本研究の目的は,ナノ構造物分野(国際特許分類(IPC)のB82B1/00)における特許出願の内容や出願後の経過について,3つの出願人タイプ(大学,公的研究機関,民間企業)別に見た場合の差異を明らかにすることである.特許電子図書館(IPDL)を検索して,特許出願のデータを収集し分析した.その結果,公開特許公報ページ数,テーマコード数で有意な差異があることが分かった.テーマコードの分布では,7技術分野(光学・画像,医薬品・医療機材,プラスチック成型・処理,無機材料,有機材料,金属材料,半導体)で大きな差異があり,民間企業の方が大きい技術分野と大学,公的研究機関の方が大きい技術分野があることが分かった.出願後の経過では,審査請求既判断に対する審査請求実施の割合,審査請求実施に対する審査終了の割合で有意な差異があることが分かった.
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