日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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18 巻 , 2 号
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総説
  • 廣瀬 宗孝, 田畑 麻里, 坂井 美賀子
    18 巻 (2011) 2 号 p. 25-33
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/04/14
    ジャーナル フリー
    慢性非がん性痛における長期オピオイド療法は,効果的な治療法であるが,オピオイドによる嗜癖を来す可能性がある.慢性非がん性痛患者における嗜癖(addiction)は,オピオイドを強迫的に服用したり探し求める行動を意味し,精神依存を含むが身体依存と耐性は含まない.一方,依存(dependence)は身体依存,耐性,精神依存をすべて含む.慢性の痛みでオピオイドの投与量が徐々に多くなっている患者では,オピオイドの服用に問題がなければ,依存を生じている可能性はあるが,嗜癖は生じていないことになる.しかし,この2つの用語は混同して用いられることが多く,本稿では,このような混乱が,長期オピオイド療法による嗜癖の研究に障害となっていることを紹介する.最近,オピオイドによる嗜癖を予防するための長期オピオイド療法が提唱されているが,問題点も指摘されている.長期オピオイド療法に携わる医療関係者が,依存と嗜癖に関して知っておくべき項目について概説する.
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原著
  • 福島 沙夜乃, 竹浪 民江, 柳下 三郎, 奈良 佳洋, 岡本 浩嗣
    18 巻 (2011) 2 号 p. 34-39
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/04/14
    ジャーナル フリー
    高比重の局所麻酔薬をくも膜下に投与すると神経障害が起こると疑われたが,蒸留水とブドウ糖液で溶解した局所麻酔薬の神経毒性は組織学的に検討されていない.われわれは,蒸留水と10%ブドウ糖液で溶解した0%, 0.5%, 1%, 2.5%, 5%のテトラカイン溶液をラットのくも膜下腔に投与し,下肢の機能を観察した後,脊髄組織を光顕と電顕で評価した.下肢の運動機能はテトラカインの濃度が0.5%以上ではブドウ糖群が蒸留水群よりも早く回復し,不可逆性の運動麻痺は蒸留水群の5%テトラカインのみで起こった.組織学的な病変の出現頻度は,5%テトラカインで蒸留水群(100%)とブドウ糖群(67%)で有意差はなかったが,2.5%テトラカインで蒸留水群(71%)はブドウ糖群(0%)より有意に高かった.どの群でも後根入口部に主病変があり,病変は軸索変性により後索へと広がっていた.以上のことから,10%ブドウ糖液は,蒸留水に比べ,テトラカインの神経毒性を悪化させず,むしろ軽減することが示された.
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症例
  • 鈴木 正寛, 堀 夏樹, 春日 高穂, 大瀬戸 清茂
    18 巻 (2011) 2 号 p. 40-43
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/04/14
    ジャーナル フリー
    緩和ケア病棟に入院中の進行がん7症例の体性痛に対してベッドサイドで施行したトリガーポイント注射の有効性と副作用を後ろ向きに検討した.男性2症例と女性5症例で,平均69.1歳であった.痛みの部位は頸部が3症例,腰背部が4症例,肩が2症例,仙骨部が2症例,臀部が1症例で,いずれも局所に圧痛があった.痛みの原因は変形性脊椎症などの加齢性変性疾患が6症例で,がんの神経浸潤と褥瘡によるものが1症例ずつであった.計18回のトリガーポイント注射を施行し,痛みはフェイススケールで,ブロック前が平均3.3でブロック後は平均0.9と著明に軽減した.トリガーポイント注射は筋・筋膜痛に有効で,がんの神経浸潤や褥瘡の痛み,慢性肩関節周囲炎には無効であった.明らかな副作用や生命予後に影響を及ぼす有害事象はなかった.トリガーポイント注射は進行がん患者の筋・筋膜痛に有効で,安全な鎮痛法である.
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  • 大淵 麻衣子, 住谷 昌彦, 平井 絢子, 佐藤 可奈子, 冨岡 俊也, 小川 真, 辛 正廣, 関山 裕詩, 山田 芳嗣
    18 巻 (2011) 2 号 p. 44-47
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/05/18
    ジャーナル フリー
    慢性痛の重大な併発症として睡眠障害が挙げられるが,睡眠障害は患者の自覚的な訴えやアンケート調査によってしか評価されていない.睡眠・覚醒リズムを判定することができる腕時計型高感度加速度センサー(actigraphy®)を用いて慢性痛患者の睡眠障害を脊髄電気刺激療法の前後で客観的に評価した2症例を報告する.症例1は腕神経叢引き抜き損傷後痛み,症例2は閉塞性動脈性硬化症による足趾切断術後の難治性の痛みであった.いずれも薬物療法抵抗性の痛みであり,深刻な睡眠障害を併発していたことを客観的に評価できた.両症例とも脊髄刺激療法の導入によって睡眠効率(就床から起床までの時間に対する実睡眠時間の割合)が改善した.難治性痛みの治療は痛みだけでなく quality of life(QOL)の改善が重要であるが,睡眠障害の客観的評価は新たな評価基準に成りうる可能性がある.
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  • 境 徹也, 澄川 耕二
    18 巻 (2011) 2 号 p. 48-51
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/05/18
    ジャーナル フリー
    腹背部の痛みを訴えていた黄色靱帯骨化症患者に対し肋間神経ブロックを行い,痛みが軽減した症例を報告する.症例は62歳の女性で,11カ月前,両側腹背部痛が出現した.1カ月前,整形外科で胸椎黄色靱帯骨化症を指摘されたが,脊髄症状はなく手術適応にならなかった.ロキソプロフェンの内服で痛みは軽減しなかったので,当科へ紹介受診となった.初診時の腹背部痛の部位は両側Th11から12領域であった.安静時に痛みはなかったが,同領域に持続的な異常感覚があった.体動で痛みは背部から腹部に放散していた.明らかな感覚障害や傍脊椎部の圧痛はなく,下肢筋力,反射,感覚も正常であった.胸椎CTで Th10/11とTh11/12に黄色靱帯の骨化があった.初診から7日後,透視下で右第11,12肋間神経ブロックを施行し,右腹背部痛は軽減し,体動は円滑になった.初診から3カ月後,左腹背部痛が増強したので,右側と同様の方法で左第11,12肋間神経ブロックを施行し,左腹背部痛は軽減した.痛みは9カ月後も軽減しており,脊髄症状も発現していない.
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  • 樋田 久美子, 境 徹也, 北島 美有紀, 澄川 耕二
    18 巻 (2011) 2 号 p. 52-54
    公開日: 2011/06/04
    [早期公開] 公開日: 2011/05/18
    ジャーナル フリー
    電撃傷は,体に電気が通り,筋や神経の障害が生じる病態であり,労働災害が原因となることが少なくない.われわれは就労中に感電し,左腕の痛みと筋力低下を生じたが,疾病利得が影響し,症状が誇張されたと思われる症例を報告する.56歳の男性で,溶接作業中に左指から感電し,受傷翌日,当院に入院した.左上肢の強い痛み,筋力低下,関節可動域制限を訴えていたが,病棟では左上肢を支障なく動かしており,補償の獲得を示唆する発言があった.患者に退院を勧めたが,患者は激しい痛みを訴えて入院継続を強く求め,当院に16日間入院した後,他院に転院し,2カ月間入院を継続した.症状を誇張する背景に疾病利得の影響が考えられた.
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