日本看護研究学会雑誌
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4 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 野島 良子
    1981 年 4 巻 2 号 p. 2_9-2_16
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     乳癌の好発年令を含む成人各期の女性405名を対象に,成人女性が乳房にたいしていだいているイメージをSemantic Differential法によって測定し,加令,結婚,子供の有無,閉経との関係を明らかにした
     1)成人女性が乳房にたいしていだいているイメージは,乳房の形,固さ,価値,情動性の4側面から構成されている。
     2)イメージの内容は<大切な><女らしさ><健康な><やわらかい><豊かな><すばらしい><ふくよかな><やさしい><丸い><暖かい><美しい><かわいい><明るい>である。
     3)乳房のイメージは加令と子供の有無の相互作用によって段階的に変化するが,その変化はイメージ内容の変化ではなく,その強度の変化である。
     4)加令と子供の有無の相互作用によって生じる乳房のイメージの変化は,乳房の大きさ,色,重さ,動き,機能,情動性の6側面に関連している。
     5)乳房のイメージは結婚によってただちに変化することはない。
  • 早川 和生
    1981 年 4 巻 2 号 p. 2_17-2_24
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     高齢者に於ける社会変化適応状態を調べて,より効果的な適応型を抽出することを試みた。対象は60才以上の男女をハワイ日系人より32名,大阪此花区より37名の合計69名を選んで行なった。対象者は全員独居者である。日本社会の個人主義化傾向より推測し,老人の個人主義社会への適応をハワイの日系老人をも同時に調べることによって予測できると考えたからである。両群で大きな違いは,大阪群は家族交流を中心に置き,ハワイ群は古い友人との交流を大切にしている点であった。また,ハワイ群では,外交的で活発な性格がより良い適応型であったのに対し,大阪群では楽観的といった特に活発でもない性格がより社会に適応しているようであった。今後の社会構造の変化は日本の老人にもその適応形態の変更を求めてくるように思われた。
  • 柏原 貴子, 鈴木 恭子, 植田 和美, 瀬尾 クニ子, 野島 良子
    1981 年 4 巻 2 号 p. 2_25-2_32
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     死と臨死患者の看護に対する看護婦の態度を明らかにするために,臨床の看護婦244名を対象に質問紙調査を行ない,看護婦の臨死患者の看護経験と,(1)看護婦自身の死に対する態度,(2)患者の死に対する態度,(3)臨死患者の看護に対する態度,との関係を検討した。
     結果:看護婦は,(1)死に対して不安で憂うつなイメージを抱いており,(2)臨死患者に病名を悟られないようにふるまい,(3)患者とともに死と死にゆくことについて語り合おうとしていない。
     また,臨死患者の看護経験が増すにつれて,看護婦は,(1)死をありのままに見つめ,(2)臨死患者に対して病名を悟られないようにふるまい,(3)臨死患者が「私は死ぬのではないか」などと口にした時,コトバや行為によって否定する傾向があるといえる。
  • 成田 栄子, 水上 明子, 中島 良子, 小林 秀子, 松野 こずえ
    1981 年 4 巻 2 号 p. 2_33-2_41
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     本調査は,生後7か月児388人の内,夜泣きのある乳児53人と,養育環境等を比較するための対照群として夜泣きのない乳児53人の母親に面接調査を行い,家庭環境要因,児側の要因,養育上の要因,母親側の要因の4つの側面から夜泣き群に特徴的な要因の抽出を行ったものである。
     その結果,特に夜泣き群に特徴的な要因としては,養育上の要因が多く,栄養の種類と授乳方法の関係では母乳栄養でほしがる時に与えているものが多く,睡眠のしつけでは添寝添乳等の習慣のあるもの,また児に接する人がいろいろな人で誰れかが常にあやしているもの,母親側の要因としては,母親が育児に対して不安を持ったり,少しのことが気にかかったり,思うように行かないとイライラすると答えたものが多くみられている。
  • 山口 公代, 萩沢 さつえ
    1981 年 4 巻 2 号 p. 2_42-2_48
    発行日: 1981/06/01
    公開日: 2016/03/31
    ジャーナル フリー
     和式便器,洋式便器及び和式便器にパッドを当てて挿入した場合の臀部の体圧分布の実態を知る目的で圧力センサを用い,健康女性被験者で実験を行なった結果,以下のことが明らかになった。
    1. 和式便器を挿入すると座面の中では仙骨部圧が最も高く,膝を屈曲するにつれてその圧も増加し,膝130°屈曲位でいきむと1000g/cm2以上の圧がみられた。
    2. 洋式便器でも座面の中では仙骨部圧が高かったがその最高値は和式より低く,受圧面積は膝130°屈曲位でいきんだ場合以外全て和式より大きく,等圧線の間隔も広かった。
    3. 和式便器にスポンジのパッドを当てると最高200g/cm2程度減圧し,等圧線の間隔も広くなったが膝130°屈曲位でいきむと仙骨部圧はパッドを当てない時とほとんど変わらなかった。
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