日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
検索
OR
閲覧
検索
16 巻 , 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
原著
  • 大竹 孝尚, 川井 康嗣, 山本 由香, 河田 竜一, 坂部 武史
    16 巻 (2009) 1 号 p. 1-6
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    三叉神経痛に対し三叉神経節高周波熱凝固を施行し,何らかの間欠痛が起こった5例(P群)と間欠痛が起こらなかった5例(N群)を後ろ向きに検討した.三叉神経節高周波熱凝固の電極は,50Hzによる連続刺激で目的とする三叉神経領域に放散痛が得られる部位に位置させた.術中のX線軸位像で矢状面と絶縁針との角度,卵円孔前壁から針先までの距離と卵円孔短軸長の比,側面像で斜台と絶縁針との角度は両群で有意の違いはなかった.側面像で蝶形骨大翼の側頭下面から針先までの距離と斜台までの距離の比は,N群では0.50-0.79の範囲であったのに対し,P群では0.50未満もしくは0.80以上であった.術前を10とした触覚の評価では,術後翌日以降の触覚の残存の程度は,N群に比べP群の方が有意に低かった(6.2±2.7対1.8±4.7,p<0.05).三叉神経節高周波熱凝固後の残存痛は,触覚低下がより強く生じた症例に起こっており,不適切な電極の位置によって生じたことが示唆された.術中のX線側面像での針先の位置と熱凝固後の触覚低下が,三叉神経痛に対する三叉神経節高周波熱凝固の疼痛消失効果の予測指標となる可能性がある.
    抄録全体を表示
  • 松永 万鶴子, 若崎 るみ枝, 比嘉 和夫, 櫻井(池田) 静佳, 柴田 志保, 生野 慎二郎, 仁田原 慶一
    16 巻 (2009) 1 号 p. 7-13
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    開胸手術後(n=132)と開腹手術後(n=295)に0.2%ロピバカインとフェンタニルを使用した硬膜外自己調節鎮痛を行った症例で,手術部位による問題点と副作用の違いを後ろ向きに検討した.開胸手術では硬膜外カテーテルの自然抜去が開腹手術より多く発生し (18%対5%,p=0.001),開腹手術では排尿困難が多かった(25%対8%,p=0.03).悪心・嘔吐,血圧低下の発生頻度に違いはなかった.術後早期にPCAポンプの持続投与量の変更を必要とした理由は,開胸手術では悪心(n=7)と傾眠(n=4)であり,開腹手術では排尿困難(n=13)と血圧低下(n=8)であった.硬膜外自己調節鎮痛では,開胸手術後には硬膜外カテーテルの固定の改善が,開腹手術後では血圧低下と排尿困難に対する対策が必要である.
    抄録全体を表示
  • 延原 弘明, 足立 泰
    16 巻 (2009) 1 号 p. 14-18
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    われわれは三叉神経領域の激しい帯状疱疹痛に対して卵円孔部で局所麻酔薬とステロイドの併用で下顎神経ブロックを行った9症例(下顎神経ブロック群)と下顎神経ブロックを施行しなかった9症例(対照群)を比較検討した.下顎神経ブロックには1%リドカイン0.5 mlとデキサメタゾン2 mgを用いた.年齢,性別,発症から当科初診までの日数,初診時の疼痛,神経ブロック終了時の疼痛は両群で有意の違いはなかった.しかし,治療後に疼痛が視覚評価スケール(VAS)で20に低下した日数(中央値,以下同)は,対照群では88日であったのに対し,下顎神経ブロック群では14日と有意に(P=0.008)短期間であった.疼痛がVASで20に低下するまでに行った従来の神経ブロックは,対照群では23回であったのに対し,下顎神経ブロック群では8回と有意に(P=0.017)少ない回数であった.最終的な治療日数は,対照群では365日であったのに対し,下顎神経ブロック群では66日と有意に(P=0.015)短期間であった.三叉神経領域の激しい帯状疱疹痛に対する卵円孔部での局所麻酔薬とステロイドを併用した下顎神経ブロックは,疼痛を短期間で軽減させ,神経ブロックの回数を少なくし,治療日数を短縮させるので有用であると思われる.
