日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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追悼文
学会賞論文
  • 永井 利幸
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 3-8
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    我々は心臓サルコイドーシス(心サ症)の診療および臨床研究に 10年以上従事し,国内外の専門誌に研究成果を発表してきた.まず,画像的検討に関して,心臓外サ症におけるガドリニウム遅延造影心臓 MRIを用いて検出した心臓微小病変は平均 50ヵ月の有害事象発生と関連しない可能性を示した.また,疫学的検討として心サ症診断時の免疫抑制療法の導入が長期にわたり心機能を保持し,心不全入院を抑制していたことを明らかにした.その上,免疫抑制療法が開始され,その後安定した経過をたどり免疫抑制療法を途中中止した症例は有意に心臓死の頻度が高く,心機能も経時的に低下することも明らかにした.病理組織学的検討では,心サ症における免疫応答機構に樹状細胞と M1タイプの炎症性マクロファージが強く関与していること,非肉芽腫組織に浸潤するこれら免疫細胞が心臓サルコイドーシスの新たな病理組織学的診断マーカーになりうることを示した.

総説
  • 岡本 祐之, 植田 郁子, 上津 直子, 岸本 泉, 水野 可魚
    原稿種別: 総説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 9-18
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    我々は心臓サルコイドーシス(心サ症)の診療および臨床研究に 10年以上従事し,国内外の専門誌に研究成果を発表してきた.まず,画像的検討に関して,心臓外サ症におけるガドリニウム遅延造影心臓 MRIを用いて検出した心臓微小病変は平均 50ヵ月の有害事象発生と関連しない可能性を示した.また,疫学的検討として心サ症診断時の免疫抑制療法の導入が長期にわたり心機能を保持し,心不全入院を抑制していたことを明らかにした.その上,免疫抑制療法が開始され,その後安定した経過をたどり免疫抑制療法を途中中止した症例は有意に心臓死の頻度が高く,心機能も経時的に低下することも明らかにした.病理組織学的検討では,心サ症における免疫応答機構に樹状細胞と M1タイプの炎症性マクロファージが強く関与していること,非肉芽腫組織に浸潤するこれら免疫細胞が心臓サルコイドーシスの新たな病理組織学的診断マーカーになりうることを示した.

  • 武村 民子
    原稿種別: 総説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 19-31
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    サルコイドーシスは全身諸臓器に類上皮細胞肉芽腫を形成する疾患であり,現在ヒトの常在菌である Propionibacterium acnes( P. acnes)による内因性感染症としての可能性が考えられている.サルコイドーシス肺では肉芽腫は特にリンパ管沿いの広義間質に沿って分布し,肉芽腫性血管炎の頻度が高い.肉芽腫の多くは自然退縮するが,その存在部位によって多様な線維化を来す.細気管支を中心とする星芒状線維化,気管支・血管束沿いの線維化,小葉間隔壁や細気管支に沿っての帯状線維化の頻度が高い.肺以外の全身諸臓器,特に心臓では肉芽腫と共にその線維化は機能障害の点からも重要な所見である.脳神経系,肝臓,脾臓,消化管,眼科領域,筋肉,皮膚,骨,関節など全身の諸臓器病変は各臓器の機能障害の観点からも治療対象になる,一方,サルコイドーシスでは肉芽腫以外に電子顕微鏡的に微小血管内皮細胞の傷害と基底膜の多層化を特徴とするミクロアンギオパチーが観察されている.サルコイドーシスにおいては肉芽腫とミクロアンギパチーという 2つの異なる病態がみられ,その相互の関連性を明らかにすることは,今後に残された課題の 1つである.

解説
  • 難病申請要件をめぐる諸問題を含めて
    四十坊 典晴
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 32-34
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である.歴史的に本症は 1976年に医療費の助成対象となる厚生省の難病に指定された. 1989年に最初の診断基準が作成され, 1990年に眼病変と 1992年に心臓病変の手引きが提案され組織診断群と臨床診断群での申請が認められた.眼病変と心臓病変の手引きが整理され, 2006年に診断基準が提唱されたが,厚労省(特定疾患)難病申請の診断基準には採用されなかった. 2015年 1月から新たな難病法が施行され,指定難病の申請には診断基準に重症度を併記して申請するように義務付けられたため,診断基準の改訂が行われ,診断基準 2015と重症度分類が提唱された.診断基準の変遷と問題点を解説する.

