日本ペインクリニック学会誌
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15 巻 , 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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総説
  • 荻野 祐一, 根本 英徳, 斉藤 繁, 後藤 文夫, 乾 幸二, 柿木 隆介
    15 巻 (2008) 1 号 p. 1-6
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    痛みは不快な感覚であるが,同時に主観的な感情である.新しいニューロイメージングにより,痛みの感情と,それが痛覚認知に与える影響が科学的に明らかになってきた.本稿では,それらについて最近の私たちの研究成果を中心に紹介する.近年,侵害刺激に反応して活動する大脳皮質領域,いわゆる痛み関連脳領域が明らかとなったが,実際に痛み刺激が与えられなくても,痛みをイメージした時には類似の脳部位が活動するという仮説を実証するため,私たちは痛そうな写真(注射をされている写真など)を被験者に見せて,機能的MRI(fMRI)で脳活動を計測した.その結果,第二次体性感覚野,島,帯状回といった痛覚認知に関与する脳領域の血流が有意に上昇する事を発見した.また,瞑想中には痛みをまったく感じないというヨガの達人では,瞑想中に痛覚刺激を与えたときの脳磁図とfMRIの計測では,痛み関連脳領域の活動が著しく減弱していた.このように,痛みの感情により生じる脳活動は,痛み関連脳領域の主要活動を占めており,暗示や瞑想などにより,侵害刺激による痛み関連脳領域の活性化と抑制が起こり,痛覚認知が強く影響されていることが明らかとなった.
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原著
  • 中川 美里, 小澤 るり子, 比嘉 正祐
    15 巻 (2008) 1 号 p. 7-13
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    帯状疱疹発生60日以内の50歳以上の難治性疼痛症例で三叉神経第1枝(V1)領域の帯状疱疹関連痛に対してC2脊髄神経節ブロックを行った11症例の成績と脊髄神経領域の帯状疱疹関連痛に対して当該神経根ブロックを行った94症例との成績を後向きに比較検討した.V1領域の帯状疱疹関連痛に対して行ったC2脊髄神経節ブロック後に,27%の症例で疼痛が半減し,64%の症例で疼痛が軽減した.脊髄神経領域の帯状疱疹痛関連痛に対して行った神経根ブロック後の有効率と有意な違いはなかった.ブロックから6カ月後までの疼痛消失は部位間で有意の違いはなかった.以上のことから,V1領域の帯状疱疹関連痛に対するC2脊髄神経節ブロック後には,脊髄神経領域の帯状疱疹関連痛に対して行う神経根ブロック後と同様に疼痛は軽減するといえる.
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症例
  • 宮田 妙子, 長谷 一郎, 舟尾 友晴, 中西 美保, 飯室 慎祐, 狩谷 伸享, 西川 精宣, 浅田 章
    15 巻 (2008) 1 号 p. 14-17
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    フェニトインによると思われる薬剤性過敏症症候群の症例を経験したので報告する.60歳代の女性で,カルバマゼピンによる薬剤過敏症症候群の既往があった.三叉神経痛の治療のためにフェニトインを服用し,23日目に全身に皮疹が発現した.38度以上の発熱があり,トランスアミラーゼが上昇し,異型リンパ球が発現した.ヒトヘルペスウイルス-6に対する抗体価は明らかに上昇してはいなかった.フェニトインの中止後に,ステロイドを使用することなく,全身症状は改善した.フェニトインによる薬剤性過敏症症候群の軽症例と考えられた.
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  • 上林 卓彦, 住谷 昌彦, 植松 弘進, 安部 剛志, 松田 陽一, 阪上 学, 井上 隆弥, 柴田 政彦, 眞下 節
    15 巻 (2008) 1 号 p. 18-20
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    ガバペンチンは神経因性疼痛の治療薬として汎用されている抗けいれん薬の1つである.今回,ガバベンチンを各種治療に抵抗性を示した脊髄損傷後疼痛の2症例に投与した.ガバペンチンは疼痛に対する効果は顕著ではなかったが,気分障害や日常生活活動度を改善した.ガバペンチンは疼痛以外にも運動障害や精神的,社会的な問題を抱える脊髄損傷後疼痛症例に対し有用であることが示唆された.
