本研究では,地域イノベーションを促進するため,北部九州地域の拠点都市を対象にイノベーション構造について検討した.
まず,地域イノベーションを直接的要素と間接的要素に分けて,主成分分析により,構成要素を分類し,さらに重回帰分析により,地域イノベーションに影響を与える要因を明らかにした.分析の結果,構成要素は「都市の規模」「工業の集積」「公的セクターのやる気」「都市機能・都市の魅力・都市の多様性」「インフラ」「安全・安心・居住」の6つに分類され,とくに「都市機能・都市の魅力・都市の多様性」と「工業の集積」が重要であることが分かった.
次に分析結果をもとに,クラスター分析により求めた3つの都市グループに対して,地域イノベーションの構造を考察し,都市政策のあり方について示唆した.
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