日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
Print ISSN : 2188-3599
ISSN-L : 2188-3599
最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 後藤 喜広
    2026 年49 巻2 号 p. 2_75-2_87
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    [早期公開] 公開日: 2026/07/07
    ジャーナル フリー

    目的:男子看護学生が経験するセクシュアル・ハラスメント(以下SH)の内容および対処方法を類型化し特徴を示す。方法:関東圏の看護専門学校・大学,A男性看護師会の協力を得て7名を対象に半構造化面接を実施し逐語録を質的記述的に分析した。結果:SHの内容の類型は【女子学生には担当させたくない受け持ち患者が提供される】【男という性が拒否される環境で看護を学ぶことが強いられる】【学生コミュニティを介して望まない噂を広められる】【男女の身だしなみ基準の公平性に偏りがある】【セクシュアリティが表現される場面で非礼な扱いを受ける】,対処方法の類型は【他者に言語を用いて被害を訴えることはしない】【能動的に他の男子学生と話をして共有する】であった。結論:看護の教育環境下において発生する性的ダブルスタンダードの撤廃,男性蔑視が許容される環境の改善と学校管理者のSH対策義務遂行の徹底,予防に重点を置くSH対策の必要性が示された。

  • 場面特性と経験年数による差異
    結城 佳子
    2026 年49 巻2 号 p. 2_89-2_98
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    [早期公開] 公開日: 2026/07/07
    ジャーナル フリー

    目的:日常の看護実践における倫理的葛藤に対する看護師の行為選択について,場面特性・経験年数による差異を明らかにする。方法:看護師(経験年数1年以上)を対象に,条件統制した3場面(排泄,睡眠・休息,身体抑制)を用いた思考発話法による面接を行った。逐語録から行為選択過程3局面,経験年数3群に区分して計量テキスト分析を行った。結果:協力者24名,平均経験年数±1SD=15.42±10.85。倫理的葛藤の度合いが高く,迅速性を要する場面では,病棟体制や安全管理等の情報参照が相対的に先行し,患者の個別性や意思の情報は後置されやすかった。熟練看護師は,問題解決に資する情報を焦点化し,迅速に行為を選択する一方,他の看護師は多面的・網羅的な情報を参照する傾向がみられた。結論:必要情報の参照と行為選択後の再吟味スキルを強化する,場面特性および経験段階に応じた倫理教育プログラムの必要性が示唆された。

  • 福田 真理, 加藤 真紀, 竹田 裕子, 原 祥子
    2026 年49 巻2 号 p. 2_99-2_107
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    [早期公開] 公開日: 2026/05/29
    ジャーナル フリー

    目的:化学療法を受ける切除不能消化器がん患者に関わる病棟看護師の心情を明らかにする。方法:がん診療連携拠点病院の化学療法を受ける切除不能消化器がん患者に看護を実践する看護師7人を対象に半構造化面接を行い,質的統合法で分析した。結果:病棟看護師の心情は,基盤に【患者の様子に心を寄せる】と【普段通りの心持ちでいる】があった。患者の状況や思いに触れ,【患者の抱えるつらさに心が痛む】【患者の前向きな変化や喜びに触れ安堵する】【患者の厳しい状況に緊張感や重圧を覚える】【患者の思いに応えることができず悩ましさを感じる】心情を抱きながらも,【患者に向き合う時は気持ちを鼓舞する】ことで患者と関わり続けていた。結論:病棟看護師は患者の置かれている状況等に共感し心理的つらさを抱えやすいが,患者ケアを優先するために自身のつらさへの対処が後回しになりやすい。看護師自身のつらさの緩和や体験の意味付けの重要性が示唆された。

  • 高橋 さつき, 岡 美智代, 松本 光寛, 茂木 英美子, 桐山 勝枝, 剱持 貴史
    2026 年49 巻2 号 p. 2_109-2_119
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    [早期公開] 公開日: 2026/05/29
    ジャーナル フリー

    目的:成人の患者教育に使用される日本語のモバイルヘルスのアプリケーション(以下,アプリ)のユーザビリティ(目的・目標達成度,操作状況,満足度)と課題を把握し,開発への示唆を得る。方法:医中誌WebやPubMedなど8データベースを用い,過去5年間の文献を対象にナラティブレビューを行った。結果:分析した11文献で言及されたユーザビリティには,意図した目標の有意な達成が得られない,ユーザー登録やエンゲージメントが低い,入力タスクが難しいなどの問題があった。また,メッセージへの応答負担や開発コストにも課題があった。結論:これらの問題と課題が解消されたアプリを開発するために,ユーザビリティテストの手法に基づくアプリの評価と改善,インストラクショナルデザインに基づく開発,直感的に操作できるユーザーインターフェース,ゲーミフィケーションやチャットボットの導入,産学連携による開発などの示唆が得られた。

  • 青嶋 麻衣, 山本 真実, 木戸 芳史
    2026 年49 巻2 号 p. 2_121-2_135
    発行日: 2026/07/20
    公開日: 2026/07/20
    [早期公開] 公開日: 2026/07/15
    ジャーナル フリー

    目的:妊娠期から産後1年の間の切れ目ない支援の研究を包括的にレビューし,看護職の行った支援と親子の反応を明らかにし,既存の知見からギャップを特定する。方法:PRISMA-ScRガイドラインに基づきスコーピングレビューを実施した。結果:最終的に23文献が対象となった。妊娠期から育児期にわたる研究は7文献で,そのうち親への調査は2文献,縦断研究は1文献だった。看護職が行った支援では,継続して関わり信頼関係を築くこと,産後の身体症状や育児不安を軽減する支援などが示された。親の反応では《信頼できるスタッフに寄り添われ気持ちが安らいだ》が示され,支援を受け満足感を得ていた。結論:本研究では,妊娠期から育児期にわたる縦断研究が限られ,支援を利用する親への調査は十分ではないというギャップが明らかになった。今後は対象者の視点で妊娠期から育児期にわたる縦断研究を行い,切れ目ない支援をさらに充実させていく必要がある。

feedback
Top