日本看護研究学会雑誌
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17 巻, 3 号
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  • 深井 喜代子, 長谷川 美由紀, 奈良 あゆみ, 松尾 圭子
    1994 年 17 巻 3 号 p. 3_15-3_21
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      精神科領域では不安や緊張,抗精神病薬等の副作用のために便秘を自覚する患者が少なくないと言われる。私たちの精神科開放病棟でも約46%の入院患者が便秘を訴えていた。そこで,便秘を主訴とする小集団(教室群)への,排便補助動作を強化する体操を含む組織的患者教育を実施し,その効果を検討した。その結果,排便頻度は体操参加のみの患者群11名中6名で,教室群では9名中6名でわずかながら増加し,両群ともに下剤常用患者の半数でその使用頻度が減少した。また教室群においては,体操参加率と下剤使用頻度の間に負の相関関係がみられた(n=9,r=-0.88,p<0.01)。さらに,教室開催期間中は病棟全体の体操参加率が有意に増加していた。以上より,精神科患者において,組織的集団教育は患者の排便調節に対する認識と便秘対処活動に,より健康的な変化をもたらすことが明らかになった。
  • -精神的健康を阻害する生活出来事-
    桂 敏樹, 野尻 雅美, 中野 正孝
    1994 年 17 巻 3 号 p. 3_23-3_29
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      更年期女性のストレス管理と精神的健康の増進を目的として千葉県一農村の中高年女性を対象にうつ状態と関連する生活出来事を検討した。
      生活出来事の発生状況をみると,家族の病気30.0%,収入の変化26.5%,肉親の死16.6%,怪我・病気15.2%,家の改築,子供が家を出る,近所付き合いの変化,借金の順に発生頻度が高い。
      単変量解析の結果,抑うつ状態に有意に関連する生活出来事は配偶者の死のみであった。
      多変量解析の結果をみると相対危険が有意に高い出来事は配偶者の死,家族の病気であった。退職,怪我・病気もうつ状態に関連している傾向を示した。
  • 桂 敏樹, 野尻 雅美, 中野 正孝
    1994 年 17 巻 3 号 p. 3_31-3_36
    発行日: 1994/07/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      生活価値観の充足が中高年住民の主観的幸福感に及ぼす影響力について比較検討した。調査では30歳から69歳までの2022人を対象に13生活領域に対する価値観および満足感を尋ねた。一方,主観的幸福感はNeugartenのLife Satisfaction Indexを用いて測定した。そして,生活価値観の充足と主観的幸福感との関連を多変量解析を用い検討した。
      多変量解析の結果,以下のことが明らかになった。
    1.全体で有意に主観的幸福感を規定した生活領域は家族であった。
    2.性別にみると有意に主観的幸福感を規定した生活領域は男では家族,女では趣味・余暇であった。
    3.年齢階級別にみると有意に主観的幸福感を規定した生活領域は30歳代では家族,健康,収入,趣味・余暇,40歳代では家族,地域社会,50歳代では趣味・余暇であった。60歳代では有意に主観的幸福感を規定した生活領域はなかった。
    4.性・年齢階級別にみると男で有意に主観的幸福感を規定した生活領域は30歳代では家族,居住環境,40歳代では勤労の質,60歳代では消費であった。50歳代では有意に主観的幸福感を規定した生活領域はなかった。一方,女は30歳代では勤労の質,40歳代では消費,家族,地域社会,趣味・余暇,50歳代では教育・文化であった。60歳代では有意に主観的幸福感を規定した生活領域はなかった。
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