これまでに提案された3選別系以上の総合的な選別指標を,それが満たすべきSchulzが示した5条件によって検討した。その結果,5条件のすべてを満たす総合的な選別指標はまだ提案されてないことがわかった。また,
n選別系の場合に適用できる総合選別効率は,回収率行列の行列式
dを用いて
m=
d1/(n−1)で表されることを示した。これは青木が予測した総合選別効率にほかならず,
mは2選別系から多選別系にいたるまで5条件をすべて満たし,供給物中の完全に選別される割合という明確な物理的意味を持ち,
n選別系に拡張できる総合選別効率であることを示した。この拡張総合選別効率とSalamaが提案した汎用選別効率について乱数を用いてシミュレーションを行い,これらの比較も行った。
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