日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
Print ISSN : 2188-3599
ISSN-L : 2188-3599
15 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • -非妊婦における胸式呼吸法と腹式呼吸法の比較-
    江守 陽子, 石井 トク, 前原 澄子
    1992 年 15 巻 4 号 p. 4_9-4_16
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      本研究は分娩時に産婦が行なう呼吸法について,胸式呼吸法と腹式呼吸法を生理学的指標を用いて観察し,検討したものである。
      36人の健康な非妊婦(平均年齢21.7±0.8歳)が研究の対象として選ばれた。
      結果を要約すれば次の通りである。
    (1) 胸式呼吸法と腹式呼吸法の間では,ゆっくりで深い呼吸様式において心拍数が有意な違いを認めた。しかし,その他の生理学的指標については,両者の呼吸法に差は見られなかった。
    (2) 胸式呼吸法は,腹式呼吸法や安静時値に比べてtcPO2値が高く,tcPCO2値が低かった。従って,胸式呼吸法は腹式呼吸法よりも安易に過換気状態となりやすいように思われた。
    (3) ゆっくりした深い呼吸を行なうと,安静時の値より心拍数の減少が認められた。また,速い呼吸では有意に拡張期血圧の低下が認められた。
      今回の私達の成績からは,分娩時の呼吸法としてはどちらの呼吸法を用いても大差ないものと思われる。
  • -色刺激と皮膚血流量の変化-
    猪下 光, 内海 滉
    1992 年 15 巻 4 号 p. 4_17-4_23
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
    1) 裸眼への光刺激の人体に与える影響を色覚正常な健康成人女性15名の皮表における微小循環血流量の変化にて観察した
    2) 光刺激の強度を,黄色光刺激の100ルクスの場合と,同じく600ルクスの場合とで比較すると,前者は後者に比して,その変動は大であった。
    3) 色彩別光刺激による血流変化量は,刺激となる光の波長に関係し,赤・黄・緑・青の順であった。
    4) 顕在性不安尺度(MAS)を用いて不安のレベルより観察すると,同一色彩,同一強度による光刺激の負荷においても血流変化量は異なり,高不安群は低不安群に比して,緑を除き大なる変動を示していた。
  • -学年別にみた自己教育力に関するアンケートの所見-
    森 千鶴, 佐藤 みつ子, 森下 節子, 内海 滉
    1992 年 15 巻 4 号 p. 4_24-4_35
    発行日: 1992/09/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      自己教育力は,自分が自分で自分を教育する力である。専門職業人として看護者は,生涯にわたって成長しつづけていくことが必要であり,その原動力となるべき自己教育力を育てることは重要である。
      本研究は,看護短期大学学生476名を対象に,梶田による「自己教育力調査項目」を用いて質問紙法で調査した。その結果,全学年では,3年次と1年次学生間にプライド因子において有意な差が認められ,3年次学生はプライドが低い傾向が推察された。1年次と2年次は類似の傾向がみられたが,3年次学生との共通性は見いだせなかった。これは,教育方法や学習環境が異なるためと考えられる。また看護学生は,臨床実習などの体験により,自己を振り返る機会が多いためか1年1年急速に変化していることが認められた。
feedback
Top