絆創膏貼付と細胞の剥離との因果関係を明らかにするために,走査電子顕微鏡 (SEM) を用いた形態学的研究を行った。 11種類の絆創膏とビニールテープを上腕内側に貼付し,3,12,24,時間後に剥がし,SEM で観察して得られた結果を以下に述べる。
1) 絆創膏やテープによって除去された角質層の扁平上皮細胞が SEM で鮮明に同定された。
2) 絆創膏表面に付着した扁平上皮細胞の密度や形像は,使用された絆創膏の種類や貼付時間によって異なった。
3) 紙バンやエラストポアは,強力な接着力をもち,扁平上皮細胞を層ごと剥離した。 一方,ビニールテープは接着力が弱く,皮膚の一部に剥離されない部分がみられた。
4) 使用されたすべての絆創膏において,貼付3時間後では,表皮の剥離の程度は弱かったが,貼付時間の延長とともに上皮細胞の剥離は増大した。
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