看護学生の看護婦志向と性格特性の関連について,第1報調査対象の2年次66名に新たに2年次76名を加え,絵画欲求不満テスト(P-Fスタディ)を用いて検討し,以下の結果を得た。
1. 今回調査の76名は,看護婦志向において入学時の記憶に志向の不明確な者が多かった。2年間の変化では,志向プラス傾向の強い者,志向マイナス傾向の者は減少し,志向の不明確な者が増加した。これは第1報調査に類似した傾向であった。
2. 2年次後期における看護婦志向プラス群は,P-FスタディにおいてM’反応に帰因するM%および,M+
I%が有意に高値を示した。志向マイナス群では,E’およびE反応に帰因するE%,およびE-
E%が有意に高く,各群の反応傾向の差異が認められた。
3. P-Fスタディの反応転移分析において,看護婦志向プラス群は,前半のE系統およびN-Pが,後半I系統,M系統およびO-Dに流れる傾向があった。志向マイナス群では,特徴が薄い。志向がマイナスからプラスに転じた群では,前半のE系統およびN-Pが後半IおよびM系統に移り,志向プラス群の傾向に類似していた。
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