日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
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追悼文
学会賞受賞記念講演
総説
  • 西山 和利, 横山 和正, 黒田 宙, 滝山 容子, 木村 成志
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 13-16
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     神経系や筋を侵すサルコイドーシスを神経筋サルコイドーシスと呼ぶ.神経系サルコイドーシスは診断,治療において無 作為化比較試験(RCT)が乏しく,科学的エビデンスに欠ける分野である.そのために診療ガイドラインの整備が遅れてい た.今回,日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会が主体となり,サルコイドーシスのガイドラインの全面改訂が進めら れている.神経筋サルコイドーシスについても,少ないながらもエビデンスを集積し,現段階でどこまでのことが解明され ているかを客観的に検討し,ガイドラインを策定することとなった.その途中経過を2015年11月に開催された第35回日本 サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会で企画されたシンポジウム「サルコイドーシスの新しい診断基準と診療ガイドライン をめぐって」で発表する機会を得たので,その概要をここに紹介する.

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  • 冨岡 洋海
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 17-20
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    サルコイドーシス(サ症)の診断においては,その診断を決定付ける特異的な所見がないため,除外診断が基本となる.全身性疾患であるという点から種々の膠原病との鑑別が問題となるが,乾燥症状,体重減少,発熱,リンパ節腫脹,呼吸器症状,皮膚病変などは,共通して認められるものである.また,サ症は多様な免疫異常を呈し,これら膠原病との合併例の報告も多く,注意深い診断的アプローチが必要である.サ症と膠原病との合併としては,関節リウマチ,シェーグレン症候群,強皮症などとの合併例の報告が多い.また,関節リウマチに対するTNF-α阻害薬投与例では,サ症あるいは類似肉芽腫性反応の発現にも注意する必要がある.サ症病変は膠原病の症候として認識されやすく,病理学的検索が不充分な場合には,合併が看過される可能性がある.

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  • 金澤 伸雄
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 21-26
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    自己炎症疾患は,獲得免疫異常による自己免疫疾患に対して,自然免疫や炎症の制御異常による疾患として定義されたもので,臨床的・病態的に多彩な疾患を含み,遺伝子解析技術の進歩により年々増え続けている.代表的な遺伝性自己炎症疾患であるクリオピリン関連周期熱症候群は,NLRP3遺伝子の機能獲得型変異から,インフラマソームと呼ばれる分子複合体が“auto”=「自動的に」活性化しIL-1βが異常分泌されることによって弛張熱や蕁麻疹様紅斑,関節炎をきたす.肉芽腫を呈する各種疾患についても,免疫反応における抗原特異性の有無とその由来によって病態の分類を試みた.ブラウ症候群(若年発症サルコイドーシス)は,NOD2遺伝子の機能獲得型変異によって皮膚・関節・眼にサルコイド肉芽腫性炎症をきたす遺伝性自己炎症疾患であり,抗原非特異的かつ内因性の免疫反応による.本疾患は新たに指定難病となったことから,臨床・病理・遺伝子解析による鑑別が必要である.

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  • 宮崎 泰成, 古澤 春彦, 須原 宏造, 稲瀬 直彦
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 27-30
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     サルコイドーシス(以下サ症)は,多臓器に原因不明の肉芽腫性病変を呈する疾患である.サ症の臓器病変として肺の頻度は高く,日本では胸部レントゲン検査で発見されることが多く,また気管支鏡検査で診断が可能であることより肺病変にて診断されることが多い.従って,サ症と他の肺肉芽腫性疾患の鑑別が必要となる. 過敏性肺炎とサ症の合併が疑われる症例報告がある.過敏性肺炎と慢性ベリリウム肺は吸入性の抗原あるいは粉塵が肺内で反応して肉芽腫を形成するので基本的に気道に沿って病変が存在する.抗酸菌症や真菌感染症も,肺に肉芽腫を形成するので,培養検査や特殊染色が必要となる.血管炎関連疾患や免疫再構築症候群では,臨床経過が類似することがあり,急性サルコイドーシスとの鑑別が問題となる. サ症と他の肺肉芽腫性疾患の鑑別は,病歴,画像所見,検査所見,病理学的所見が重要で,合併することも念頭に置く必要がある.

