日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
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29 巻 , 1 号
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巻頭言
学会賞受賞論文
  • 山口 哲生
    29 巻 (2009) 1 号 p. 3-7
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    著者のサルコイドーシス(本症)に関する研究は,その病因・病態・診断・治療の全般にわたって,疫学的あるいは臨床的に行ってきた.要点を以下に記す.1.発症や病態の悪化にstressful life events(ストレス)の関与が認められる.2.臓器非特異的全身症状として,痛み,疲れ,息切れ,しびれなどがある.これらは単なるサルコイドーシスの不定愁訴ではなく,本症に疾患特異性の高い特殊な病態と認識することが必要である.3.診断に関して,上咽頭の検索は本症の診断に有用であること,脊髄内視鏡検査で本症の脊髄病変の生検ができること,PET検査がBHLの活動性評価に寄与できることなどを示した.また,「サルコイドーシスの診断基準と診断の手引き-2006」策定について述べた.4.Propionibacterium病因論の支持として,基礎的研究,結核と比較した疫学的研究,全く無菌的環境である脊髄内視鏡生検で得られた本症の肉芽腫内にアクネ菌特異抗体に染まる像がみられた例を示した.5.治療に関して,「サルコイドーシス治療に関する見解-2003」について解説し,眼と心臓以外の本症の病変は内科医に管理されるべきこと,および抗菌薬治療の現状について述べた.
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原著
  • 大道 光秀
    29 巻 (2009) 1 号 p. 9-13
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    組織学的に診断されたサルコイドーシス患者において2006年の新たな診断基準と1989年の旧診断基準における臨床診断基準による臨床診断陽性率を検討した.主に眼病変で発見され,生検で肉芽腫が認められ確定診断となった0期症例において,生検がなされないとして,旧診断基準と新診断基準でどれだけ臨床診断が可能か検討した.旧診断基準で臨床診断陽性例は163例中83例(50.9 %)であった.同症例において新診断基準で臨床診断基準を満たすのは163例中74例(45.4 %)と低下した.新たな診断基準でのサルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見は,眼病変以外では縦隔リンパ節腫大が多く,検査所見では気管支肺胞洗浄(BAL)の陽性率が高かった.新診断基準においては病期0の症例の診断には胸部CT検査とBALを積極的に行い,生検で肉芽腫の検出をより積極的に行う必要があると考えられた.
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  • 松田 希, 山本 悌司, 添田 智子, 遠藤 一博, 谷野 功典, 棟方 充, 宇川 義一
    29 巻 (2009) 1 号 p. 15-19
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    当科におけるサルコイド脊髄症症例では,変形性脊椎症をしばしば合併していたため,サルコイド脊髄症と変形性脊椎症との関係について検討した.1989年から2008年までにサルコイド脊髄症と診断した5例全てを対象とし,変形性脊椎症の合併の有無を脊椎・脊髄MRIで評価した.5例のサルコイド脊髄症は全例で頸椎レベルに先天性脊柱管狭窄と変形性脊椎症を合併し,脊柱管狭窄レベルとMRIのサルコイド脊髄症病変レベルは一致していた.サルコイド脊髄症のMRI所見は,変形性脊椎症性脊髄症としては不釣り合いの長大な脊髄T2高信号病変,結節状あるいは斑状のガドリニウム造影病変を特徴とし,鑑別上重要と考えた.サルコイド脊髄症と変形性脊椎症の高率の合併から,変形性脊椎症が血液脳関門の破綻, 静脈のうっ滞,ミクログリアの活性化などの機序により,サルコイド脊髄症の発症誘因となる可能性を推測した.
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症例報告
  • 石川 理惠, 生島 壮一郎, 増永 愛子, 折津 愈, 武村 民子, 江石 義信
    29 巻 (2009) 1 号 p. 21-27
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     症例は31歳男性.2004年12月 両膝関節痛を主訴に他院整形外科を受診された.MRIでは滑膜の肥厚と腫瘤影を認めていたが,原因不明のため全身検索を行ったところ,胸部CTにて全肺野びまん性に微細な小結節影を認め,粟粒結核が疑われた.2005年7月 胸腔鏡下肺生検にてサルコイドーシスと考えられた.膝関節痛が持続していたため,プレドニゾロン30 mgの内服治療を開始するも症状改善を認めなかった.2006年6月左膝関節の滑膜生検も行い,サルコイドーシスと診断された.同年7月 当院紹介受診,肺および滑膜生検の病理標本でPAB抗体染色を行ったところいずれも陽性であり,塩酸ミノサイクリン 200 mgの内服を開始したところ,自覚症状および炎症反応の改善を認めた.また,この経過中にMMP-3の漸減を認め,サルコイドーシスに伴う関節炎においても病勢を反映する有用なマーカーのひとつであると考えられた.