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  • 佐伯 美奈子, 上島 賢哉, 小川 賢一, 山田 芳嗣
    15 巻 (2008) 1 号 p. 21-25
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    硬膜外カテーテルを留置しなかったにもかかわらず,腰下肢痛に対する神経ブロック療法中に発症した化膿性脊椎炎を経験したので報告する.症例は78歳の女性で,腰部脊柱管狭窄症で椎弓切除術を施行されたが,腰・下肢痛が持続していたので,神経ブロックを受けていた.腰・下肢痛が増悪したので入院下に腰部のトリガーポイント注射を連日行い,入院10日目に左側のL5の神経根ブロックを,16日目に両側のL4/5,L5/6(本症例は仙骨の腰椎化があった)の椎間関節ブロックを施行した.入院19日目に38.1度の発熱があり,白血球数とCRPが上昇した.MRI,CTでL3椎体の化膿性脊椎炎が示唆され,血液培養でMRSAが検出された.抗生剤を投与し,保存的治療を継続し,発熱より約1年後に,炎症所見は改善し,腰部のMRIでも炎症を示唆する所見は消失した.
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  • 谷 真規子, 石川 慎一, 溝渕 知司, 西江 宏行, 佐藤 健治, 中塚 秀輝, 森田 潔
    15 巻 (2008) 1 号 p. 26-30
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    特発性脳脊髄液減少症の保存的治療中に硬膜下血腫による意識障害を繰り返したので,X線透視下に硬膜外腔に30 mlの自己血を注入したところ,頭痛は消失し,硬膜下血腫が再発しなかった症例を経験したので報告する.51歳の男性で,起床後に起立性頭痛が突然起こり,増強したので入院した.頭痛に加え,嘔気と耳鳴りがあり,頭部MRIとCTで両側性の硬膜下水腫がみられた.特発性脳脊髄液減少症が強く疑われ,点滴と安静臥床による保存的治療を行ったが,硬膜下血腫が増大し,意識障害を繰り返した.硬膜下血腫除去が2回行われたが,起立性頭痛は消失しなかった.RI脳槽造影検査は早期膀胱集積を示したが,髄液漏出部位は特定できなかった.胸椎MRIおよびCT脊髄造影で,第2から第8胸椎レベルでの髄液漏出が強く疑われたので,第4,5胸椎間から12 ml,第6,7胸椎間より18 mlと計30 mlの自己血をX線透視下に硬膜外腔に注入した.硬膜外腔への自己血注入後に,頭痛は速やかに消失した.自己血注入に伴う明らかな合併症はなく,硬膜下血腫の再発はなく,退院となった.
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  • 井上 一由, 香曽我部 義則, 梶木 秀樹, 梶木 美樹
    15 巻 (2008) 1 号 p. 31-34
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    腰痛の原因が単純X線写真,MRIで良性の椎体圧迫骨折と判断され,治療中に骨髄検査で多発性骨髄腫と判明した4症例を経験した.3症例は70歳代の高齢で,貧血,血小板減少があり,1症例は高蛋白血症があった.椎体圧迫骨折の疼痛治療では,痛みが長期にわたる場合や疼痛が軽減しない場合には,多発性骨髄腫を念頭におき精査する必要がある.
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  • 牧野 朝子, 細川 豊史, 大西 佳子, 大森 美佐子
    15 巻 (2008) 1 号 p. 35-37
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    ネオビタカイン®はジブカインの配合薬である.ネオビタカインが偶発的にクモ膜下投与となり,長時間の麻痺を生じた2症例を経験した.症例1は65歳の男性で,腰椎椎間板ヘルニアの術後に再発した腰下肢痛のために,右第4/5腰椎椎間関節部の圧痛点にネオビタカイン5 mlとベタメタゾン2 mgでトリガーポイント注射を行い,2分後に1%メピバカイン10 mlで仙骨硬膜外ブロックを行った.いずれも薬液注入前の吸引テストで脳脊髄液の逆流はなかった.患者は仙骨硬膜外ブロック施行中に両下肢の温感を訴え,10分後には両下肢の運動麻痺を生じ,ネオビタカインのクモ膜下投与が疑われた.16時間後に運動麻痺は完全に消失した.症例2は複合性局所疼痛症候群の25歳の女性で,左下腿の痛みに対し,第3/4腰椎間より吸引テスト陰性を確認後,ネオビタカイン5 mlで硬膜外ブロックを行ったところ,数分後に両下肢の運動麻痺が生じた.感覚鈍麻域はTh 8以下で,11時間後に運動麻痺は完全に消失した.
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