    抄録全体を表示
症例
  • 藤井 洋泉, 福島 臣啓, 石井 瑞恵, 長野 ゆり, 川西 進, 渡辺 陽子, 奥 格, 時岡 宏明, 香曽我部 義則, 梶木 秀樹
    16 巻 (2009) 1 号 p. 19-22
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    下肢痛の原因のひとつに脊柱管内嚢腫があり,腰椎椎間関節嚢腫は神経根症状を呈することが多い.われわれは,腰椎椎間関節嚢腫と同部位にくも膜嚢腫を合併した症例を経験した.61歳の女性で,左下肢痛があり当科を受診した.左L5,S1の神経根症状がみられた.腰椎のMRIで,L5/Sレベルで脊柱管内の左側に径5 mmの嚢腫性病変がみられ,椎間関節嚢腫と診断した.左L5,S1のパルス高周波熱凝固を行い,嚢腫の内容物を吸引したが,いずれも疼痛の軽減は短期間であった.保存的治療の限界と判断し手術が予定された.脊髄造影でくも膜嚢腫があり,左S1神経根造影では,くも膜嚢腫が神経根を圧迫していた.くも膜嚢腫を合併した腰椎椎間関節嚢腫と診断され,椎弓部分切除と椎間関節嚢腫摘出術が施行された.術後,左下肢の疼痛は消失した.
    抄録全体を表示
  • 足立 裕史, 山口 昌一, 中島 芳樹, 五十嵐 寛, 佐藤 重仁
    16 巻 (2009) 1 号 p. 23-25
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    帯状疱疹後神経痛に対する治療で服用したアミトリプチリンとパロキセチンで,ともにセロトニン症候群が発現したと考えられた78歳の男性を報告する.帯状疱疹を75歳時に発症し,帯状疱疹後神経痛に移行したので,星状神経節ブロックにアミトリプチリン30 mg/日を併用した.アミトリプチリンの服用開始14日後に精神症状と振戦が発現した.アミトリプチリンの中止3日後に振戦は消失した.アミトリプチリン中止7日後からパロキセチン(20 mg/日)を服用し始め,維持した.今回の受診の3日前に感冒様症状が発現し,両上肢を中心とした上半身の震え,ミオクローヌス,深部腱反射の亢進が発現した.パロキセチンを中止し,6日後に振戦,ミオクローヌスは消失した.脳脊髄液に異常はなく,臨床経過からセロトニン症候群の可能性が高いと判断された.アミトリプチリンとパロキセチンは痛みの治療薬として使用されることが多く,注意が必要と考えられた.
    抄録全体を表示
  • 日本ペインクリニック学会誌編集委員
    16 巻 (2009) 1 号 p. 26
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
  • 松村 陽子, 柴田 政彦, 松田 陽一, 松田 留美子, 阪上 学, 井上 隆弥, 安部 剛志, 上林 卓彦, 真下 節
    16 巻 (2009) 1 号 p. 27-29
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    硬膜外脊髄刺激電極埋め込み術を受けた患者で,刺激閾値が上昇し,刺激電極リード(電極リード)の断線が強く疑われたので,電極リードの入れ替えを計画した.術前の刺激閾値は上昇していたが,至適部位の刺激感が得られており,硬膜外腔の同一位置へ電極リードを再留置する必要があった.硬膜外腔の癒着が予想されたので,X線透視下に留置中の電極リードをガイドとして,セルジンガー法で,入れ替え前と同じ場所に新しい電極リードを再留置できた.新しく挿入した電極による刺激で,入れ替え前と同じ部位に刺激感が得られ,疼痛のコントロールを維持できた.セルジンガー法を用いた硬膜外脊髄刺激電極の再留置は,組織の切開を最小限にすることができ,入れ替えによる刺激電極の変位を少なくすることができる.
    抄録全体を表示
報告
  • 日本ペインクリニック学会治療指針検討委員会 , 荻原 正洋, 奥田 泰久, 安部 洋一郎, 井関 雅子, 大瀬戸 清茂, 岡本 ...
    16 巻 (2009) 1 号 p. 30-37
    公開日: 2011/09/01
    ジャーナル フリー
    ペインクリニック治療指針改訂第二版の改訂にあたり,日本ペインクリニック学会員全員にその利用状況のアンケート調査を行った.回答が得られたのは,全送付数4,002通のうち243通であり,回収率は6.1%であった.回収されたアンケートの年齢別分布,ペインクリニック従事経験年数別分布,専門医の占める比率から,アンケートの結果はペインクリニックの第一線の臨床現場で活躍している医師の意見を反映するものと判断された.主たる診療形態が神経ブロック療法であるものは161通,66.3%であった.神経ブロック法を中心とした第二版は114通,46.9%で使用されていたが,第二版を有用以上とするものは171通,70.4%であった.アンケートの集計結果から,治療指針は学会として必要なものであること,第三版では冊子の体裁を変更して存在感を出すこと,第二版記載以外の神経ブロック法,疾患・疼痛を追加記載すること,神経ブロックの解剖と生理の内容を充実させること,薬物療法を新たに記載すること,第二版で参照頻度の高いあるいは低い20疾患・疼痛について,高いものは神経ブロック法の科学的根拠がより確実な文献の収集とそれらに基づく治療指針にすること,低いものは文献追加記載による内容の充実を図るか削除することが必要であることが示された.
    抄録全体を表示
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top