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  • 川井 孝子, 加藤 清
    29 巻 (2009) 1 号 p. 29-33
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     34歳女性.2006年6月初旬より咽頭痛,38-39 ℃の発熱出現.近医より経口抗生物質を処方されるも解熱せず.7月8日から両下腿の筋肉痛が出現,7月中旬から筋肉痛は四肢に拡がり7月24日精査加療目的で紹介入院となる.入院時検査で白血球増多とCRPの上昇を認めたがCPKは正常値であった.胸部X線写真は異常なし.下腿筋のMRI検査でT2強調画像にびまん性の濃度上昇を認めた.筋生検を行ったところ血管壁の肥厚および血管周囲に細胞浸潤と類上皮細胞肉芽腫形成を認めた.前部ぶどう膜炎もありサルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン60 mgで治療を開始したところ数日で解熱し,筋肉痛は消失した.ステロイド剤を漸減し退院,以後再燃を認めていない.急性の経過で発症する筋サルコイドーシスはまれであり,今後も長期に経過を観察する必要があると考える.
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  • 笹森 寛, 泉山 典子, 齋藤 若奈, 宍倉 裕, 菊地 正, 三木 祐, 菊池 喜博, 鈴木 靖士, 齋藤 泰紀, 手塚 文明, 武村 民 ...
    29 巻 (2009) 1 号 p. 35-40
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は20歳男性,2007年3月末より38 ℃台の発熱出現し近医受診.CTにて縦隔リンパ節腫脹および両側肺野に10 mm内外の空洞性病変を複数認めた.気管支肺胞洗浄検査(BAL)および経気管支肺生検(TBLB)を施行するも診断確定せず,精査目的に同年6 月当科紹介となり,胸腔鏡下に肺とリンパ節の生検を行った.病理組織では壊死と硝子化を伴った類上皮細胞肉芽腫を認めるも悪性所見や結核菌等病原菌は認められず,サルコイドーシスの診断確定した.8月より食思不振,悪心嘔吐に頭痛も加わってきたため神経サルコイドーシスを疑われ入院し,MRIにて髄膜炎の所見があり髄液中の細胞数増加も認められ,サルコイドーシスによる髄膜炎と診断した.当初尿量増多は認めなかったが,プレドニゾロン(PSL)60 mg/day投与開始後に多飲多尿出現し仮面尿崩症が顕在化した.ステロイド投与により発熱や頭痛などの症状は改善みられ,髄液細胞数も減少したためステロイド漸減後退院,外来通院加療となった.
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  • 増永 愛子, 石川 理惠, 神宮 浩之, 安藤 常浩, 生島 壮一郎, 武村 民子, 折津 愈, 江石 義信
    29 巻 (2009) 1 号 p. 41-45
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    サルコイドーシスは長期の経過を経て他臓器に病変が出現することがあり常に長期的な経過観察が必要である.本症例は発症から24年の経過後に胃病変が出現した.【症例】53歳・女性.30歳時BHL,虹彩炎,ツ反陰性,ACE高値からサルコイドーシスを疑われ,右前斜角筋リンパ節生検にてサルコイドーシスと診断された.BHLは自然消退したが,32歳時肺野病変が出現し眼病変も悪化したため当院紹介となった.無症状のため無治療で経過観察していたが,10年後には肺野病変はほぼ消失しACE も基準値内になった.44歳頃より貧血を認めたため,上部消化管内視鏡検査を施行するも所見は萎縮性胃炎のみであった.50歳以降は外来通院を中断していたが特に増悪は認めなかった.53歳時,検診の胃透視検査で異常を指摘され,内視鏡検査にて胃体部に腫瘤性病変を認めた.生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスの胃病変と診断した.