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  • 伊崎 誠一
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 31-36
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     真菌,抗酸菌,寄生虫など容易に殺菌されない非消化性病原性微生物に対し,生体は慢性肉芽腫性炎症により防御反応を営む.皮膚では,さらに,生体に内在する非消化性異物が抗原性を獲得して慢性肉芽腫性炎症を引き起こす場合がある. 変性結合織成分に対する慢性肉芽腫性炎症には, 1) 環状肉芽腫(GA), 2) 環状弾性線維融解性巨細胞肉芽腫(AEGCG),3)リポイド類壊死(NL),4)リウマトイド結節(RN)がある.糖尿病性微小循環障害,紫外線障害,静脈環流・血流障害により結合織障害が生じ,抗原性を獲得し,これに対し活性化マクロファージ/組織球が浸潤し,柵状肉芽腫の形態をとる. 持続性リンパ浮腫に続発して組織内に生じた不明の抗原物質に対し慢性肉芽腫性炎症が惹起されることがあり,肉芽腫性口唇炎,肉芽腫性舌炎,肉芽腫性眼瞼炎,肉芽腫性外陰炎,Melkersson-Rosenthal症候群となる. 肉芽腫性酒さはかつて顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF)と呼ばれ,アレルギー性結核疹に分類されていたが,現在は毛囊脂腺系異物に対する類上皮細胞肉芽腫と考えられている. これらはいずれもサルコイドーシスの発症機構を理解するためにも,また鑑別診断のためにも重要な疾患群である.

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  • 木曽 啓祐
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 37-43
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     67Gaシンチグラフィー(Gaシンチ)は心サルコイドーシス(心サ症)の診断において活動性炎症巣の検出に長らく利用され,心サ症の診断基準にも主徴候として取り上げられてきたが,空間分解能の悪さから診断が困難な症例も多く,実際過去に報告されている診断能も決して高くはない.一方,近年では18F標識FDG-PETの心サ症に対する診断能の高さが注目され,Gaシンチの本疾患における重要性は薄れつつあると認識されている.しかし,GaシンチにおいてもSPECTに加え,近年ではSPECT/CTの利用により従来と比較して診断能の向上が得られるとの報告も複数見られており,筆者達は未だ有用な診断ツールとして利用できると考えている. そこで,本稿では心サ症診断におけるGaシンチの現状と診断能向上への取り組み,さらには今後の展望について実症例を交えながら紹介したい.

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  • 武村 民子
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 45-51
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     類上皮細胞肉芽腫は病理学的にサルコイドーシス診断の最も重要な組織像である.しかし類上皮細胞肉芽腫は多様な疾患で観察されるため,その性状,分布様式に基づく鑑別診断が重要である.サルコイドーシスにおける肉芽腫は多くの場合,自然退縮するが,病変部に線維化をきたす場合がある.さらに,サルコイドーシスと他疾患,とくに膠原病や特発性間質性肺炎,リンパ増殖性疾患との合併もあるため,臨床,画像,病理の密接な連携が必要である.

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  • 半田 知宏, 長井 苑子
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 53-58
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     サルコイドーシスの血液バイオマーカーとして代表的なものに血清ACEと可溶性IL-2レセプターがあり,後者は2015年に改訂されたサルコイドーシスの診断基準において,特徴的な検査所見項目として新たに加えられた.診断マーカーの有用性は鑑別の対象となる疾患によって異なるが,悪性リンパ腫や近年注目を集めているIgG4関連疾患では血清可溶性IL-2レセプターが上昇するため,これらの疾患とサルコイドーシスの鑑別における可溶性IL-2レセプター有用性は低いと考えられる.一方で,サルコイドーシスの肺病変の進行を予測する上では血清ACEよりも可溶性IL-2レセプターの有用性が高い可能性がある.サルコイドーシスの重要臓器障害には線維化が関与しており,その病態理解を深めることが臨床上有用なバイオマーカーの探索の上でも重要であると考えられる.

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  • 岡本 祐之
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 59-62
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     皮膚科におけるサルコイドーシス診療の目標は,皮疹を治療することと,病理所見を得やすい皮疹を発見して組織診断(「確実」診断)へ寄与することである.サルコイドーシスの皮膚病変は結節性紅斑と瘢痕浸潤,皮膚サルコイドに分類されている.その中で顔面の結節型や局面型皮膚サルコイド,広範囲の皮膚病変は,QOLの低下が認められており積極的な治療が望まれる.サルコイドーシスの皮膚病変治療の基本は外用治療で,副腎皮質ステロイドとタクロリムス(保険適用外)が用いられている.両薬剤とも,先発医薬品と後発医薬品を比較すると主薬は同一であるが基剤が異なるため,同じ効果を期待できない可能性や,使用感の差,刺激感の出現などの副作用の発現頻度などが両医薬品で異なることを理解して使用する必要がある. 他科から皮膚科に紹介を受けたサルコイドーシス患者と,皮疹を主訴に直接皮膚科を受診した患者それぞれの皮疹を比較すると,紹介患者では目立たない皮疹が多く,皮膚病変を発見するためには全身の皮膚を丁寧に診察することが皮膚科医に求められる.また,紹介を受けた時に明らかな皮疹がなくても,異時性に皮疹が出現することがあるため皮膚科的定期診察を行うことが重要である.

