日本看護研究学会雑誌
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19 巻, 1 号
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  • -特に心拍数の変化と睡眠感との関連性についての検討-
    本江 朝美, 金井 和子, 土屋 尚義
    1996 年 19 巻 1 号 p. 1_45-1_52
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      本研究は,睡眠障害の実態を把握し対応を考察するために,セルフケア可能な26例を対象とし,入眠過程における心電図変化と睡眠に関するアンケート調査結果との関連を検討した。その結果,以下の知見を得た。
    ①不眠感不満感は,26.9%で認められた。これらは特に就床時間が著しく早いか又は遅く,自覚的寝つき時間が長く,熟睡時間が短いと自覚する傾向があった。
    ② 心電図上,就床後心拍数が減少し安定するまでの時間は,平均22.8±21.5分であった。これは,自覚的寝つき時間と明かな相関を示した。不眠不満との関係では,それを訴える患者で極端に安定が遷延化する例が認められ,熟睡時間,覚醒時間と負の相関を示した。
    ③ 中途覚醒,夢は,心拍数安定時間が20分以上要した患者に多くみられた。
    ④ 就床前後の不整脈の出現と不眠不満との関連性は,特に認められなかった。
  • -実習初期の学生に対する心肺蘇生法の指導方法に関する検討-
    西沢 義子, 早川 三野雄
    1996 年 19 巻 1 号 p. 1_53-1_60
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      救急蘇生活動(CPR)における認知スタイル別教育方法についての示唆を得るために,速さ(FとS)と正確さ(AとI)の2要因からCPRを分析した。養護教諭養成課程学生77名の被験者を予めMFFテストでFA,FI,SA,SIの4グループに分類し,呼吸停止・心停止0.5分にセットされたダミーに対してCPRを実施させた。これらの状況はVTRによる録画とCPR記録用紙により観察した。被験者の生体負荷は心拍数,深部および表面体温で測定した。また,STAIテストを用い平常時の特性不安およびCPR実施後の状態不安得点を測定し,以下のような結論が得られた。
      1. 被験者の心拍数はCPR開始2分後には40~50,深部体温は0.07~0.17℃,表面体温は0.09~0.34℃の上昇が認められ,生体負荷はかなり大きかった。
      2. CPR実施後はどの認知スタイルの者でも高不安状態にあった。
      3. 蘇生率はFA型62.5%,SA型48.3%,SI型40.0%,FI型31.4%とA要因が関与していた。平均蘇生時間は171.88±25.01秒であった。
      4. 心マッサージの強さはA,F要因と有意な関連が認められ,不良数は認知スタイルとやや関連する傾向が認められた。
      5. 心マッサージ時間は,反応の速い型で速かった。
      6. FI型にとってCPRは有利な課題であった。
  • -特に心拍数の変化と睡眠感との関連性についての検討-
    本江 朝美, 金井 和子, 土屋 尚義
    1996 年 19 巻 1 号 p. 1_61-1_68
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      本研究は,睡眠障害を把握し対応を考察するために,セルフケア可能な23例を対象とし,起床前後の心電図変化と睡眠に関するアンケート調査結果との関連を検討した。その結果,以下の知見を得た。
    ① 不眠感,不満感は,52.2%で認められた。不眠感を訴える人は,就床時および中途覚醒時のねつき時間が長く,早朝覚醒後起床に至るまでの時間が長い傾向があった。不満感を訴える人は,むしろ不快症状を有し,それらは夢を伴う場合が多い傾向があった。
    ② 起床前後の心拍数の変動は,起床前2時間から1時間では夜間睡眠安定時の平均心拍数より3.63±3.54bpmの増加がみられ,その後起床30分前から徐々に増加しはじめ起床後10分でピークに達した。これらの心拍数の変動は,不満感の有無では差は認められなかったが,不眠感の有無で比較すると,不眠感がない人は起床30分前から徐々に心拍数が増加するのに対し,ある人は起床10分前になって急激に心拍数が増加した。また起床に至るまで30分以上目覚めている人は,起床前90~70分で心拍数が増加しており,6時以降に起床した人は起床5分前から急激な心拍数が増加した。
    ③ 起床前後の不整脈の出現については,不眠感不満感との関連を認めなかった。
  • -4%食塩水と消毒用エタノールを使用したアイスキャップの冷却効果と脱毛予防効果-
    井上 貴美子, 岡崎 美晴, 後田 礼子, 藤井 奈都子, 濱田 準子, 山本 春美, 平田 雅子
    1996 年 19 巻 1 号 p. 1_69-1_82
    発行日: 1996/04/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
      本研究の目的は,4%アイスキャップ(4%食塩水9;エタノール1)を用いた頭部冷却法の有効性を明らかにすること,この頭部冷却法により抗癌剤投与時の脱毛を予防することである。この目的に沿って実験及び調査した結果,以下の結論を得た。
    1.4%アイスキャップを用いた頭部冷却法は頭皮全体の皮膚温を低下させる。
    2.頭部への血流の測定において,CCAから分枝したICAとECAでは,血流速度はECAの方が明らかに低下し,その時の顔面の皮膚温は変化しないことから,頭部冷却法は頭皮への血流量のみを選択的に減少させる。
    3.頭部冷却により頭皮への血流量は減少し,それに伴って頭皮温も低下するが,バイタルサインには影響がなく,頭皮の損傷も見られなかった。
    4.ADM及びFMBを使用する化学療法において,4%アイスキャップによる頭部冷却を行うことにより,単独投与であれば脱毛は100%予防できる,つまり,脱毛出現率は0%となる。多剤併用療法であってもADMでは86.6%,FMBでは62.5%脱毛を予防できた。
    5.脱毛の程度を左右する因子としては,
      ① ADM,FMBの総投与量と投与方法
      ② 併用薬剤の種類と総投与量,及び投与方法
      による影響が大きいと思われる。
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