日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
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10 巻 , 4 号
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  • 吉村 恵, 又吉 達, 古江 秀昌, 中塚 映政, 片渕 俊彦
    10 巻 (2003) 4 号 p. 471-475
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    脊髄内アロディニアの発生機序として, 非侵害性感覚情報を伝えるAβ線維の軸索発芽が示唆されている. この軸索発芽は坐骨神経切断モデルと炎症モデルラットで報告されているが, その病態はまったく異なっている. 坐骨神経切断モデルにおいては, C線維の脱落がトリガーになっていると考えられている一方, 炎症モデルではC線維の脱落はなく, 感覚受容体の感作による入力の増大が誘因と推測されるが, その発生機序には不明な点が多い. そこで, 炎症モデルラットの脊髄膠様質を対象に, in vivoおよびin vivoのスライス標本を用い, Aβ線維の軸索発芽をトリガーする因子を炎症初期のラットを用いて検討した. その結果, in vivo標本を用いたpatch-clamp記録では自発性入力の増大と, 多くの非侵害性受容体の特徴である慣れ現象の消失が起こり, 脊髄内におけるグルタミン酸放出の著明な増大が起こることが観察された. それに加え, 炎症に伴って産生されるBDNFによっても膠様質における伝達物質の放出増大がみられた. 今のところ, これらの変化がどのようにAβ線維の軸索発芽を誘起し, 膠様質に誘引するかは不明であるが, 少なくとも何らかの重要な役割を果たしているものと推測される.
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  • 山本 達郎
    10 巻 (2003) 4 号 p. 476-480
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    痛みの研究を行うにあたっては, 常に臨床の疑問に根ざした研究を行うべきであり, この目的意識を常にもっていなければよい研究はできない. 実験モデルの選択をするにあたって大切なことは, 研究の目的に最も適したモデルを選択することである. このためには, 自分の目的とする疼痛が生理的疼痛なのか, もしくは病的疼痛 (炎症性疼痛・神経因性疼痛など) なのかをはっきりさせる必要がある. また各々のモデルの特徴をよく理解することも必要である. これらの理解のうえで, 選択をすることとなる. また, 研究を進めていくにあたって, いかによい計画を立てても, 実現不可能な計画であっては意味のない計画となってしまう. このようにモデル選択にあたっては, 自分の目的に合ったモデル選択を行い, 実現可能な研究計画を立てる必要がある.
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  • 中村 禎志
    10 巻 (2003) 4 号 p. 481-489
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    組織研究の方法には, さまざまなものがある. 抗原抗体反応を利用して組織を調べていく免疫組織化学的手法は, 組織研究の方法のなかでも取り付きやすく, 比較的簡単に神経伝達物質や受容体, あるいは調べたい物質の局在を知ることができる. 広く利用されている免疫組織化学ではあるが, 実験の経験のない人には, わかりにくい部分もある. この稿では, 初心者を対象に組織研究における免疫組織化学の概略を示す. また免疫組織化学の実際として酵素抗体法の一つである streptavidin-biotinylated peroxidase complex (SABC) 法を例にとり, 標本の準備, 固定から, 抗体との反応, 発色, 観察までを説明し, それぞれの段階での注意点や, 反応が得られない場合の問題点を説明する.
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  • 入内島 伸尚, 齋藤 繁, 富岡 昭裕, 西川 光一, 吉川 大輔, 後藤 文夫
    10 巻 (2003) 4 号 p. 490-494
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    重症な慢性動脈閉塞症(TAO, ASO)では, さまざまな治療にもかかわらず四肢切断に至る患者が多い. そこで, どのような因子をもつ患者が切断に至る危険性があるか調査した. 最近10年間に当院麻酔科で入院治療を受けた慢性動脈閉塞症患者の喫煙率, 合併症, ankle brachial index (ABI), 総コレステロール(TC)/高比重リポ蛋白(HDL)の比について調査した. 患者数はTAO63人, ASO 40人, その他4人で男99人, 女8人だった. これらの患者は抗血小板薬や血管拡張薬の内服, 高圧酸素療法, 交感神経ブロックなどの治療を受けていた. 患者の喫煙率はTAO 84.1%, ASO 80.0%でTAOの切断患者では100%だった. 合併症は糖尿病, 高血圧ともにASOの患者群で多かった. ABIは切断群で0.5±0.5, 非切断群で0.7±0.5と切断群で低かった(p<0.05). TC/HDLは切断群で5.5±1.5に対し, 非切断群で4.4±1.6と切断群で高かった(p<0.05). ABIの低下とTC/HDLの上昇は予後に相関した. 今後, 切断に至る可能性のある患者に対し自家骨髄幹細胞移植などの血管新生療法を考慮すべきである.
