マウスを用いて6日間にわたり毎日活動期初期に1時間の運動を行わせ,以後自由摂食させた群を対照とし運動後の絶食の影響を検討した。
1. 自由摂食(対照)群に対し,絶食させた2つの群はいずれも有意の体重増加を示した。
2. 運動後4時間絶食させた後,自由に摂食させた群は対照群に対し腹腔内脂肪重量は変わらず,腓腹筋重量の有意の増加が認められた。
3. 1,2の相違を代謝変動から検討すると,運動直後は肝の耐糖能(グルコースの取り込み)が低下し,肝TO活性は上昇した。従って,この時期に摂食すると肝外組織へのグルコース流入が増加し,トリプトファンは減少するため,相対的に脂肪合成が促進されたと考えられる。
一方,運動後4時間目は肝の耐糖能は正常化するので,アミノ酸のグルコース化が抑えられ,さらに肝TO活性は低下しているので,この時期に摂食すると肝外組織へのアミノ酸流入が増加するので,タンパク合成が促進されたものと考えられる。
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