  • 冨岡 洋海
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 35-38
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    薬剤によるサルコイドーシス様反応とは,誘引となる薬剤投与との時間的関係で生じる全身性肉芽腫性反応で,臨床病理組織学的所見において,サルコイドーシスとの区別がつかない病態である. Chopraらの診断基準では,誘因となる薬剤の投与歴があり,他の肉芽腫性炎症を来す原因が否定される場合において,①当該薬剤を中止することで軽快 /寛解を認めた場合を highly likely,②軽快/寛解がみられなかった場合をpossible,③当該薬剤の中止による評価ができない場合を proba-ble,としている.誘引となる主な薬剤は, TNF阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬,インターフェロン,抗レトロウイルス療法薬などである.予後は概して良好であり,被疑薬の中止 /継続については患者の risk/benefitを考慮すべきである.これらはサルコイドーシスの病態解明において重要な手がかりになると思われる.

  • 真鍋 治, 納谷 昌直, 相川 忠夫, 真鍋 徳子
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 39-44
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    2012年 4月から心臓サルコイドーシスの診療に FDG PETが保険適用となり, 2020年 3月に同症の診断目的にも適用が拡大された.それ以前から続く試行錯誤での検討により,検査前の事前準備の重要性が確認された.今では心臓サルコイドーシスの診断に対する FDG PETの有用性が確立され,特にその活動性を評価する上で欠かせない検査となっている.一方で,心臓サルコイドーシス以外の心疾患でも FDGの集積が見られることがわかってきており,鑑別の難しさを痛感することも少なくない.心疾患の詳細な評価を行うためには, FDG集積の原理を踏まえた上での病態把握が望まれる.今回は我々自身の経験を踏まえて,FDG PETが陽性となる心疾患についてまとめた.

  • 特に最近の動脈硬化とマイクロバイオータ研究に関して
    星賀 正明
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 45-48
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    動脈硬化を起因とする心血管病は,生命および健康寿命を著しく脅かしている.動脈硬化は,病理学的観察からマクロファージが主体の慢性炎症であるとされ,脂質プラークの縮小を目的としたスタチン製剤が,抗炎症効果をも発揮することが示された.一方で,炎症を惹起するメカニズムとして無菌性炎症が注目され,コレステロールやカルシウムの結晶によるインフラマソーム活性化が動脈硬化進展メカニズムと示唆されている.また,マクロファージのみならず,好中球が急性心筋梗塞発症に関与すること,好中球細胞外トラップが血栓形成に深く関わることが示された. 一方,ヒトには多様性をもった数百兆個の常在微生物(マイクロバイオータ)が,口腔内や消化管を中心に共生する.近年,メタゲノム解析や次世代シークエンサーなどの技術革新により研究が進み,先行していた腸内細菌に続き口腔内細菌叢と動脈硬化の関連について,我々のデータも含め紹介する.

  • オーバービューと病因論的考察
    山口 哲生
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 49-51
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    サルコイドーシス(サ症)は全身性肉芽腫性疾患である.多くは同時にあるいは異時的に複数の臓器で病変が認められるが,単一臓器にしか病変が認められない場合には,当該臓器名を冠した限局性サルコイドーシスと呼ばれる.考え方はすべての臓器・組織に共通しているが,臨床的には神経限局性サルコイドーシスと心臓限局性サルコイドーシスのみが使用され論文として報告されている.神経限局性サ症は治療効果と予後がよいので,組織生検で診断をつけることで確定診断をする.心臓限局性サ症の診断については,わが国の基準は海外での isolated sarcoidosis( BHLのある例を含む)よりも厳しく,病変が心臓のみに限局している例をさしている. アクネ菌病因説に基づいた場合に,臓器限局性サ症をどのように考えることができるのか,解説した.

  • 金澤 伸雄
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 52-54
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    2015年の診断基準の改定により,病理検査で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めその他の疾患を除外できれば,皮膚病変以外に異常が見つからずとも皮膚サルコイドーシスと診断できることとなった.しかし,本邦の皮膚科では福代の分類の影響もあり,皮膚病変としての皮膚サルコイドに対して多臓器疾患としてのサルコイドーシスと捉えるイメージが強く,皮膚サルコイドーシスという疾患概念が根付いていない.一方,臨床症状からサルコイドーシスを診断するのは困難で病理診断が重要であるが,遅延型アレルギーあるいは異物反応による局所サルコイド反応との鑑別は必ずしも容易ではない.また,サルコイドーシスの皮膚病変として重要な瘢痕浸潤は,単独ではむしろ局所サルコイド反応と考えられ,皮膚サルコイドーシスではない.以上の問題点を踏まえ,皮膚科専門医のコンセンサスを得て皮膚サルコイドーシス診療の手引き・ガイドラインを作成することが望まれる.