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解説
  • 長井 苑子
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 63-66
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     サルコイドーシスは原因不明の全身性疾患であるが臨床経過には大きな幅がある. 肺高血圧の存在も予後不良になるが,特定疾患治療研究事業の中で,肺高血圧と関連が強いと推定される疾患の中には認定されていない.欧米では,サルコイドーシス関連肺高血圧という用語での報告もだされており,肺高血圧症の分類(Nice,2013)においては,サルコイドーシスは5群に含められ認定されている. この教育講演においては,肺高血圧の基本的な理解と,それをサルコイドーシスという疾患と関連させたときに,単に,病態不明の5群としてのサルコイドーシスではなく,複数の病態によっておこるサルコイドーシス関連肺高血圧という存在を認識して,診断,治療管理をしていくために,必要な情報と課題についてレビューすることを意図した.

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症例紹介
  • 佐竹 康臣, 中村 祐太郎, 橋本 大, 榎本 紀之, 藤澤 朋幸, 乾 直輝, 横村 光司, 須田 隆文
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 67-71
    公開日: 2017/03/01
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     50歳女性.200X年(39歳時)に胸部X線で両側肺門リンパ節腫脹を指摘.顎部の皮疹の生検より類上皮細胞肉芽腫を認めサルコイドーシスと診断された.200X+11年7月頃から下肢の持続痛が出現.下肢MRIでは両側大腿四頭筋にびまん性の異常信号を認めた.皮膚生検では真皮深部にある小動脈にフィブリノイド壊死を伴う血管炎と皮下に類上皮細胞肉芽腫を認め,筋生検では筋炎の所見を認めた.皮膚型結節性多発動脈炎とサルコイドーシスとの合併と診断し,プレドニゾロン60mgにて治療を開始し症状は改善した.しかしステロイド減量中に両下肢の膝窩動脈以下の高度狭窄を認め,ステロイド,免疫抑制剤の増量を行ったが症状は改善せず,右足は一部壊死し潰瘍化した.血管外科にて経皮的血管形成術を施行した結果,血流の改善を認め,下腿の温存が可能となった.サルコイドーシスに結節性多発動脈炎を合併した報告はなく,稀な症例であり,サルコイドーシスと膠原病の合併,特に血管病変を評価する上で重要な症例と考えられた.

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  • 小野 朋子, 安東 優, 宇佐川 佑子, 宮崎 幸太郎, 松本 紘幸, 山末 まり, 向井 豊, 吉川 裕喜, 石井 稔浩, 竹中 隆一, ...
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 73-77
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     症例は78歳,女性.14年前に近医でぶどう膜炎を指摘され当科を受診し,経気管支肺生検と前斜角筋リンパ節生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め組織学的にサルコイドーシスと診断された.診断後は眼サルコイドーシスに対して点眼薬で治療された.その後,13年間無症状であったが,最近になり少しずつ増大する右頸部腫瘤を自覚し当院耳鼻咽喉科を受診した.頸部CTで右顎下~頸部に最大径2 cmのリンパ節を複数認め針生検(FNA)を施行した.巨細胞と類上皮細胞の集塊を認め,サルコイドーシスに矛盾しない所見であり経過観察されたが,その後も頸部リンパ節は増大したため精査目的に当科入院となった.頸部リンパ節に対し手術的生検が施行され,組織学的に壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認め,結核菌PCR検査が陽性であったため結核性頸部リンパ節炎と診断した.抗結核薬による治療を開始し,リンパ節病巣は速やかに縮小した.サルコイドーシスの経過中に結核性頸部リンパ節炎を合併した症例を経験したので,文献的考察を含め報告する.

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  • 米田 智也, 木下 秀之, 半田 知宏, 長井 苑子, 相澤 卓範, 岡林 真梨恵, 中島 康弘, 中川 靖章, 桑原 宏一郎, 一山 智, ...
    36 巻 (2016) 1_2 号 p. 79-83
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

     75歳女性.65歳時にぶどう膜炎を指摘.その後,胸部CTにて肺門部リンパ節腫脹あり,心エコーにて心室中隔中部に限局した菲薄化,MRIにて同部位に遅延造影を認め,サルコイドーシスと診断されていた.75歳時,呼吸困難を自覚し当院入院,胸部CT,血液検査等より肺炎を契機に肺うっ血を発症したと判断し,抗菌薬投与と心不全治療を行い改善した.心エコーにて僧帽弁前尖(A2~3)の逸脱,同部位より中等度の逆流を認めた.MRIにて乳頭筋に遅延造影を認め,サルコイドーシスによる病変が疑われた.乳頭筋のストレイン解析を行ったところ,後乳頭筋の無収縮を認め,後乳頭筋機能不全と診断した.心臓サルコイドーシスにおいて乳頭筋機能不全により僧帽弁逸脱を発症する症例があり,心エコーによるストレイン解析がその診断に有用であると考えられた.

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