日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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20 巻 , 1 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
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総説
  • 福井 弥己郎(聖)
    20 巻 (2013) 1 号 p. 1-7
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    近年,高周波熱凝固機器の進歩により,合併症が少なく安全で低侵襲な治療としてパルス高周波法(PRF)が飛躍的な発展をとげ,さまざまな痛みの治療に応用されている.PRFとは,高周波電流を42℃以下で間欠的に通電することにより電場を発生させ,神経に影響を与えることで鎮痛を得る治療手段である.PRFは神経組織の変性を起こす可能性はきわめて低く,筋力低下や知覚障害,運動麻痺が生じにくいため,高周波熱凝固の禁忌とされる神経障害痛の罹患部位や後根神経節に施行できるなどのメリットがある.今回PRFの概要,作用機序,適応と治療の有効性など,現在までに得られているエビデンスについて紹介する.
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原著
  • 藤井 洋泉, 岩木 俊男, 香曽我部 義則, 梶木 秀樹
    20 巻 (2013) 1 号 p. 8-11
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    【目的】プレガバリン(pregabalin:PGB)は神経障害痛の第一選択薬である.その有効性を示した報告は150 mg/日以上の投与量であり,少量投与での有効性は明らかでない.そこでPGBを少量から開始し有効性について検討した.【方法】神経障害痛に対して,PGBを50 mg/日の少量で開始し,投与開始時,2週間後,4週間後,2カ月後,3カ月後,6カ月後の痛みを視覚アナログスケール(visual analogue scale:VAS)にて測定した.PGBは1~2週間ごとに副作用が発現するか,痛みが軽減し患者が増量を望まなくなるまで増量した.【結果】患者は88名,年齢は71±10歳.PGB投与開始時に比して,すべての測定点で投与量は有意に増量され,VASは有意に低下した.2週間後のPGB投与量は75±34 mg/日であった.初回投与量での副作用による中止は3例のみであった.【結論】神経障害痛に対するPGB投与にて,投与開始2週間後の早期から有意にVASが低下した.PGBは,投与開始量を少量にすることで,副作用の発現を減少させて,100 mg/日未満の少量でも有意に神経障害痛を軽減することが示された.
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  • 仲西 信乃, 山本 達郎, 安部 洋一郎, 大瀬戸 清茂, 重信 恵一, 大羽 文博, 新田 一仁, 福井 弥己郎(聖), 寳子丸 稔, ...
    20 巻 (2013) 1 号 p. 12-16
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    【目的】腰椎椎間板ヘルニアに伴う腰下肢痛の患者に対する,Dekompressor®を使用した経皮的髄核摘出術の有効性を評価することを目的とする.【方法】Dekompressor®を用いて経皮的髄核摘出術を施行した43名のうち,術後3カ月の経過を追うことのできた33症例を対象とした.術前,術後1週間,1カ月,3カ月の痛みおよび身体機能を,診療録に記載されたvisual analog scale(VAS,0~100 mm)および日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)をもとに後ろ向きに評価した.【結果】腰痛のVASは,術前48.7±25.3(平均±標準偏差,以下同)から3カ月後29.0±25.5に,また下肢痛のVASは,術前64.8±23.2から3カ月後33.8±28.9に減少した.JOABPEQの集団有効率は,痛み関連障害74.2%,腰痛機能障害54.8%,歩行機能障害60.7%,社会生活障害57.6%,心理的障害30.3%であった.手技による合併症はなかった.【結論】Dekompressor®を用いた経皮的髄核摘出術は,痛みの改善において有効であった.
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講座
  • 田渕 優希子, 安田 哲行, 北村 哲宏, 大月 道夫, 金藤 秀明, 井上 隆弥, 中江 文, 松田 陽一, 植松 弘進, 真下 節, 下 ...
