日本看護研究学会雑誌
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12 巻, 3 号
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  • 鈴木 栄子, 大串 靖子
    1989 年 12 巻 3 号 p. 3_9-3_15
    発行日: 1989/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     褥瘡予防と安楽性保持の上から、臥床時の体圧と寝具条件との関連性を検討した。7種類の寝具条件について、荷重による沈み込み率を測定したところ、ベッドにスプリングマットレスを置いた場合(ベッド式)に比べ、畳上にウレタンマットを置き、布団を敷いたり、布団だけ2枚敷いた場合(布団式)の方が沈み込み率が大きかった。中でも、ウレタンマットと布団1枚、あるいは既使用布団2枚の条件が最も沈み込み率が大きかった。
     後頭部、肩甲部の体圧はベッド式のときが高く、仙骨部、踵部の体圧は既使用布団のときが高かった。下肢屈曲時は、仙骨部、踵部の体圧は下肢伸展時の2倍以上となった。下肢屈曲時の体圧増加傾向は、仙骨部の場合、いずれの寝具条件においても認められたが、踵部の場合は、未使用布団のほうに顕著に認められた。男子の場合は、既使用布団だけでなく、未使用布団でも仙骨部の体圧が高かった。体格の相違では、やせ型の場合、既使用布団だけでなく、ベッド式でも仙骨部体圧が高かった。一般に畳に布団式より、ベッド式の方が強い圧迫の緩和に効果的であったが、やせ型体格や男子の場合は、ベッド式でもなお圧迫緩和の工夫が必要であると考えられた。
  • -認知心理学的検討-
    桂 敏樹, 野尻 雅美, 中野 正孝
    1989 年 12 巻 3 号 p. 3_16-3_24
    発行日: 1989/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     分裂病群(27名)、非分裂病群(7名)、健常群(8名)計42名を対象としてPribramのPlanの概念で補強したBroadbentの感覚情報処理理論モデルを背景にして、Bleulerのいう能動的注意の障害、受動的注意の障害、及び、連合弛緩に対応するSS、RS、Planの障害について検討した。手法としては、Dichotic Listening Testなどを用いて呈示した散文を追唱させ、その後想起させた。
     本研究によって以下のことが明らかになった。
    1) 分裂病群には、SS、RS、Planの障害が認められる。一方、非分裂病群には、SS、RSの障害が認められる。
    2) 病型別に見ると、破瓜型にはSS、Planの障害が認められるが、RSの障害は認められない。一方、妄想型には、SS、RS、Planの障害が認められる。
    3) 想起は分裂病群、非分裂病群ともに全般に少なく断片的である。妨害のある場合、分裂病群では関連のない想起が多い。
  • 寄本 明, 中村 裕子
    1989 年 12 巻 3 号 p. 3_25-3_31
    発行日: 1989/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本研究は、三交替制勤務を行っている看護婦のエネルギー消費量を明らかにすることである。被検者は20~30歳(平均23.1歳)の看護婦10名であり、生活時間調査法によるエネルギー消費量の算出と自覚的疲労調査を行った。得られたサンプルは日勤で22例、準夜勤で11例、夜勤で11例、休日で6例であった。得られた結果を要約すると以下の通りである。
    (1) 休日の生理的、家事的および社会的文化的生活時間は各勤務日に比べて長くなっていた。収入生活時間は深夜勤が最も長く、次いで日勤、準夜勤の順であった。
    (2) 1日のエネルギー消費量は日勤で1,948kcal(38.8kcal/kg)、準夜勤で1,835kcal(38.0kcal/kg)、深夜勤で1,956kcal(39.5kcal/kg)、休日で1,854kcal(36.0kcal/kg)であった。
    (3) 勤務中のエネルギー消費量は日勤で885kcal(1.86kcal/kg/hr)、準夜勤で779kcal(1.77kcal/kg/hr)、深夜勤で837kcal(1.77kcal/kg/hr)であった。
    (4) 自覚的疲労の訴え率は、準夜勤および深夜勤が日勤に比べて高い傾向を示した。
  • 田丸 雅美, 須永 清
    1989 年 12 巻 3 号 p. 3_32-3_38
    発行日: 1989/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     摂食時間帯の変更による消化への影響を検討するために摂食量、肝グリコーゲン量、膵アミラーゼ活性、膵トリプシノーゲン活性、血漿アミラーゼ活性の変化をマウスを用いて分析した。
    1) 摂食時間帯を(9:00~21:00)から(21:00~9:00)に変更しても、摂食量はほぼ4g/dayと変化を示さなかった。
    2) 摂食時間帯後2日目の肝グリコーゲン量は0mg/g of liverから50~60mg/g of liverとすでにこの時点で増加を示し、その値は変更前の21:00の肝グリコーゲン量とほぼ同じであった。
    3) 膵アミラーゼ活性と膵トリプシノーゲン活性は、摂食時間帯変更後4日目から6日目には有意の増加を示したが、その後減少した。しかし、これらの活性は2週間トレーニングしたマウス(B群)の膵アミラーゼ活性を除いては摂食時間帯変更後11日目でさえも対照群より高い値を示した。
    4) 血漿アミラーゼ活性の増加が少し遅れて見られたことから、膵消化酵素活性の増加は酵素の分泌阻害によるものと考えられる。
  • -患者主導型および看護者主導型会話効果の比較-
    山本 勝則, 内海 滉
    1989 年 12 巻 3 号 p. 3_39-3_42
    発行日: 1989/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     57才 片麻痺患者と看護学生ならびに看護教師との会話場面をプロセス・レコードにて時間的に分析した。
     発言時間と沈黙時間の比を患者および看護者において算出し、当該比率を掛け合わせた積を会話効果と定義した。
     会話効率には2種類がみられ、患者を先にしたものと、看護者を先にしたものとにより値を変えその解釈にも差異を生じた。
     2~3の傾向を見出し得た。
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