日本看護研究学会雑誌
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16 巻, 1 号
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  • 吉田 伸子, 赤井 ユキ子, 笹本 喜美江, 渡辺 世都子, 大野 時子, 金井 和子, 土屋 尚義
    1993 年 16 巻 1 号 p. 1_39-1_51
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     この研究は看護者の看護行為の家族委託意識を明らかにした。そのため看護者に対し看護委託意識を調べる質問紙調査を行った。結果は次の通りであった。
    ① 療養上の世話,中でも洗濯,衣類の整理などの身の囲りの世話の委託意識は高く,血圧測定,呼吸脈拍数の測定など医療観察項目の委託意識は低い。
    ② 看護・診療補助過程の実践段階の委託意識は問題の査定段階に比し,看護ではその行為のやり易いもの,日常性の高いものの委託意識が高くなり,看護者にとって多義的意義をもつ全身清拭などの委託意識は高くならない。また診療補助過程では生命の危険を伴う行為は安全性の面から委託意識が低く押さえられる。
    ③ 経験6年未満の看護者は6年以上の看護者より,経験6年未満の未婚看護者は6年未満既婚看護者より療養上の世話の委託意識が高い。
    ④ 内科系看護者は外科系看護者より診療の補助に伴う看護行為の委託意識が高い。
    ⑤ 専門書講読有りと答えた看護者は療養上の世話,診療の補助双方の看護委託意識が低い。
  • -シルビタの効用 -
    葛西 敦子, 小井戸 浩子, 鈴木 光子, 木村 宏子
    1993 年 16 巻 1 号 p. 1_52-1_59
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     保育器は,低出生体重児にとって必要不可欠なものである。しかし,高温・高湿であるため,細菌の増殖しやすい環境にあり,その中でも,加湿槽水は最も汚染されやすい。そこで,加湿槽水に,①滅菌蒸留水,②シルビタ(銀剤)入り滅菌蒸留水,③シルビタ入り院内精製蒸留水のそれぞれを使用し,細細菌学的検索を行った。加湿槽水は毎日交換し,その交換前・後に検体を採取し,培養・同定した。
    1. 非滅菌の院内精製蒸留水にシルビタを投入した加湿槽水の菌減少率は,15分後66%,30分後91%,60分後99%,24時間後100%であった。
    2. 滅菌蒸留水,シルビタ入り滅菌蒸留水のいずれも,24時間毎の交換で菌の検出はなかった。
    3. シルビタ入り院内精製蒸留水では,24時間後に菌の検出されたものもあり,菌種も未熟児の日和見感染菌とされるグラム陰性桿菌もあったことから,不適切であると考える。
     以上より,消毒済み保育器に児を収容する場合,加湿槽水に滅菌蒸留水を使用し24時間毎に交換すれば,細菌の汚染はない。さらにシルビタを投入すればより効果的と考える。
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