    20 巻 (2013) 1 号 p. 17-23
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    近年,非がん性慢性痛に対するオピオイド処方の選択肢が広がったことにより,オピオイドによる内分泌機能異常発症に留意する必要性がある.内分泌機能異常としては性腺機能低下症が最も多いが,副腎機能低下症や成人GH(成長ホルモン)分泌不全症の報告例も散見される.これらの内分泌機能異常は単に患者のQOLを低下させるのみならず,さまざまな代謝異常,臓器障害を呈し,時に生命の危機にかかわる病態へと進展することもある.現時点で,これらの内分泌機能異常がどのような患者に惹起されやすいかは明らかではなく,また内分泌異常の診断も必ずしも容易ではない.しかし,これらの内分泌機能異常はオピオイドの減量,中止,あるいは非オピオイド系鎮痛薬への変更,ホルモン補充療法により改善可能な病態であることから,オピオイド投与中の患者において決して見逃してはならない副作用の一つと考えられる.オピオイドによる内分泌機能異常について基礎医学的および臨床医学的見地から解説する.
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症例
  • 後閑 大, 上田 要, 近藤 裕子, 頴原 徹, 加藤 実, 小川 節郎
    20 巻 (2013) 1 号 p. 24-27
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,若年者の難治痛4症例の治療を経験した.症例は女児3例,男児1例の計4例で,小児科,小児外科からペインクリニック科に依頼があった症例である.疾患は術後瘢痕痛1例,複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)3例であった.4症例中3症例では,痛み治療の経過中に,ペインクリニック科医師を中心に,小児科医,小児臨床心理士,精神科医,心療内科医,小児外科医などがそれぞれ専門的な視点から介入した.4症例とも,患児の症状とその変化に合わせて神経ブロック,理学療法,鎮痛補助薬による薬物療法,心身医学的アプローチなどを適切に施行することで症状緩和しえた.
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  • 野村 正剛, 田中 益司, 中筋 加恵, 今中 宣依, 徐 舜鶴, 仲村 光世, 中筋 正人
    20 巻 (2013) 1 号 p. 28-31
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    原因不明の筋骨格系の痛みにより当科を受診し,継続治療中の症状増悪時に確定診断を行った,リウマチ性多発筋痛症症例を経験したので,報告する.60代男性で,胸背部に帯状疱疹を発症して以後,頸,肩,上腕痛が出現した.17年間症状が遷延したが,画像所見や血液検査では痛みの原因となる明らかな異常はなく,原因疾患の診断は未確定だった.当科受診後,星状神経節ブロックやトリガーポイント注射と薬物療法で症状は徐々に軽減したが約半年後に痛みが増悪し,その際に上腕部把握痛,CRPおよび赤沈の亢進があった.リウマチ性多発筋痛症を疑い少量ステロイドの内服を開始したところ,短期間ですべての症状が消失した.ペインクリニック外来において遷延する筋骨格系の痛みを治療する際には,多様なリウマチ性疾患も念頭に置き,継続的な観察と十分な身体診察をこころがける必要がある.
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  • 園部 奨太, 蔵 昌宏, 助永 親彦, 橋村 俊哉, 今宿 康彦, 小多田 英貴
    20 巻 (2013) 1 号 p. 32-35
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    【目的】咀嚼筋運動障害(開口制限)と三叉神経痛を合併しており,脳腫瘍が原因であることが判明した症例を経験したので報告する.【症例】症例は74歳の女性で,咀嚼筋運動障害(開口制限)を主訴に近医口腔外科を受診した.その際,開口時の右顎関節雑音を聴取すると同時に,右三叉神経第2枝領域に一致した違和感を訴えていたため,右顎関節症および右三叉神経痛(第2枝領域)と診断された.カルバマゼピンとチザニジン塩酸塩の内服加療が開始されたが,カルバマゼピンは副作用(ふらつき)の出現のため自己中断され,そのまま経過観察されていた.しかし,症状の改善がないため当科紹介となった.【治療経過】カルバマゼピン内服を自己中断した後は症状のコントロールが困難となっており,当科初診時よりプレガバリンの処方を開始した.プレガバリンで三叉神経痛は改善したが,咀嚼筋運動障害は改善しなかったため,頭部MRIを施行した.その結果,右錐体斜体部に腫瘤を認めたため,責任病巣と判断し脳神経外科へ紹介した.【結果】非典型症状を示す三叉神経痛症例では,症候性三叉神経痛を常に念頭に置き,時期を逃すことなくMRIの精査を考慮すべきである.
