目的:本研究は,地域在住高齢者の聞こえの自己評価と純音聴力閾値の左右差および語音了解閾値の関係を検討することである。
方法:介護予防事業参加高齢者35人に,アンケート調査,純音聴力閾値検査と語音了解閾値検査を実施した。
結果:以下のとおりであった。
1.純音聴力閾値の平均値は,良聴耳28.3±13.9dB,不良聴耳37.4±21.2dBであった。
2.聞こえの自己評価別の純音聴力閾値の平均値は,両耳ともに「悪いと思わない」と「たまに思う」間では有意差がみられなかった。
3.純音聴力閾値と語音了解閾値の相関係数は,良聴耳おいてr = .718~ .975(p<.01),不良聴耳ではr = .648(p<.05)~ .745(p<.01)であった。
4.高齢者の聞こえの自己評価は,良聴耳に不良聴耳の純音聴力閾値もあわせて分析することで,妥当性が高まる可能性があった。
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