目的:性暴力被害者に対する看護支援に関する研究の動向を検討し,今後の看護実践への示唆と研究課題を明らかにする。
方法:国内文献はキーワード「性暴力被害」とし『医中誌Web版』にて検索した52件を,外国文献はキーワード「rape victim」「sexual assault victim」「nurse」とし『PubMed』と『CINAHL』にて検索した39件を分析対象とした。年次推移別,研究内容別,研究方法別,研究対象別に分析した。
結果:国内では看護者による具体的なケアを検討した内容はほとんどなく,総説が7割以上を占め,質的研究はみられなかった。これに対し,海外では日本より約20年早く研究が開始され,看護者や実際の支援場面が取り上げられており,量的研究約3割,質的研究約2割であった。
結論:日本においては内閣府による性暴力被害者支援施策が進められており,看護者が主体となって支援することが求められている。看護者の支援内容を具現化する研究や,看護者へのケアに関する研究の必要性が示唆された。
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