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  • 小島 研太郎, 田口 仁士, 中尾 みどり, 増澤 宗洋, 新宮 興
    20 巻 (2013) 1 号 p. 36-39
    公開日: 2013/03/22
    ジャーナル フリー
    患者は10歳の男児で,左足関節の捻挫に対して,シーネ固定にて保存的に加療されていた.しかし,左足関節部の痛みが持続し,2週間後には左下肢全体に痛みが拡大,増強して歩行障害が出現した.強い左下肢痛のためにうめき声をあげており,診察は困難であった.左下肢の自発痛,アロディニア,左足関節の拘縮,および足趾皮膚深部温の差(左>右)を認め,左下肢複合性局所疼痛症候群(CRPS)と診断した.神経ブロック療法の施行は困難と考え,クロナゼパム0.5 mg/日の内服治療を開始した.投与1週間後にはアロディニア·自発痛は改善せず,疼痛範囲がさらに左下腹部まで拡大した.クロナゼパムを1.2 mg/日まで増量したところ,2週間後にはアロディニアと自発痛が減弱し,4週間後にはほとんどみられなくなった.痛みの改善とともにリハビリテーションを順調に施行できるようになり,歩行が可能となった.そこで,クロナゼパムを0.2 mgずつ減量して初診から7週間で投薬を終了し,その1週間後に治癒と判断した.小児CRPSの病態および症状に対して,クロナゼパムは高い有用性をもつ可能性があると考えられる.
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  • 佐藤 哲観, 蝦名 正子, 遠瀬 龍二, 島田 恵子, 廣田 和美
    20 巻 (2013) 1 号 p. 40-43
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    Churg-Strauss症候群(CSS)は,末梢血好酸球増多を伴って血管炎を生じ,多臓器の症状を呈する疾患である.CSS小児例の報告は少ないが,今回われわれは,腹痛を主訴とした小児CSSの疼痛治療を経験したので報告する.患者は10歳男児,初診時の身長134 cm,体重22 kg.200X年7月両下肢の痛み,発熱,喘鳴が出現した.白血球および好酸球増加とCRP高値,心拡大を認め,四肢のしびれと痛みに加えて腹痛も出現した.8月に当院小児科へ転入院し,精査の結果CSSと診断され,9月に当科紹介となった.激しい腹痛に対してPCAポンプを用いて複方オキシコドン注射薬を投与し継続的なタイトレーションを行った.経過中,オキシコドン注射液として最大で1日量150 mgを投与し,CSSに対する免疫抑制療法が徐々に奏効し,血液データの改善とともに腹痛も軽減して全身状態も良好となり,オキシコドンを漸減して12月には投与を終了した.オキシコドンのきめ細かいタイトレーションと,PCAを用いた突出痛への対応により,4カ月間に及んだ腹痛を緩和しえた.小児においても積極的なオキシコドンの使用はCSSにおける腹痛に有効であった.
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  • 木村 哲朗, 五十嵐 寛, 谷口 美づき, 佐藤 重仁
    20 巻 (2013) 1 号 p. 44-47
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    硬膜外カテーテル挿入後に深部知覚異常を呈し,診断に難渋した症例を経験した.症例は78歳の男性で,右上肢帯状疱疹後神経痛に対しC6/7より硬膜外カテーテルを挿入した.局所麻酔薬の持続投与を開始したところ,痛みは完全に消失した(皮疹部:右C6領域).1時間の安静後,左足に違和感を訴えたが知覚·運動覚ともに正常であったため経過を観察した.さらに3時間後に起立困難となったため,持続投与を中止し造影CTを撮影した.CTでは異常所見はなかったが,深部知覚異常を認め脊髄後索障害が疑われたため,カテーテルを抜去し頸部MRIを撮影した.MRIで右C7神経根を圧迫する椎間板ヘルニアが確認された.カテーテルの抜去によりただちに左下肢の症状は軽減し,1週間後にはほぼ消失した.深部知覚異常は,ヘルニアにより後側方にシフトした脊髄後索を硬膜外カテーテルが圧迫していたために生じたと考えられた.
