日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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17 巻 , 2 号
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総説
  • Philip J. Siddall, 重松 研二, 比嘉 和夫
    17 巻 (2010) 2 号 p. 125-133
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    目的:脊髄損傷後の神経障害痛の問題について現時点での理解と近い将来可能になると思われる治療法を紹介する.
    資料:痛みと脊髄損傷に関する原著,総説,書籍の章.
    資料の統合:脊髄損傷後の神経障害痛は,痛みがどのように起こるのかという従来の概念だけでなく,最近の痛みの概念にとっても,直面している問題である.脊髄損傷後の神経障害痛に共通する痛みの型の同定,有病率と痛みの特徴の特定,脊髄損傷後の神経障害痛に関与する神経系統の病態生理学的変化の研究,治療の研究は,確実に進歩している.しかし,大きな問題が残っている.脊髄損傷後の痛みの分類での見解の統一が必要である.末梢神経,脊髄,脳の変化の機序,痛みへの関与は完全に解明されていない.特に,脊髄損傷後の神経障害痛の有効な治療の研究はほとんどなく,痛みの生物学的,心理学的要因に対する治療は統合されていない.
    結論:最近の研究は,選択的作用の薬物,神経刺激療法,痛みを修飾させる認知療法などで,痛みが軽減する可能性を示唆している.新しい治療法と問題の理解が深まっており,脊髄損傷後の神経障害痛の治療が近い将来発展することが期待されている.
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原著
  • 廣瀬 宗孝, 坂井 美賀子, 松木 悠佳, 田畑 麻里, 関 久美子, 重見 研司
    17 巻 (2010) 2 号 p. 134-140
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    目的:神経障害性疼痛の臨床症状から,ガバペンチンの鎮痛効果を予想できるかを検討した.
    方法:神経障害性疼痛の患者におけるガバペンチンの鎮痛効果に関係がある臨床症状を抽出するため,後向きコホート研究でロジスティック解析を行った.つぎに抽出した臨床症状の有無による鎮痛効果の違いを,前向きコホート研究で確認した.
    結果:後向きコホート研究(n=53)では,ガバペンチンで痛みが軽減する補正オッズ比はアロディニアがある場合は11.43(1.87-70.06)で,異常感覚がある場合は0.08(0.01-0.74)で,アロディニアと異常感覚がガバペンチンの鎮痛効果の予測因子として抽出された.前向きコホート研究(n=24)では,アロディニアの有無は,ガバペンチンを含むさまざまな治療の鎮痛効果に明らかな関連はなかったが,異常感覚がない場合は,ある場合に比べて,ガバペンチンで痛みが軽減する因子であった.
    結論:ガバペンチンの鎮痛効果は,異常感覚の有無で予測できる可能性があり,異常感覚がない神経障害性疼痛の患者では,異常感覚がある患者より,ガバペンチンで痛みが軽減する可能性が高い.
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  • 小川 節郎, 鈴木 実, 荒川 明雄, 荒木 信二郎, 吉山 保
    17 巻 (2010) 2 号 p. 141-152
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    帯状疱疹の皮疹消褪後に3カ月以上痛みが持続している帯状疱疹後神経痛患者371例を対象に,プレガバリン150 mg/日,300 mg/日,600 mg/日(1日2回投与)を13週間投与したときの有効性および安全性を無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験にて検討した.いずれのプレガバリン群においても疼痛は投与開始1週後から速やかに軽減し,最終評価時の疼痛スコアは300 mg/日群および600 mg/日群ではプラセボ群に比べ有意に低下した.プレガバリンは痛みに伴う睡眠障害を改善し,アロディニアや痛覚過敏にも有効であることが示された.主な有害事象は浮動性めまい,傾眠,便秘,末梢性浮腫,体重増加などであった.これらの有害事象は用量依存的に発現頻度が高くなる傾向があったが,ほとんどが軽度または中等度であった.以上の結果より,プレガバリンは帯状疱疹後神経痛に対して有用性の高い薬剤であることが示された.
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症例
  • 樋田 久美子, 境 徹也, 北島 美有紀, 澄川 耕二
    17 巻 (2010) 2 号 p. 153-156
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    パニック障害を伴う手掌多汗症に内視鏡下胸部交感神経切除術(endoscopic thoracic sympathectomy:ETS)が有効であった症例を報告する.症例は17歳,男性で,身長164 cm,体重60 kg.小学生の頃より手掌の多汗を自覚,同時期に動悸,発汗,手足の震え,ほてりといったパニック発作も出現していた.パニック障害の診断でフルボキサミンの内服とカウンセリングを受けていたが,パニック発作の出現を繰り返していた.多汗を主訴に当科を受診した.ETS(両側第2肋骨上)を行い,術後手掌の発汗は停止した.また,パニック発作が生じることはなくなり,フルボキサミン内服も中止することができた.術後1年でも,手掌発汗は減少したままでパニック発作も出現しておらず良好な社会生活を送ることができている.
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  • 梶山 誠司, 中川 五男, 古賀 知道, 岡田 泰典, 日高 昌三
    17 巻 (2010) 2 号 p. 157-159
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    腰痛の原因が胸髄腫瘍であった1症例を報告する.62歳の女性で,腰痛と右鼠径部痛で治療を受けていたが,痛みは軽減しなかった.その後,右下肢の感覚障害が出現した.当科の初診時に明らかな間歇跛行はなく,両側のアキレス腱反射は軽度亢進していた.右下肢の運動障害があり,脱力が進行性であった.MRIでTh10の高さの脊髄内にガドリニウムで造影される結節状病変があった.手術で摘出した胸髄腫瘍の病理所見は肉芽腫であった.神経学的異常が進行性の腰痛では,脊髄腫瘍などの器質疾患の有無を判断するために,MRI等の画像診断を積極的に行うべきである.
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  • 境 徹也, 澄川 耕二
    17 巻 (2010) 2 号 p. 160-163
    公開日: 2010/08/22
    ジャーナル フリー
    頸椎椎間関節ブロックおよび頸部脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術が有効であった外傷性頸部症候群の2症例を経験したので報告する.症例1は32歳の女性で,1年前,車を運転中に後方から追突された.その後出現した右後頸部痛と右顔面痛に対し,非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drug:NSAIDs)の内服や理学療法を受けたが,痛みは軽減しなかったので,当科を受診した.透視下に右C3/4,4/5の椎間関節ブロックを3回,右C4の脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術を1回施行し,右後頸部痛は軽減した.しかし,右顔面痛は不変であった.右顔面痛は,右星状神経節ブロック(stellate ganglion block:SGB)を10回施行し,軽減した.症例2は61歳の女性で,6カ月前,バイクを運転中に車に追突された.その後,右後頸部痛と右耳鳴りが出現した.NSAIDsの内服や理学療法を受けたが,右後頸部痛と右耳鳴りは改善しなかったので,当科を受診した.右C3/4,4/5の椎間関節ブロックを3回と右SGBを5回施行し,右後頸部痛と右耳鳴りは改善した.外傷性頸部症候群の後頸部痛には,頸椎椎間関節ブロックは有効な診断的治療法である.椎間関節ブロックの効果が一時的であれば,頸部脊髄神経後枝内側枝への高周波熱凝固術を考慮する必要がある.
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