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  • 内田 和秀, 舘田 武志, 日野 博文, 角倉 弘行
    10 巻 (2003) 4 号 p. 495-500
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    アセチルコリン受容体作動薬は疼痛閾値を上昇させると報告されていることから, われわれはその拮抗薬が疼痛閾値を下降させるという仮説を立て, 周術期に使用されるパンクロニウム, ベクロニウム, アトロピンおよびスコポラミンに関してこの仮説を検討した. 5週齢のICR系雄性マウスを用い, ホットプレート法および酢酸ライジング法により, 各種薬剤の侵害受容作用を対照 (生理食塩液) と比較した. ホットプレート法において, アトロピンとスコポラミンによる疼痛閾値の低下作用が認められ, 酢酸ライジング法では, 4種薬剤すべてに疼痛閾値の低下作用が認められた. 本研究結果より, アセチルコリン受容体拮抗薬は疼痛閾値の低下作用をもつことが示唆された.
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  • 溝口 恭子, 立山 博一, 杉浦 良啓, 野条 良彰
    10 巻 (2003) 4 号 p. 501-504
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    左C6領域の帯状疱疹痛に対する頸部持続硬膜外ブロック中に, 複視の出現でカテーテルの硬膜下腔迷入が判明した1症例を経験した. カテーテル挿入時に1%メピバカインを計6ml注入後, 一過性の血圧低下以外に異常所見は認めなかったため, カテーテルが硬膜外腔に留置されたと判断して注入を開始した. 3日後に1%メピバカイン3ml注入後, 患者が複視を訴えた. 右眼の散瞳, 対光反射減弱, 外転運動障害を認めた. 造影検査で後頭蓋窩に沿った造影所見を認めたため, 硬膜下ブロックによる動眼神経および外転神経麻痺を疑い, ただちにカテーテルを抜去した. 約2時間後, 複視は消失し, 後遺症は認めなかった.
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  • 石橋 幹子, 比嘉 和夫, 廣田 一紀, 平田 和彦, 林 文子, 濱田 孝光
    10 巻 (2003) 4 号 p. 505-508
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    40歳の男性が第3~第5仙髄神経領域の帯状疱疹を発症した後に排尿障害をきたし, 死亡まで6週間持続導尿を必要とした. この症例では髄液と血清の水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体価から, くも膜下で水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体が産生されたことが推測された.
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  • 笹野 寛, 津田 喬子, 田中 明美, 笹野 信子, 勝屋 弘忠
    10 巻 (2003) 4 号 p. 509-512
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    吃逆は, 正常呼吸運動を障害するため, 吃逆重積時に患者が感じる苦痛はきわめて大きい. 今回われわれは肝硬変, 肝細胞癌を基礎疾患に有し, それと関連が疑われた難治性吃逆症例の治療を経験した. 症例は71歳男性. 初診後初期の持続頸部硬膜外ブロックは, 持続注入中は効果的であったが, 終了後には効果が減少した. その後に行った星状神経節ブロック, 横隔神経ブロックともに効果は弱く徐々にコントロール不良となった. 初診から8カ月後にGABA-B受容体アゴニストであるバクロフェンを内服させたところ著効し, 以降, 原疾患により他界するまでの計23カ月間, 吃逆による呼吸苦を感じないレベルで維持することができた. 吃逆の原因が持続し, 神経ブロックが無効になった症例に経口バクロフェンが有効であった.
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  • 三浦 耕資, 境 徹也, 山田 泰之, 冨安 志郎, 諸岡 浩明, 澄川 耕二
    10 巻 (2003) 4 号 p. 513-515
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    脊椎麻酔によって幻肢痛が生じたことのある患者が二度目の脊椎麻酔を受けた際, 少量のミダゾラムを投与して幻肢痛の誘発を予防できたと考えられる症例を経験した. 症例は78歳の男性. 身長157cm, 体重42kg. 47年前に下肢切断術を受けたが, 幻肢痛の既往はなかった. 術前の血液検査では梅毒血清反応は陰性であった. 尿管鏡検査のためブピバカインを用いて脊椎麻酔を行ったところ, 電撃痛様幻肢痛を訴えた. ミダゾラム2mgの静注により幻肢痛は完全に消失し, その後は, 検査中・検査後を通じて幻肢痛の訴えはなかった. 10日後, 再度の尿管鏡検査が予定された. ミダゾラム1mgを静注後, ブピバカインによる脊椎麻酔を行ったが, 幻肢痛の出現は検査中・検査後を通じて認められなかった. 体性入力遮断を契機に生じる脊髄後角での異常発火, 大脳皮質感覚運動野のGABA抑制系の機能の低下がミダゾラムで抑制され, 幻肢痛の誘発を予防できたと推測された.
