本研究の目的は,周手術期実習において看護学生と患者の援助関係の形成に関する要因を探索することである。研究方法は,実習記録から相互作用のある場面を抽出し,思考・感情・行動の3側面と正木らの援助の発展を促進させる6要素で分析し,援助関係の形成要因を考察した。分析にはKrippendorffの手法を用いた。
結果,看護学生の援助の発展を促進させる6要素を抽出し,さらに思考・感情・行動の特徴から援助関係の形成要因について以下の結論を得た。
1 .6要素のうち「関心をよせる」「推し量る」「照合する」については思考・感情・行動を伴っており,相互作用の内容に沿う記述がみられ,援助関係の形成要因であるといえる。
2 .「応える」は感情や思考を伴わない相互作用があり,援助関係の形成には消極的な内容であった。
3 .「委ねる」「信頼する」は思考・感情・行動を伴わない相互作用があり,形成要因は存在しなかった。
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