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  • 大道 光秀
    29 巻 (2009) 1 号 p. 47-53
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は45歳,男性.2004年3月頃から咳,痰,労作時息切れがあり,同年4月26日,某病院受診.胸部X線写真上,両肺のスリガラス陰影あり,血清ACE 35.2 U/L(正常値8.3-21.4),BALFのリンパ球比66.9 %と高値.TBLBで壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が検出されサルコイドーシスの診断.2004年8月27日当院紹介受診.初診時の肺機能は%VC 81 %,%DLco 82 %.ブデソニド800 μg/日の吸入を開始するも,肺機能,呼吸器症状,胸部CTでの気管支血管周囲の肥厚,嚢胞性変化などの悪化があり.2005年7月29日よりプレドニゾロン30 mg/ 日,内服で開始し,息切れ,肺機能,胸部CT所見などは改善.ステロイドを漸減し,プレドニゾロン10 mg/日,隔日にしたところ,息切れ,肺機能,胸部CT所見の悪化が有り,2007年11月からプレドニゾロンは同量のままで,メトトレキサートを6mg/週で内服追加した.呼吸器症状,肺機能所見,胸部CT所見は改善した.
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  • 坂口 恵美, 冨岡 洋海, 金田 俊彦, 金子 正博
    29 巻 (2009) 1 号 p. 55-61
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は39歳,男性.咳嗽,労作時呼吸困難で発症し,1週間後に当院に入院.低酸素血症(PaO2 55.0 Torr, PaCO2 40.1 Torr, pH 7.44)と画像所見にて縦隔・肺門リンパ節腫大,両肺野の粒状影,右上葉に浸潤影を認めた.血清ACE活性高値,BALF所見(リンパ球51 %,CD4/CD8=3.62),TBLB組織所見からサルコイドーシスと診断した.比較的若年での急性発症であり,検索した範囲で肺外臓器病変を認めず,また,良好な予後が期待される胸部CT所見からステロイド治療をただちに開始せず,在宅酸素療法にて経過観察したところ,症状ならびに画像所見の改善を認めた.急性呼吸不全で発症したサルコイドーシスの報告はまれであり,ステロイド治療の適応も含め,文献的考察を加え報告する.
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  • 伊佐田 朗, 今野 哲, 小池 隆夫, 西村 正治
    29 巻 (2009) 1 号 p. 63-67
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    症例は,20歳時にサルコイドーシスと診断された女性.33歳時に第一子を出産.出産3ヵ月後より咳嗽,呼吸困難を認め,血清ACE活性の上昇,胸部X線写真にて肺野病変が出現したが,症状出現後約1年で自然軽快を認めた.34歳時に第二子を出産.出産3ヵ月後より,第一子出産後と同様の経過を認めたが,呼吸困難が強く,ブデソニド800 μg/日の吸入が開始された.その後呼吸困難の改善を認め,約6ヵ月後には肺野病変の改善を認めた.41歳時に第三子を出産.出産2ヵ月後より呼吸困難,咳嗽の悪化を認め,ブデソニド1,600 μg/日の吸入を開始した.その後,呼吸器症状の改善を認めた.分娩を契機にサルコドーシスが悪化することは知られているが,本症例では3度の分娩後いずれも肺野病変の悪化を認めた.本症例では,高用量のブデソニドの吸入が,呼吸器症状の改善に寄与したものと考えられた.
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シンポジウム
  • 折津 愈
    29 巻 (2009) 1 号 p. 69-70
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    このたびのシンポジウムを通じて,新たに改訂されたサルコイドーシス診断基準の有用性は評価されつつあることが確認された.しかし今後,各臓器別に症例を集積し,将来のさらなる改訂に向けて検討を加える必要があろう.特にサルコイドーシスの心病変,および神経病変の診断に関しては,長期にステロイド治療が必要であり,したがってその副作用の観点からも診断における新たな検査の知見が求められている.新サルコイドーシス診断基準は,2臓器以上に臨床的または組織学的なサルコイドーシスを強く示唆する所見が必要であることが強調されている.サルコイドーシスは全身性疾患であること,また種々の検査所見は,病理所見も含めて非特異的所見であることを意識すべきであり,このことは常にサルコイドーシスの診断において念頭に置く必要があると考える.
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  • 杉崎 勝教
    29 巻 (2009) 1 号 p. 71-73
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    新たに策定されたサルコイドーシスの新診断基準における呼吸器病変について,旧診断基準との整合性を中心に検討した.一臓器病変に対する評価が従来の診断基準と異なっており,特に呼吸器病変においては組織学的診断への積極的な対応が必要である.TBLBのみでなくリンパ節病変に対する組織学的なアプローチについても十分に考慮する必要がある.