  • 石原 麻美
    原稿種別: 論説
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 55-58
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    サルコイドーシスは複数臓器に肉芽腫性病変を生じる疾患であるが,単一臓器だけに病変がみられる「臓器限局性サルコイドーシス」の存在が論じられている.眼病変(ぶどう膜炎)だけが単独でみられる病態として,①他臓器病変の出現前に眼病変だけがみられる場合,②他臓器病変が先に出現し,消退した後に眼病変が出現する場合,③他臓器にも病変はあるが,検査上または臨床上検出できない場合,などが考えられる.しかし,眼科には「眼限局性サルコイドーシス」という概念が存在しない.他臓器病変や全身症状がない場合,サルコイドーシスに特異度の高い眼所見を複数有している症例であっても,他の肉芽腫性ぶどう膜炎との鑑別ができないからである.また,眼内組織から肉芽腫が検出された報告はあるが,診断を目的とした眼内生検を行っていない現状もあり,「眼限局性サルコイドーシス」を診断することは現時点では困難であると考えられる.

原著
  • 荻野 俊平, 長井 苑子, 半田 知宏, 谷澤 公伸, 池添 浩平, 泉 孝英
    原稿種別: 研究論文
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 59-65
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

     腫瘤型筋肉サルコイドーシス 12症例の臨床的特徴について検討した.発症は 50歳代の女性に多く,下腿筋肉内に腫瘤を触知して受診する症例が最も多かった.腫瘤型筋肉サルコイドーシスの画像診断は筋肉 MRI検査において特徴的な所見を呈することが知られているが,筋肉超音波検査においても MRI同様に特徴的な所見を全例で認め,簡便かつ有用な検査となりうることが示唆された.最長 13年間の経過観察で,筋力低下や筋肉萎縮を呈する症例はなく,検査所見で有意な CKやアルドラーゼ上昇を認めた症例はなく,無治療経過観察でも筋力障害を認めた症例はなかった.画像診断や治療にあたっては,「腫瘤型」と命名されているが,サルコイドーシス病変は線維化した腫瘤を内包して,筋束に沿って広く伸展していることに注意が必要であると考えられた.今後は筋原性酵素の上昇を伴いながら筋力低下と筋萎縮が進行する慢性ミオパチー型サルコイドーシスとの病態の相違解明が待たれる.

症例報告
  • 森 千惠, 黒田 光, 中村 慧一, 堂下 和志, 藤田 結花, 山崎 泰宏, 藤兼 俊明, 辻 忠克
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 66-70
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    症例は 63歳,女性.右胸背部痛を主訴に近医を受診した。胸部 CTで両側肺門リンパ節腫脹を認め,サルコイドーシスが疑われ,精査加療目的に当科へ入院した.体幹痛は著明でありフェンタニル貼付薬を開始した.両肘両膝に扁平隆起性の皮疹を認め,皮膚生検を施行した.皮膚生検の病理診断は非乾酪性類上皮細胞肉芽腫であり,サルコイドーシスと確定診断した.入院 12日目に酸素化の増悪を認め,胸部 CTで両肺間質陰影の増悪を認めたため,酸素投与を開始した.プレドニゾロン( PSL) 60mg/日の内服を開始し,肺病変は速やかに改善した.体幹痛はサルコイドーシスによる神経障害性疼痛と考えた.また, PSL開始後より体幹痛は徐々に改善し,オピオイドを減量できた.サルコイドーシスによる神経障害性疼痛は難治性となることが多いが,当症例は PSL開始後,良好な疼痛コントロールが得られたため報告する.

  • 田中 萌, 川述 剛士, 堀口 有希, 徳永 将勝, 伊藤 幸祐, 石田 友邦, 梅澤 弘毅, 田中 健介, 鈴木 未佳, 福岡 みずき, ...
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 71-75
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    症例は 27歳男性.22歳時にぶどう膜炎と診断され,両側肺門リンパ節腫脹( BHL)を認め経過観察されていた.5年後に両側耳下腺腫脹,左顔面神経麻痺,発熱が出現し,ぶどう膜炎の再燃と BHLの悪化を認めた.経気管支肺生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスの組織診断群と診断した.特徴的な主症状 3所見と発熱を認めることから,完全型 Heerfordt症候群と診断し,ステロイド投与により改善した.Heerfordt症候群はぶどう膜炎,耳下腺腫脹,顔面神経麻痺の 3所見に発熱を伴うサルコイドーシスの一亜型であり,完全型の発症頻度は 0.3%と稀である.まとまった報告はないが,Heerfordt症候群では各症状・病変が異時性に出現する報告が散見され,本症例は初発症状が出現して完全型 Heerfordt症候群の診断に至るまで,5年の経過を要した.Heerfordt症候群について,過去の報告から文献的考察を交えて報告する.

