本研究の目的は,血液透析患者自己管理行動尺度を作成し,信頼性と妥当性を検討することである。平成15年に透析専門病院に通院する維持期血液透析患者133人に調査を実施した。
有効回答者数は129人で,年齢は59±11歳(平均±SD)であった。反応偏向項目,回答欠損状況による項目選定の後,因子分析を実施し,第1因子「食事療法と水分制限の遵守」22項目,第2因子「治療法の管理と合併症の予防」5項目,第3因子「身体と心理社会生活の調整」6項目の3因子が抽出された。各因子のCronbach α係数は,0.687~0.922で,尺度全体で0.919であった。また各因子および尺度全体は,予防的保健行動尺度と有意な相関関係が認められた。
本尺度は,信頼性と妥当性がほぼ認められた。今後は,患者の食事や日常生活における自己管理行動を促進する看護援助の効果の評価指標として本尺度を活用することができると考える。
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