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  • 加藤 靖周, 森本 紳一郎
    29 巻 (2009) 1 号 p. 74-77
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
  • 石原 麻美
    29 巻 (2009) 1 号 p. 78-80
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     2006年に策定された新しい診断基準「サルコイドーシス診断基準と診断の手引き-2006」を眼科の立場から評価した.新診断基準の検査所見に肺門リンパ節腫脹(BHL)が入ったことにより,臨床診断がつきやすくなった.一方,旧診断基準で「臨床診断群」であってもBHL陰性のため「疑い群」となった症例もあった.「疑い」症例と「臨床診断群」では,全身検査所見の陽性率に違いがみられた.が,眼所見頻度には差異が見られず,新「眼病変の診断の手引き」を使っても,眼病変だけではサルコイドーシスを診断することは不可能であった.新診断基準では,BHLを有するぶどう膜炎患者での臨床診断率は上がったが,BHL陰性例では未だ診断がつきにくいことが問題である.
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  • 熊本 俊秀
    29 巻 (2009) 1 号 p. 81-82
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    神経および筋病変診断における新診断基準における有用性と問題点を明らかにする目的で自験例の神経・筋サルコイドーシス30例(神経17例,筋13例)について,新診断基準に従って再評価した.その結果,「組織診断/definite群」および「臨床診断/probable群」は神経サルコイドーシス64.7 %,筋サルコイドーシス100 %で,筋に比べ,神経の診断は困難であった.神経病変のように組織診断ができないものやisolated neurosarcoidosisは確定診断が困難で,しばしば除外される.一方,全身性サルコイドーシスに非サルコイドーシス性の神経疾患,または筋疾患が合併する症例ではover-diagnosisとなる.その克服のためには,新診断基準の改訂よりは,組織診に変わる神経や筋サルコイドーシスの画像診断基準の確立,新しい診断マーカーの開発と確実な生検法,組織診断法の開発が必要である.
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  • 本間 栄, 吾妻安 良太
    29 巻 (2009) 1 号 p. 83
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は喫煙歴を有する若年男性に好発し,画像上,肺尖から上肺野優位に陰影が見られる.CT所見では,小葉中心性小結節陰影や空洞性結節,不整形の形態を示す空洞陰影,嚢胞性陰影,瘢痕様の小結節陰影などが認められる.初期には結節性病変,晩期では嚢胞性病変が主体となり,しばしば気胸を合併する.禁煙が有効で,予後は通常良好である. 形態学的にランゲルハンス細胞は核のくびれの著明な組織球で,CD1a,langerin,E-cadherin,S-100タンパク陽性であり,電子顕微鏡的には細胞質にBirbeck顆粒をもつ.肺に限局するLCH(PLCH)の病期別形態像は,細胞性結節期(cellular),細胞性・線維化期(intermediate),嚢胞形成期(cystic)の3期に経時的に分類でき,病期が混在することが特徴である.嚢胞形成機序はランゲルハンス細胞が細気管支から上位ならびに肺胞管に連続性に増殖し,壁の破壊とともに隣接する細気管支枝との癒合によって次第に拡大し不整形を呈すると考えられている. Mature Lymphoid & Histiocytic NeoplasmsのWHO分類では,LCHは,その悪性型であるLangerhans cell sarcoma(LCS)とともにHistiocytic and dendritic cell neoplasmsの中のTumors derived from Langerhans cellsとして分類されている.LCHの発症機序として上皮型dendritic cell,bombesin-like peptide,tobacco glycoproteinなどの関与が示唆されているが,詳細は不明である. 本シンポジウムではLCHの病態と臨床についての最新の考え方を5名のシンポジストに以下の順でまとめていただいた.(1)LCHの臨床(臨床経過,画像所見,治療,予後)(2)LCHの画像診断(画像診断の有用性と問題点)(3)LCHの病理(病期別形態像の特徴,嚢胞形成機序,鑑別診断)(4)LCHの発症機序(喫煙との関連性,樹状細胞を含めた免疫学的分子病態の観点から)(5)LCHの病態と臨床:総括.