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  • 洪 淳憲, 川端 真仁, 大石 正隆, 荒木 ひろみ, 上野 由衣, 河西 稔
    20 巻 (2013) 1 号 p. 48-51
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    ペインクリニシャンによる認知行動療法的な治療により,痛みが軽減し,多量の抗不安薬依存から離脱できた慢性術後痛の症例を報告する.症例は47歳,女性.5年前に胆石症にて胆のう摘出術を受け,以後腹部に痛みを生ずるようになった.痛みは持続的であり,時に発作的に増悪するため,他院ペインクリニック受診に加え,しばしば他院救急外来をも受診していた.当科受診時には抗不安薬であるエチゾラム(0.5 mg)を1日最高12錠服用していた.当初は持続硬膜外ブロック,局所直線偏光近赤外線照射を行ったが,痛みはほとんど軽減しなかった.慢性痛に伴うエチゾラム依存症と判断し,初診6カ月後に認知行動療法的な治療を導入した.その結果,エチゾラムの服用が徐々に少なくなり,表情も明るさを取り戻すようになり,導入6カ月後には痛みが軽減し,エチゾラムの多量服用から離脱できた.
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  • 安部 伸太郎, 廣田 一紀, 平田 和彦, 竹本 光一郎, 井上 亨, 比嘉 和夫
    20 巻 (2013) 1 号 p. 52-55
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    硬膜外自家血注入を3カ所に行うことで,外傷性低髄液圧症候群が治癒した症例を報告する.患者は44歳の男性で,入院の3週間前に後頸部から背部にかけて強くマッサージをされ,その翌日から起立性頭痛が生じた.頭部と頸部MRI,MRミエログラフィー,RI脳槽·脊髄液腔シンチグラフィー,髄液圧測定により,硬膜下血腫を伴う外傷性低髄液圧症候群と診断したが,髄液の明確な漏出個所は特定できなかった.入院での安静臥床と輸液による保存的治療を開始したが,入院7日目に頭痛は増悪し,硬膜下血腫は増大した.入院11日目に瞳孔不同をきたしたため穿頭血腫除去術を行い,同日に第7頸椎/第1胸椎間の硬膜外腔に自家血13 mlを注入した.しかし,頭痛は消失しなかった.入院15日目の腰部MRI,17日目の胸部MRIで,胸椎下部から腰椎上部にかけての硬膜外腔に髄液が漏出していたが,明確な漏出個所は不明であった.入院19日目に第3/4腰椎間の硬膜外腔に自家血16 mlを注入したが,頭痛は消失しなかった.入院22日目に第9/10胸椎間の硬膜外腔に自家血12 mlを注入し,2時間後に頭痛は消失した.頭痛が消失して1カ月後には,硬膜下血腫と瞳孔不同は消失した.
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  • 景山 めぐみ, 濱口 眞輔, 松澤 理恵, 東 奈央子, 池田 知史, 山口 重樹
    20 巻 (2013) 1 号 p. 56-59
    公開日: 2013/03/22
    [早期公開] 公開日: 2013/02/26
    ジャーナル フリー
    プレガバリンを含む多くの鎮痛補助薬やオピオイドによる薬物療法が無効であったが,抗痙攣薬であるガバペンチンと抗うつ薬であるデュロキセチンの併用によって慢性痛の軽減がみられた,硬膜内髄外腫瘍症例の治療を経験した.症例は左仙腸関節周囲の痛みと両側の臀部痛,大腿背面の鈍痛を訴える42歳の男性で,L3椎体レベルの脊髄背側に硬膜内髄外腫瘍がみられたが,腫瘍病変の部位や画像診断と患者の訴える神経所見が一致しないために,手術よりも痛みの治療が優先されてきた.当院での加療以前に複数の病院で各種鎮痛補助薬やオピオイド,神経ブロックによる痛みの治療がなされたが,痛みの軽減はみられなかった.多くの薬物の内服歴があったために過去の投薬歴を十分に確認し,ガバペンチンとデュロキセチンを投与した結果,痛みは軽減して患者のADLは向上した.難治性痛の治療で多くの鎮痛補助薬やオピオイドによる薬物療法が無効であった場合には,過去の投薬歴を再確認して鎮痛補助薬の併用を行うことが神経障害性痛の緩和に有用であると考えられた.
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