日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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20 巻 , 2 号
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原著
  • 小林 真司, 小林 なぎさ
    20 巻 (2013) 2 号 p. 79-82
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    骨粗鬆症の治療薬であるカルシトニン製剤は骨密度の増加効果のほかに鎮痛効果もあるとされている.今回,高齢者に多い大腿骨近位部骨折症例に対して女性を対象に本剤の鎮痛および術後経過に対する効果について検討した.対象は大腿骨近位部骨折に対して手術が施行された女性31例,83.7±8.1歳である.カルシトニン製剤を術後6日目から週1回20単位を筋注投与する投与群20例と投与をしない非投与群11例について術後3日,1週,その後1週ごとに術後5週までの安静時痛と運動時痛および歩行器自立までの術後日数を調べた.痛みの評価にはface visual analogue scale(f-VAS)を用い,受傷時の痛みを100 mmとした.f-VASは運動時痛において2群間で有意差は認めなかったが,安静時痛においては投与群において術後1週,2週で低下していた(p<0.05).術後の歩行器自立までの日数は投与群で17.8±8.4日,非投与群で26.4±15.9日で投与群にて短縮していた(p<0.05).カルシトニン製剤の投与により,大腿骨近位部骨折の治療において安静時痛の軽減と歩行器自立までの期間短縮が得られ,有効であった.
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  • 白石 美治, 西池 聡, 小川 真生, 土田 英昭
    20 巻 (2013) 2 号 p. 83-86
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    【目的】プレガバリンの有効性と副作用が,他の抗てんかん薬からの変更患者(変更群)と抗てんかん薬を服用したことのない患者(未経験群)との間で差があるかを検討する.【方法】当院痛み外来へ通院中にプレガバリンを開始された神経障害痛患者を変更群と未経験群とに分け,後方視的に比較する.【結果】変更群は36名,未経験群は33名であった.プレガバリン内服量は未経験群で少なかった(変更群236±176 mg,未経験群139±90 mg;p=0.001)が,痛み症状の改善度は未経験群のほうが良好であった(やや改善以上の割合が変更群61%,未経験群79%;p=0.027).血液検査を施行していた62名中,肝胆道系酵素が上昇した患者は22名(35%),腎機能の低下した患者は3名(5%)であった.眠気・倦怠感・脱力を20名(29%)に認めた.副作用の発現頻度に両群間で差はなかった.【結論】プレガバリンは抗てんかん薬未経験者で有効性が高いが,他の抗てんかん薬からの変更でも61%で痛み症状が軽減した.しかし,副作用発現率は両群とも高く,特に肝胆道系と腎機能検査は定期的に行う必要がある.
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  • 平野 敦子, 井関 雅子, 森田 善仁, 井福 正貴, 小松 修治, 稲田 英一
    20 巻 (2013) 2 号 p. 87-92
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    【目的】当科外来では初診の問診票で,痛みのVAS値と,痛みによる睡眠障害(以下,睡眠VAS)を調査している.疾患別と有痛期間別に両者のVAS値の相関点を明らかにすることを目的とした.【方法】3カ月間の初診時問診票から得られた情報より,疾患の割合,痛みVAS,睡眠VASを検討した.【結果】痛みVASと睡眠VASの平均値は,70.1 mmと47.6 mmであった.腰椎疾患と頸椎疾患の痛みVASと睡眠VASとは相関関係があり,頸椎疾患で痛みと睡眠VASの相関性がより高かった.帯状疱疹痛も痛みVASと睡眠VASが相関関係を示した.【結論】腰椎疾患,頸椎疾患,帯状疱疹痛において,痛みにより睡眠が障害されていることが分かった.腰椎疾患と比較して頸椎疾患で痛みVASと睡眠VASの相関性が高い理由から,頸椎疾患では夜間痛の軽減,腰椎疾患では体動時痛の軽減が必要とされるなど,同じ脊椎疾患でも必要な痛み対策が異なることが示唆された.帯状疱疹痛では症例数が少なく,有痛期間別の比較には至らなかった.今後さらに,疾患別,有痛期間別に痛みVASと睡眠VASを検討することで,適切な除痛法の提供につながると考える.
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  • 倉田 行伸, 田中 裕, 照光 真, 弦巻 立, 金丸 博子, 吉川 博之, 小玉 由記, 山崎 麻衣子, 瀬尾 憲司
    20 巻 (2013) 2 号 p. 93-97
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    【目的】今まで外科的顎矯正手術を受けた患者で術後に下歯槽神経の損傷によって生じたと考えられるオトガイ部の触覚閾値が上昇した患者の治癒について検討してきた.そこで本研究では抜歯などの一般的な歯科処置を含む外傷性三叉神経障害を対象として,術後経過の記録から同領域における感覚が自然治癒しにくいと予測できる触覚閾値を後ろ向きに検討した.【方法】顎顔面領域の手術や外傷でオトガイ部に感覚障害を生じた,受傷から初回の触覚閾値測定までの日数が7日から14日であり,受傷から2回目の触覚閾値測定までの日数が21日から56日であった69名を対象とし,初回に対して2回目の触覚閾値が悪化または治癒傾向となった感度,特異度,陽性予測度,陰性予測度を算出し,感覚の自然回復が困難であると予測できる診断効率を比較した.【結果】受傷から1~2週間の触覚閾値が3.0 gのときに感覚の自然回復が困難であると予測できる診断効率が最も高かった.【結論】顎顔面領域の感覚障害では,受傷から1~2週間の触覚閾値が3.0 g以上であると,その後3週間の感覚は自然回復しにくくなることが示唆された.
