,特に4つのクラスターに注目した.また,キーフレーズ関係性の解析により,トピックに関連するキーフレーズを検証した.これらを通して,これまでの掲載論文研究の特徴を明らかにした.

研究ノート
  • ―全国大学アンケート調査の結果から―
    鹿野 京子, 小野 浩幸, 落合 文吾, 高澤 由美, 杉本 俊之
    原稿種別: 研究ノート
    2025 年22 巻1 号 p. 1_107-1_117
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    大学等の研究成果を活用した大学発ベンチャー創出への期待が一層高まっている.大学発ベンチャーの経営人材確保のための支援策の整備が進む一方で,経営人材確保には課題があることが指摘されている.

    そこで,大学発ベンチャー企業に対する大学の研究職員兼業許可の運用に関するアンケート調査を日本国内の805大学に実施した.回答があった136大学のうち,大学の研究職員の大学発ベンチャー企業への兼業の許可に関し,条件付きで可能と回答した87大学について,兼業許可の判断に関する主成分分析による分類を行った.

    その結果,大学発ベンチャー企業への兼業許可条件を,①「基準により制限するもの」と「禁止あるいは研究成果活用条件及び責務に関する要件を課すもの」,②「組織に関するもの」と「個人に関するもの」,③「研究成果活用条件及び責務に関する要件を課すもの」と「利益に関するもの」の3つの基準で類型化できることを明らかにした.これにより,大学の兼業許可条件として,禁止あるいは研究成果活用条件及び責務に関する要件を課すものに比べ,基準により制限する例が多いこと,個人的利害に関する制限より組織的利害に関する制限を条件とする例が多いこと,研究成果活用条件及び責務に関する条件を付すよりも利益に関する条件を付す例が多いことを明らかにした.

  • 原稿種別: 研究ノート
    2025 年22 巻1 号 p. 1_118-1_131
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

     本号に掲載される以下の研究ノートにつきまして、掲載順とページ番号の間に食い違いが生じております。これは著者の責任によらない、編集段階でのミスに起因する修正作業の結果として生じたものです。

     対象となる研究ノート

     【研究ノート】

     島根大学の2019~2023年度における共同研究の実施状況の分析および2014~2018年度の実施状況との比較

     北村 寿宏,川崎 一正,竹下 哲史,秋丸 國廣

     p 177-190

     具体的には、J-Stageにアップした上記研究ノートについて校正過程での見落としがあり、最終版の差し替え(編集上のミスによる訂正再発行)を行いました。その結果、開始ページ/終了ページが掲載順と一致しないという状況が生じております。

     これは編集の責任であって、著者たちには何ら責任はありません。以後はこのようなミスがないよう、編集に携わる関係者間でのチェックを徹底いたします。ご迷惑をおかけした著者のみなさまに、お詫び申し上げます。

     2026.3.26

     産学連携学会 学術誌編集・改革委員会 委員長

     石塚 悟史

  • 北村 寿宏, 川崎 一正, 竹下 哲史, 秋丸 國廣
    原稿種別: 研究ノート
    2025 年22 巻1 号 p. 1_177-1_190
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/05/27
    ジャーナル フリー

    島根大学の共同研究の実施状況について,2019~2023年度の契約データに基づき,相手先やその地域性,研究費受入額などの分析を行った結果,および,2014~2018年度を対象とした既報の調査結果と比較した結果,①調査期間における共同研究の件数と受入額は概ね増加傾向にあること,②大企業を相手先とする共同研究の件数は全体としては横ばい傾向であるが,近畿地方,中国地方,島根県では増加したこと,③中小企業を相手先とする共同研究の件数は増加傾向がみられ,特に,近畿地方,中国地方,島根県で顕著な増加がみられたこと,④企業を相手先とする共同研究の一件当たりの研究費受入額は,大企業との共同研究では2017年度頃から増加傾向がみられ,中小企業との共同研究では顕著ではないが2020年度頃に増加の兆しがみられたこと,⑤企業以外を相手先とする共同研究は,件数,受入額ともに減少傾向にあること,を明らかにした.

事例報告
  • ~ベイエリア視察から見た日本の課題~
    西山 英作
    原稿種別: 事例報告
    2025 年22 巻1 号 p. 1_132-1_136
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    2024年11月16日~22日,筆者は東北経済連合会の増子次郎会長とともに,米国西海岸(シリコンバレーを含む)の企業や研究機関を視察した.東北地域では,ITER BA,ILC,ナノテラス,福島イノベーション・コースト構想などの科学技術プロジェクトが進行している.本視察の目的は,シリコンバレーの地域イノベーションシステムの成功要因を学び,東北・新潟地域の産業競争力強化に活かすことであった.

    視察を通じて,以下の2点が特に印象に残った.

    ① 米国における自動運転技術の社会実装が我が国に比べてはるかに進んでいること.

    ② 日系企業がシリコンバレーでのネットワークづくりに果敢にチャレンジしていること.

    米国の制度と比較したとき,我が国の特区制度が形骸化しており技術実装の障壁となっていることが強く感じられた.シリコンバレーのようなイノベーション・エコシステムへの参画には,現地の大学や,シリコンバレーと強いネットワークを持つ経営者との連携が鍵であり,特にソーシャル・キャピタルの構築が重要であると感じた.

  • ~自動車用銅合金材料および量産技術開発を事例に~
    菅原 章
    原稿種別: 事例報告
    2025 年22 巻1 号 p. 1_137-1_152
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    産学連携における人材育成の参考事例として,2023年7月31日に東北大学で行った講義1)の内容とスライドを紹介する.この講義はトップリーダー特別講義と題され,東北大学工学部並びに工学研究科の人材育成プログラムの一環として,世界で活躍するリーダーを講師とし,強い問題意識や問題点の深掘り,広い視野と長期的視点での問題の解決力育成を狙いとしている.著者は,研究開発や工業化の実績,273件の特許権利化数,現在経営者の立場として研究開発部門を管掌していること,並びに2022年に設置されたDOWA×東北大学共創研究所における特任教授の経歴などから今回の講師を務めることになった.自動車用銅合金材料および量産技術開発を事例に,企業における研究者の役割と必要とされる能力について言及する.

  • 菅原 章
    原稿種別: 事例報告
    2025 年22 巻1 号 p. 1_153-1_163
    発行日: 2025/12/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    産学連携における人材育成の参考事例として,2024年11月5日に,学際融合グローバル研究者育成東北イニシアティブ(TI-FRIS)1)の産業界R&D・社会実装講座2)として,秋田大学で講演した内容とスライドを紹介する.この講演は,文部科学省の研究者戦略育成事業のもと,学際性,国際性,社会性を兼ね備えた世界トップクラスの研究者育成を目指すブログラムの一つとして行われている.2024年度は秋田大学での開催にあたり,包括連携協定,寄附講座設置など秋田大学とDOWAホールディングスとの強い連携関係と,東北大学における著者の講義や講演実績から今回の講演につながった.非鉄金属リサイクルの現状と今後のTransformation, RXと題し,資源循環のビジネスモデル,様々な課題とその対策,将来に向けた取り組みについて言及する.

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