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  • 岸 一馬, 黒崎 敦子, 藤井 丈士, 本間 栄
    29 巻 (2009) 1 号 p. 84-85
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    【目的】ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)の臨床的特徴を検討する.【方法】当院に入院したLCH患者9例を対象として,臨床像,呼吸機能検査,胸部CT所見の経時的変化,治療,予後を検討した.【結果】性別は男性8例,女性1例,発症年齢中央値は34歳で,全例が喫煙者であった.気胸は3例が合併した.呼吸機能検査は,正常6例,閉塞性換気障害2 例,拘束性換気障害1例で,DLcoの低下は3例に認められた.初回胸部CTでは,結節性病変と嚢胞性病変の混在が多かったが,経過とともに結節性病変は少なくなり嚢胞性病変が優位になった.全例に禁煙を指導し,禁煙後の経過を追えた7例中6例で画像所見の改善を認めた.禁煙後も増悪した1例ではステロイドの経口投与が奏功した.【結語】LCHは喫煙男性に好発し,胸部CT所見は結節性病変と嚢胞性病変の混在が特徴的であるが,初期には結節性病変,晩期では嚢胞性病変が主体となる.禁煙が有効で,予後は良好である.
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  • 酒井 文和
    29 巻 (2009) 1 号 p. 86-87
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    胸郭内ランゲルハンス組織球症23例のCT所見を,retrospectiveに解析した.認められた所見は,5mm以上の肺結節陰影10例,5mm以下の粒状陰影17例,空洞性結節10例,嚢胞性陰影16例などであった.結節や粒状陰影の多くは小葉中心性分布を示した.また結節や粒状陰影の形態は,円形のものは少なく,星芒状あるいは不整形のものが多く見られた.骨病変は1例に,縦隔腫瘤が1例にみられた.縦断的な観察による検討では,結節陰影から空洞性結節,嚢胞陰影の形成が見られ,嚢胞が結節の空洞化の結果生じる機序が推定された.2例で,広範な嚢胞化による高度の肺の構造破壊が見られたが,高度の肺の構造破壊を呈する症例の初診時の画像所見には,大きな特徴はなかった.
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  • 武村 民子
    29 巻 (2009) 1 号 p. 88-89
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
    ランゲルハンス細胞(L細胞)は肺においては,喫煙に関連して細気管支上皮に増加する.喫煙関連肺疾患として肺ランゲルハンス組織球症(PLCH)の初期病変はL細胞が呼吸細気管支を中心に結節状に増殖し,やがて中心部は洞化,あるいはL細胞の数を減じて,小葉中心性にヒトデ型の線維化として残存する.PLCHの大きな特徴である嚢胞形成は,L細胞による細気管支壁の破壊と隣接する細気管支との癒合により生じ,次第に拡大して不整形を呈すると考えられる.PLCHではL細胞の増殖は血管壁にもみられ,肺動脈,静脈の閉塞をきたす場合があり,また剥離性間質性肺炎様変化もみられる.鑑別診断には特発性肺線維症や細気管支中心性線維化をきたす慢性過敏性肺炎がとくに重要である.喫煙関連肺疾患のスペクトラムのなかで,L細胞が消失し,線維化のみの症例の位置づけに関しては今後の検討課題である.
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  • 山川 光徳, 折居 智彦
    29 巻 (2009) 1 号 p. 92-94
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     本論文では肺ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis: LCH)と肺外LCHにおける免疫形質の相違点,LCHの病因および喫煙関連ケモカインCX3CL1とそのリガンドCX3CR1のLCH細胞における発現について,我々の検討結果を混じえて文献的考察を行う.であったが,IDCSでは陰性であった.細胞回転マーカー(PCNA,cyclins A & B1,acetylated histone
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  • 井上 義一
    29 巻 (2009) 1 号 p. 95-97
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
     1953年Lichtensteinが提唱したHistiocytosis Xは、その後ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)と呼ばれるようになり、2008年から難治性疾患克服研究事業においても、ヒスチオサイトーシスXからLCHに統一された。LCH の多くは幼小時に発症し増殖性疾患の一つと考えられているが、成人領域ではタバコの関与が推定されている。小児期には多臓器病変、骨病変が多いが、肺LCH(PLCH)は31-40歳台をピークに分布する。全身性のLCHに比べ、PLCHは予後が良いと言われる。診断は、組織中のLangerhans細胞を証明する。BAL中のLangerhans細胞が総細胞数の5%以上認められる場合も診断的価値がある。成人のPLCHの治療は、まず禁煙、無効の場合、副腎皮質ホルモン等の投与が試みられる。米国の報告ではPLCH患者の5 年生存率は74 %であった。
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コラム
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