市販のマッサージ器を用いた土踏まずとふくらはぎに対するタッピングの下肢浮腫軽減効果を,介護老人福祉施設に入所中の26人の高齢者を対象として検討した。朝と夕方の下肢周径を連続6日間測定し,後半の3日間は夕方の測定後に30分間のタッピングを施行した。
コントロール期間中の朝の下肢周径は,前日の夕方に比べて平均2㎜短縮したに過ぎなかったが,タッピング期間中は平均8㎜短縮した。
心疾患の有無,利尿剤服用の有無,移動形態の3つの特性で対象者を分類し,朝の下肢周径の平均値について分析したところ,全ての群においてタッピング期間の下肢周径はコントロール期間に比べて有意に短縮した。
市販のマッサージ器を用いた土踏まずおよびふくらはぎに対するタッピングは,心疾患の有無,利尿剤服用の有無にかかわらず,高齢者の下肢浮腫を軽減させるための有効な援助方法である。
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