障害をもつ患者を自宅退院に導くためには,患者家族の相互作用の中でいかに看護師が働きかけるかが重要である。本研究は,回復期リハビリテーション病棟において,自宅退院に困難を感じた患者家族の自宅退院への援助プロセスを明らかにすることを目的としている。看護師12名を対象に半構成的面接を行い,事例に対する援助過程について聞き取りを行った。データは逐語録におこしグラウンデッドセオリー法にて分析した。
その結果,看護師は【自宅生活の安全性分析】と【家族間緊張の感受性】能力を常に働かせながら介入していた。【ADL獲得介入】では,「目標ADLへの挑戦」をしながら患者を支援し,患者の落ち込みがみられた時に「無理をしないADLへの転換」をしていた。そして同時に患者家族に対して【生活の意思決定介入】を積極的に行っていた。これらの能力と介入は,患者と家族を安全な自宅生活に導くために重要であると考える。
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