生活価値観の充足が地域住民の主観的ストレス感に及ぼす影響力について比較検討した。調査では30歳から69歳までの住民2,022人を対象に13生活領域に対する価値観および満足感を尋ねた。一方,主観的ストレス感は5段階で尋ね,生活価値観の充足と主観的ストレス感との関連を多変量解析を用い検討した。
多変量解析の結果,以下のことが明らかになった。
1)全体で有意に主観的ストレス感を規定した生活領域は健康,家族,仕事,趣味・余暇,居住環境,収入であった。
2)性別にみると有意に主観的ストレス感を規定した生活領域は男では仕事,健康,収入,居住環境,家族,女では家族,趣味・余暇,健康であった。
3)年齢階級別にみると有意に主観的ストレス感を規定した生活領域は30歳代では家族,仕事,年齢,趣味・余暇,40歳代では健康,50歳代では家族,60歳代では居住環境であった。
地域住民では性を問わず健康および家族に対する価値観が充たされないことはストレスと強く関連することが示唆された。
抄録全体を表示