日本母性看護学会誌
Online ISSN : 2434-6187
Print ISSN : 1345-773X
22 巻, 2 号
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総説
  • 西村 香織, 北島 友香, 工藤 里香, 松井 弘美
    2022 年 22 巻 2 号 p. 1-8
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル フリー

    本研究は看護者が感じる気がかりな妊婦の概念を導出することを目的とする。研究方法は、Walker & Avantの概念導出を用いて、文献検討、親分野の選択、親概念の選択、親概念からの置き換えと再定義を行った。結果、看護者が気がかりな妊婦を見出す認知プロセスは、カテゴリー化のプロセスである【対象のパターン認知】【対象表象の検索】【最も似た知識表象の選択】【対象の持つ性質についての推論】の過程に置き換えることができた。以上より、看護者が感じる気がかりな妊婦とは「看護者が五感を通して妊婦の特徴を認知し、それをもとに過去の学習や臨床経験、他者の情報の検索を通して最も似た妊婦を選択し、妊娠・出産・育児の経過の中で身体・心理・社会的側面のいずれかにおいて危惧する状況になり得る性質を推論するプロセスを経て見出した妊婦」と定義づけた。今後は気がかりな妊婦の概念の活用に向けて属性を明らかにしていく必要がある。

原著
  • 桟 あさな, 森 恵美, 岩田 裕子
    2022 年 22 巻 2 号 p. 9-16
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/04/08
    ジャーナル フリー

    研究目的は妊娠期にバースプランを作成して出産をした女性の経験を明らかにすることであった。出産後1年以内の女性21名に半構造化面接を行い、質的帰納的に分析した。その結果、以下の11テーマ[出産に対する自分の希望や思いを表す]、[何を書いていいかわからない]、[自分なりのバースプランを作る]、[他人にどのように受け取られるか気になる]、[助産師からの関わりを受けて作りたい]、[わが子の誕生に臨む自分の想いに気がつく]、[自分の出産イメージを具体的に言葉にする]、[自分の出産における安全性や不確かさを想像する]、[夫や家族とともに作る]、[バースプランを夫や助産師と共有して出産をする]、[バースプランによって出産に向けた準備をする]が導かれた。バースプラン作成への看護として、作成目的の丁寧な説明や妊婦への共感、妊婦に合った情報提供、バースプランを妊婦と家族、医療職者とで共有する重要性が示唆された。

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