日本看護研究学会雑誌
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早期公開論文
早期公開論文の9件中1~9を表示しています
  • 宍戸 穂, 出塚 望, 安藤 詳子, 矢野 理香
    論文ID: 20250307275
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:日本看護研究学会雑誌(和文誌)およびJournal of International Nursing Research(JINR)(英文誌)に2000年以降に掲載された研究論文の動向を分析し,今後の看護学研究における課題について明らかにすること。方法:和文誌は医中誌Webで検索し2000年1月〜2024年3月に掲載された原著論文とした。英文誌はJ-STAGE「JINR」で入手し,総説や資料等を除外した。結果:対象は和文誌894件,英文誌35件だった。論文数は2011年まで増加傾向にあり,以降は増減を繰り返していた。量的研究デザインが最も多かったが,質的研究デザインの増大が著明だった。研究対象は看護職者(313件),患者(211件),患者の家族(70件),看護学生(66件)の順に多かった。結論:看護教育水準の高等化が進み,研究の実施環境が整備されたことで論文数が増加し,特に質的研究デザインの実施環境も整備されてきたと考えられる。

  • 猫田 泰敏, 篁 宗一
    論文ID: 20250613274
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/12/25
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:看護の量的研究においてαはよく利用されるが,1-β(検定力)に着目することは少ない。そこで,日本看護研究学会雑誌第42巻の掲載論文のうち,一定の範囲の検定手法を用いる量的研究の検定力の分析を行った。方法:全34編のうちCohenが小・中・大の効果量の大きさの目安を示した基本的かつ頻繁に用いられる検定手法を含む15編を分析対象とした。論文別に目安ごとの検定力を求め,全体の中央値を計算した。結果:サンプルサイズの中央値は254人であった,また,全体の検定力は目安が小では .25,中では .98,大では1.00であった。結論:本誌の検定力は大きい傾向にあることがわかった。また,サンプルサイズの設計に反映できる内容も認められた。本分析ではCohenが目安を示していないため対象外となったが,ノンパラメトリック検定などを含め,看護科学において妥当な大きさの目安の検討が課題である。

  • 木村 幸恵, 百田 武司, 山本 浩子, 中村 もとゑ
    論文ID: 20250613273
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/12/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:地域包括ケア病棟看護師の在宅移行支援における多職種協働の実践と影響要因を明らかにした。方法:Web調査を実施し,探索的因子分析の後,重回帰分析にて影響要因の検討を行った。結果:有効回答315名を対象とした探索的因子分析の結果,4因子19項目が抽出された。重回帰分析の結果,退院前カンファレンスへの参加頻度が高いことは在宅移行支援における多職種協働の実践全体と,【院内の職種間のコミュニケーション】【緊急時の対応方法に関する理解の確認】にやや影響し,退院後自宅訪問の経験があることは【院外他職種との情報共有】と【患者や家族を尊重したアプローチ】にやや影響していた。結論:地域包括ケア病棟看護師の在宅移行支援における多職種協働の実践を促進するためには,地域包括ケア病棟看護師の退院前カンファレンスへの参加頻度を高めることや,退院後自宅訪問の経験をもつことが有用であることが示唆された。

  • 質的メタ統合による分析
    荒木 章裕, 姫野 雄太, 矢野 亜紀子, 福田 広美
    論文ID: 20250724272
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/12/05
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:中山間地域の訪問看護ステーション(以下,ST)の実情が示された文献から経営の要素を抽出し,現状と課題について考察する。方法:10件の文献を抽出し,中山間地域のSTの経営と中山間地域の条件不利性に関するメタデータを抜き出し,メタ統合を行った。結果:限られた医療資源としての責任感,構造的制約要因によるサービス提供の限界,中山間地域から求められるSTの役割,地域特性への適応,マンパワー不足と業務運営課題,人材育成・定着への取組み,地域コミュニティにおける関係性の活用と配慮,訪問地域の安全管理体制の8カテゴリに統合された。結論:中山間地域の経営の実態と工夫が見出され,経営上の対策の可能性が示唆された。これらは住民同士の繋がりと,環境に対する理解と覚悟によるものであり,中山間地域に根差した医療を提供するうえで欠かせない活動だと考えられた。