  • 深田 充輝, 榎本 紀之, 乾 直輝, 穗積 宏尚, 柄山 正人, 鈴木 勇三, 古橋 一樹, 藤澤 朋幸, 中村 祐太郎, 須田 隆文
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 76-81
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    背景:肉芽腫性肺疾患の診断における経気管支鏡下クライオバイオプシー( transbronchial lung cryobiopsy: TBLC)の有用性は明らかでない. TBLCが診断に有用であった 3例を報告する.<症例 1> 27歳男性.胸部 CTで右上葉空洞性病変と肺門縦隔リンパ節腫脹を認めた.通常の気管支鏡検査で診断に至らず, TBLCで非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,肺サルコイドーシスと診断した.<症例2>46歳女性.胸部 CTで縦隔リンパ節腫脹と肺内に多発粒状影を認めた. TBLCで非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め肺サルコイドーシスと診断した.<症例3>69歳女性.労作時呼吸困難があり,胸部 CTでびまん性の肺すりガラス様陰影と網状影を認めた.気管支鏡検査で診断に至らず,環境隔離による改善を認めたため過敏性肺炎を疑い経過観察とした.その後増悪し,再精査の TBLCで肉芽腫やリンパ球浸潤を認め慢性過敏性肺炎と診断した.結語:TBLCは採取組織が大きく挫滅も少ないため,肉芽腫性肺疾患の診断に有用である.

  • 井坂 由莉, 寺田 二郎, 太田 昌幸, 吉岡 慶一朗, 安部 光洋, 川﨑 剛, 池田 純一郎, 巽 浩一郎
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 82-85
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    症例は 57歳,女性.健診胸部 X線にて異常影を指摘され前医を受診.CTで右肺上葉浸潤影,粒状影,小結節影を認め,当初は肺炎を疑われたが,抗菌薬による治療に不応であった.肺癌などの鑑別目的にガイドシース併用気管支腔内超音波断層法( EBUS-GS)を用いた気管支鏡検査を行い,病変が withinに描出された上で検体を採取したが診断を得られず,当院紹介後 2回目の気管支鏡検査を行ったが同様の結果であった. FDG-PETでは,肺,縦隔肺門リンパ節,腹腔内リンパ節,肝,肩甲骨,脊椎,腸骨など,全身性に多発集積を認めた.経皮的腸骨生検を行った結果,壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が検出され,サルコイドーシスに矛盾しない病理診断が得られた.骨病変は病的骨折・脊髄圧迫の危険は低いと判断され,他に治療を要する臓器病変がなかったことから,無治療にて経過観察となった.脊椎骨盤に病変が多発した稀なサルコイドーシスの 1例を経験した.

  • 小野 紘貴, 杉野 圭史, 渡邉 菜摘, 安藤 真弘, 蛇澤 晶, 坪井 永保
    原稿種別: 症例報告
    2021 年 41 巻 1_2 号 p. 86-90
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2022/01/26
    ジャーナル フリー

    症例は 78歳,女性. X年 1月下旬から著明な全身倦怠感,食欲不振が出現し当院消化器科を受診.胸部 -骨盤造影 CTで肺門,縦隔リンパ節の腫大を認め当科へ紹介となった.気管支鏡検査を施行し,気管支肺胞洗浄でリンパ球比率 46.4%およびCD4/8比4 .7と上昇を認めた. #4Rリンパ節からの生検で非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認めた.頭部 MRI検査で下垂体柄の腫大を認め,内分泌学的検査でLH,FSH,TRH, ACTHといった下垂体前葉ホルモンの低下を認めた.ガリウムシンチグラフィで両側肺門部,縦隔リンパ節,両側涙腺および耳下腺に対称性の集積を認めた.以上から下垂体機能低下症を合併した全身性サルコイドーシスと診断し X年 2月より PSL 60mg/日の内服を開始した.また尿崩症の合併に対しデスモプレシン点鼻を併用した.治療開始後,食欲不振,全身倦怠感は消失し同年 2月の CT検査では両側肺門,縦隔リンパ節腫大は消失し多尿も改善を認めた.

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