日本看護研究学会雑誌
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早期公開論文
早期公開論文の6件中1~6を表示しています
  • 久田 玲子, 山下 留理子, 岩佐 幸恵
    論文ID: 20240709254
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/01/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:看護基礎教育修了後すぐに訪問看護師になることへの教員の認識と就職支援の関連を明らかにする。方法:看護系大学教員に対し質問紙調査を実施した。結果:115名から回答があった(有効回答率19.8%)。教員は本人の希望,就職先の看護の質と内容,就職先の教育体制を大切に考えて就職支援を行っていた。訪問看護師になりたいと相談を受けた教員は約7割いたが相談後に就職した学生がいた教員は5割であった。病院等で経験を積んだ後に訪問看護師になることを勧める教員は約1割おり,その理由として教育体制の不十分さや高い実践能力の必要性をあげていた。訪問看護ステーションに就職する場合は病院より高いレベルの看護実践能力を求められると考えていた。結論:訪問看護ステーションに就職する場合には病院に就職する場合よりも高い実践能力が求められるとの認識をもつ教員は,病院で経験を積んだ後に訪問看護師になることを勧める傾向にあった。

  • 眼科病棟の点眼指導の実態調査から
    工藤 大祐, 徳重 あつ子, 片山 恵, 岩﨑 幸恵
    論文ID: 20240407252
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2024/12/20
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:看護師が実施する点眼指導の実態から,眼科患者が的確に点眼薬を投与するための評価視点を明らかにする。方法:全国438施設の眼科病棟の看護師に無記名自記式での質問紙調査を行った。結果:点眼指導は病棟で行うことが多く,点眼姿勢や点眼法は,点眼指導時に説明がある施設が有意に多かったが,成人と高齢者で指導内容を区別し実施しているかに有意な差はなかった。点眼姿勢ではベッドに端座位姿勢が多く,点眼法は下眼瞼牽引法またはゲンコツ点眼法を用いていた。点眼指導は個別指導が多く,術後点眼日に合わせる施設が多かった。また,看護師は「加齢」,「独居」,「認知機能の低下」を点眼指導時の困難感として抱いていた。結論:点眼指導は必要な支援であり,看護師は患者の身体面のセルフケア評価を行っていた。さらに「加齢」,「独居」,「認知機能の低下」は点眼指導を行う際の患者のセルフケア評価視点となる。

  • 上田 裕子, 乗松 貞子, 城賀本 晶子, 藤村 一美
    論文ID: 20240615253
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2024/12/20
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:新人看護師のリアリティショックの緩和に向けた基礎資料を得るため,新人看護師のリアリティショックとグリットの実態およびその関連を明らかにする。方法:国立大学病院に勤務する新人看護師511名を対象に,新卒看護師のリアリティショック尺度,日本語版グリット尺度で構成した質問紙調査を実施した。関連性は重回帰分析で検討した。結果:回収率30.9%。リアリティショックの平均得点は182.82点,グリットは3.13点であった。グリットは,リアリティショックに有意な負の影響を与えており,構成因子の「看護実践能力」と「仕事のやりがい,楽しさ」と有意に関連していた。結論:グリットは,リアリティショックを緩和する方向に働くことが明らかになった。新人看護師のグリットを育成し,リアリティショックを緩和することが可能となれば,現在実施されている対策と並行して実施可能な離職防止へのアプローチとなりうると考えられた。

  • 武田 ひかる
    論文ID: 20240304251
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2024/12/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:病院において意識障害が持続する患者に関わる看護師の経験とその特徴を明らかにすること。方法:医中誌Web,CiNii Research,PubMed,CINAHL with Full textを用い,「意識障害(Consciousness Disorders)」「経験or体験(experience)or 語り」「看護(nurse / nursing)」をキーワードとして検索し,計21件が分析の対象となった。結果:対象文献の分析の結果,看護師の経験は【患者との関わりにおける経験】,【患者の家族との関わりにおける経験】,【患者に関係する他のスタッフとの関わりにおける経験】の3つのカテゴリーに分類された。結論:看護師の経験の特徴は,難しさを感じながらも,自己の内面に手がかりを求め,感情の揺れ動きの中で他者からの刺激を受けて変化していくことであった。

  • 緒形 明美, 小木曽 加奈子, 藤原 奈佳子
    論文ID: 20240314249
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2024/12/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:研究の目的は,地域密着型特別養護老人ホームの職員を惹きつけ引き留め,魅力ある職場運営がされているか評価する尺度を開発し,妥当性と信頼性を検証することである。方法:全国の地域密着型特別養護老人ホーム2,369施設のうち,地域タイプ別に510施設を抽出した。その後,1施設につき看護職2名・介護職3名の合計2,550名を対象に質問紙調査を実施した。結果:合計598通の調査票が回収され(回収率23.5%),563通が有効な回答であった(有効回答率94.1%)。「職員に対する尊重的サポート」「地域との連携強化」「施設の宣伝・広報戦略」「迅速で柔軟な運用」の4因子21項目が抽出された。確認的因子分析の結果は,GFI≧AGFI,CFI=.905,RMSEA=.069であった。基準関連妥当性はいくつかの因子で有意な相関が確認された。結論:妥当性,信頼性の検証の結果,尺度の有用性が示唆された。

  • 「諦め」と「諦めない」思いに焦点をあてて
    竹内 廣美
    論文ID: 20240426250
    発行日: 2025/01/20
    [早期公開] 公開日: 2024/12/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:脳卒中患者の急性期における思いを分析し,「諦め」と「諦めない」の視点から考察し急性期における看護支援の示唆を得る。方法:急性期の患者10名にインタビューを行い質的記述的に分析した。結果:《機能不全に対する不思議な感覚を持つ》《これから先の生活への気がかり》《なんとかなる》《回復意欲の喪失》《頑張ることを手放す》《周囲の支え》《どん底の感情を跳ね返す力の源》《どん底の感情を跳ね返す力》《社会復帰へつながる思い》《願いや希望》《頑張りを取り戻す工程》の11カテゴリが導き出された。患者は自分ではどうすることもできない現状へのストレス回避のため「諦め」,過去の経験などから希望を見出し推進する「諦めない」思いを持っていた。結論:脳卒中患者は急性期において「諦め」と「諦めない」思いを持ち,「諦め」の思いを支援し意味づけることで「諦めない」で頑張る意欲につながることが示唆された。

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