  • 岡本 響子, 上山 千恵子, 松浦 美晴
    論文ID: 20250113268
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:「8050問題」の渦中にある家庭に訪問看護を行っている看護師にインタビューを行い,訪問看護師が考える伴走型支援の内容を抽出する。方法:訪問看護師22名にインタビューを行い,計量的テキスト分析と質的帰納的分析を用いて,それぞれの分析ごとに構成概念を抽出した。結果:計量的テキスト分析では[関係性を重視して支援する][利用者や家族が相談できるような存在でいる]など7クラスターが抽出された。質的帰納的分析では【将来を見越して家族への支援をする】【家族全体を1つと考え支援する】【支援者間での情報共有をする】など10カテゴリーに整理された。結論:訪問看護師が考える伴走型支援とは,家族全体が支援の対象であり,課題解決を目指すアプローチとつながり続けるアプローチを包含しているもので,「一緒に」考えるという訪問看護の姿勢を表しているものと考えられた。

  • 鈩 貴裕, 石橋 照子, 大森 眞澄
    論文ID: 20250331269
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:本研究の目的は,統合失調症患者が服薬への主体性を獲得するプロセスを明らかにすることである。方法:統合失調症患者8名に半構造的面接法を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。結果:37の概念を生成し,【揺れ動く】など12カテゴリー,〔医療者との関係〕〔治療の捉え〕〔病いの捉え〕という3つの大カテゴリーと〈試す〉などカテゴリーにならない5つの概念に分類でき,《一緒に試行錯誤》をコア概念とした。患者にとって服薬への主体性の獲得プロセスとは,医療者と《一緒に試行錯誤》しながら,何でも【言い合える関係】を築き,服薬の必要性を【納得】し,服薬を【続ける覚悟】をもって取り組み,【病いを受け容れ】た状態を維持するプロセスであった。結論:患者にとって服薬への主体性を獲得するプロセスは,医療者とともに病いや服薬と向き合い続ける営みであることが明らかとなった。

  • 吉田 実和, 堀口 雅美
    論文ID: 20250418267
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:病棟勤務の看護師を対象に病棟のチームアプローチと転倒・転落予防の実践状況を評価し,その関連を明らかにした。方法:看護師509名にWebアンケートシステムで調査した。調査内容は基本属性,病棟のチームアプローチの実践状況と転倒・転落予防の実践状況を尋ねた。結果:有効回答者数は143名,学際的チームアプローチ実践評価尺度合計点と転倒・転落予防の実践状況得点の相関係数はρ=.48(p<.001)であった。転倒・転落予防に関するカンファレンス実施における多重比較では,学際的チームアプローチ実践評価尺度合計点と転倒・転落予防の実践状況得点のいずれも有意差があり,カンファレンスを定例および必要時実施群はいずれの得点も他の群より高かった。結論:看護師が所属する病棟のチームアプローチの実践状況の評価と転倒・転落予防の実践状況の評価は正の相関があり,カンファレンスなど情報共有の実施が評価に関連することが示唆された。

  • 藤澤 和歌子
    論文ID: 20250509270
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:レシピエントとともに暮らす腎移植ドナーの腎提供の経験を明らかにする。方法:質的記述的アプローチ。主たる研究参加者はレシピエントと同一世帯,または別世帯の場合も近隣に住み,レシピエントと往来のある腎移植ドナー8名で,術前から術後6か月の間に,参加観察とインタビューを実施した。データ分析はドナーにとっての腎提供の経験に焦点を当てて解釈し,研究参加者ごとにテーマ化を行った。結果:ドナーは,今までの家族としての歴史などから固有の意思決定をしており,術後,思ったような経過を辿らない場合も,腎提供に肯定的な意味を見出そうとしていた。一方で,腎提供に至るまでの経緯や家族との関係性から腎提供の意味を見出せず,葛藤が続いているドナーもいた。結論:ドナーへの看護は,ドナー個人に留まらず,家族との関係性や腎提供への意味づけも視野に入れた関わり方が必要であり,術後も継続的な支援が求められている。

  • 山田 貴子, 藤内 美保
    論文ID: 20250520271
    発行日: 2026/01/20
    [早期公開] 公開日: 2025/11/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    目的:終末期がん療養者の妻を介護し在宅で看取る夫介護者に対し訪問看護師が心掛けている支援を明らかにすることを目的とした。方法:訪問看護経験年数が5年以上で,在宅での終末期がん療養者およびその夫への支援経験がある訪問看護師4名を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した。結果:終末期がん療養者の妻を介護し在宅で看取る夫介護者に対し訪問看護師が心掛けている支援には,〔妻と夫の意向を尊重し,二人の生活を調整する支援〕,〔共に生きてきた夫婦の絆を深めながら,気持ちが揺らぐ夫を受け止める支援〕,〔妻との死別に向けた支援〕の3つのコアカテゴリが抽出された。結論:訪問看護師は,夫婦の意向を尊重し,夫介護者の負担軽減を図る支援や,夫婦の絆を深めるための心理的サポート,最期まで自宅で安心して妻を看取ることができる環境づくりを重要視していることが示唆された。

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