N
2-H
2S雰囲気下,1,673~1,773KでCaO-SiO
2-Al
2O
3溶融スラグからの鉛の揮発速度を測定した。スラグ試料は都市ごみガス化溶融スラグを模擬し,20~30wt% CaO,30~60wt% SiO
2,20~40wt% Al
2O
3,PbO 2,000mg・kg
−1に調整した。鉛の溶融スラグからの揮発速度はスラグ中に残存するPbO含有量の経時変化から求めた。
その結果,N
2-H
2S雰囲気では溶融スラグ中のPbOはPbSとして揮発し,PbSの揮発速度はN
2-O
2雰囲気でのPbOの揮発速度よりも大きくなった。またPbSの見かけの揮発速度定数はH
2S分圧の増加とともに増大し,CaO含有率の高い低粘度の溶融スラグほど増大した。さらに,H
2SとHCl分圧が同一の場合,溶融スラグからのPbSとPbCl
2の見かけの揮発速度定数はほぼ等しく,溶融温度の上昇とともに増大した。
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