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  • 高谷 哲夫, 安心院 純子, 長谷川 純, 山崎 一
    10 巻 (2003) 4 号 p. 516-518
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    星状神経節ブロック (SGB) は網膜の血流を増やし, 視神経炎の治療に有効とされている. SGBで, 視神経炎後の視覚障害が著明に改善した症例を経験した. 症例は60歳の女性で, 左眼の視力低下と両眼の乳頭浮腫, および右眼のマリオット盲点の拡大, 左眼の中心暗点とマリオット盲点の拡大を認め, 両眼の視神経炎と診断された. ステロイド治療によって視力はかなり改善したが, 左眼の色覚異常や変視症などの視覚異常が残った. 視神経炎罹患1年6カ月後, 両手のレイノー現象のために当科外来で左SGBを開始した. 7回目のSGBを行った頃より左眼の変視症と色覚異常の改善を徐々に自覚するようになった. 約半年間の計23回のブロック後には, 色覚異常と変視症は著明に改善し, 視力もさらに改善して軽度の小視症を残すのみとなった. 陳旧性の視神経炎でも積極的にSGBを試みる価値があると考える.
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  • 白石 尚基, 白石 陽治, 斎藤 英夫
    10 巻 (2003) 4 号 p. 519-522
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    Neck tongue syndrome は, 頸部の回旋運動後に片側の後頭部痛と同時に同側の舌半分のしびれ感が出現する症候群として, 1980年に Lance & Anthony が初めて報告した. 本邦では1982年に野田らの初報告以来, 報告例は19例にすぎず, その治療法も確立していない. 今回の症例は30歳男性で, 左後頭部痛と舌左半分の異常感覚を主訴とし, 約1ヵ月間, 非ステロイド性抗炎症薬を中心とした薬物療法や物理療法を受けたが症状は改善せず, 星状神経節ブロック (SGB) に変更された. 10回のSGB後, 左後頭部痛と左舌尖部の異常感覚は軽減し, SGB開始後約4ヵ月で症状は消失した. SGBは本症候群の有効な一治療法になりうると考えられた.
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  • 高木 アイリーン尚美, 森崎 浩, 小竹 良文, 武田 純三
    10 巻 (2003) 4 号 p. 523-525
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 術後硬膜外鎮痛法による片側性知覚異常や筋力低下を主とした可逆的神経系合併症の発生頻度, 機序ならびに患者の受容度を検討する. 方法: 平成12年4月~9月の半年間に当院で, 手術のため硬膜外麻酔ならびに術後硬膜外鎮痛を受けた患者896名 (腰部482名, 胸部414名) を対象に, 術翌朝回診時, 腰部から下肢にかけての片側性知覚異常, 筋力低下の有無を調査した記録を解析した. 結果: 片側性下肢知覚異常を訴えたのは37名 (4.1%) で, うち4名は同側の膝立て困難等の筋力低下を合併していた. 硬膜外刺入部位は腰部34名, 胸部3名で, 手術別では産婦人科が29名と最も多かった. カテーテル抜去後, 1名で症状消失に12時間以上必要とした以外, 36名では抜去後3時間以内に消失していた. また症状の可逆性や本鎮痛法の利点を説明したうえでも, カテーテル抜去を希望した患者は37名のうち7名 (19%) であった. 結論: 本合併症はいずれもカテーテル留置に関連していた. 永久的神経損傷の危険性との鑑別に加え, 患者の不快感と不安への十分な配慮が必要である.
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  • 佐々木 正行, 齋藤 繁, 後藤 文夫
    10 巻 (2003) 4 号 p. 526-528
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    2年前より前胸部および肩甲部から腋窩に放散する痛みが続き, 他院神経内科でMRIによる検査も受けたが原因を特定できず難治性の疼痛として当科に紹介された. その治療中に片側の顔面および手掌の発汗減少と温感を訴えるようになりCT, MRIの検査を行い肺尖部肺癌が発見された. 本症例では臨床症状が定型的でなかったこと, ならびに肺尖部肺癌を念頭においた画像検査が行われなかったことが適切な治療が遅れた原因となった, また, 腫瘍の浸潤により生じる自律神経系の異常は自覚的, 他覚的所見の把握が困難であるため, 診察の際には自律神経活動の評価を必ず行うべきである.
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  • 10 巻 (2003) 4 号 p. 531-536
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
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