目的:全国の呼吸器内科病棟(以下,RW)と緩和ケア病棟(以下,PCU)における呼吸困難ケアの実践状況と両施設の特徴を明らかにする。方法:全国のがん診療連携拠点病院のRWと20床以上を有するPCUの内,同意を得られた施設の看護師(RW112名,PCU92名)を調査対象とした。自記式質問紙の調査項目は背景とケア実践状況27項目で構成し,実践割合をχ
2検定で比較した。結果:両群の背景に有意差は認められなかった。ケア実践状況は,タッチングや体位の工夫は両施設とも8割以上の実践率であった。一方,PCUは呼吸法や排痰援助を含む4項目が低く(p<.05),RWは環境整備や家族指導を含む11項目が低かった(p<.05)。結論:両施設は体位調整やタッチング等の基本的な呼吸困難ケアは提供できていた。しかし,RWは患者家族への指導,PCUは呼吸法の実践が低かったため,今後の取り組みが期待される。
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