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症例
  • 池田 衣里, 大谷 良江, 大畑 めぐみ, 舛田 昭夫, 槇田 浩史
    20 巻 (2013) 2 号 p. 98-101
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    抗凝固療法中の帯状疱疹後神経痛(post herpetic neuralgia:PHN)に対する高周波熱凝固によって良好な除痛を得られた症例を報告する.症例は75歳女性で,既往に間質性肺炎,肺気腫と肺塞栓症があり,肺塞栓症に対してヘパリンとワルファリンによる抗凝固療法中(prothorombin time-international normalized ratio:PT-INR;1.2前後,activated partial thromboplastin time:APTT;45~50秒)であった.肺塞栓症を発症する前のPHNに対する硬膜外および神経根ブロックが有効であったため,高周波熱凝固神経根ブロックを予定した.ワルファリンは術3日前,ヘパリンは術6時間前に投与中止とし,APTTおよびPT-INRの値,血小板数が正常範囲内であることを確認後,第11,12胸椎(Thoracic:Th11,12)神経根へ高周波熱凝固を行い,良好な除痛を得ることができた.ヘパリンはブロック後3時間に開始したが,合併症なく良好な経過をたどり,抗凝固療法中でも神経ブロックは選択肢の一つとなりうる.
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  • 植松 弘進, 安田 哲行, 田渕 優希子, 真下 節, 下村 伊一郎, 柴田 政彦
    20 巻 (2013) 2 号 p. 102-106
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    オピオイド長期投与中,内分泌機能低下症をきたした症例を経験した.症例は51歳男性で交通外傷による末梢神経障害を伴う左下肢複合性局所疼痛症候群の診断にて,受傷1年後より加療中であった.当初行われた投薬・神経ブロック等により痛みはコントロールでき,職場復帰していた.残存する痛みに対し受傷3年後より塩酸モルヒネによる内服加療を開始し痛みは軽減されたが,同時期より性欲低下の自覚症状が出現した.受傷7年後にはフェンタニル貼付剤へと変更し痛みのコントロールはさらに良好となったが,変更後数カ月で急激な体重減少(合計-24㎏)をきたし,変更後半年で強い全身倦怠感と食欲不振も出現し就労不可能となった.内分泌機能異常を疑い行ったホルモン負荷試験等の結果より,オピオイドによる続発性副腎機能低下症および中枢性性腺機能低下症と診断された.痛みのためにオピオイドを完全に中止できなかったため,トラマドール内服へと変更しホルモン補充療法を行った.ホルモン補充療法開始後は全身倦怠感等の自覚症状は改善した.このエピソードをきっかけに抑うつ状態となり職場復帰は果たせていないものの約9カ月で体重も回復した.
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  • 嘉山 邦仁, 中谷 俊彦, 橋本 龍也, 齊藤 洋司
    20 巻 (2013) 2 号 p. 107-110
    公開日: 2013/07/06
    [早期公開] 公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は70歳代の男性で,左背部の痛みを発症し,第3病日に左前胸腹部~左背部に皮疹が出現した.第6病日に当院皮膚科を受診し,帯状疱疹と診断されて入院となった.抗ウイルス薬の治療により皮疹は改善してきたが,痛みが持続するため第12病日に当科へ紹介されて転科となった.診察時,左第7,8,9胸神経領域に痛みを伴う皮疹があり,アロディニアと触覚低下も伴っていた.併存疾患の心房細動の治療として抗凝固療法が行われていたため,神経ブロックは行わず薬物療法を開始したが,転科当日に発熱して傾眠傾向となり,発語困難で意識レベルが低下した.神経学的所見として項部硬直,ケルニッヒ徴候を認めた.頭部画像検査では明らかな出血や梗塞はなく,四肢麻痺等の臨床症状も出ておらず,脳卒中ではないと考えて,脳脊髄液検査を施行した.臨床経過から帯状疱疹に伴う脳髄膜炎と判断し,抗ウイルス薬とステロイド治療を開始した.その後,脳脊髄液検査の結果により,帯状疱疹に伴う脳髄膜炎と診断した.薬物療法を継続して患者は後遺症なく退院した.脳神経領域以外の帯状疱疹であっても,脳神経症状が併発した場合には帯状疱疹による脳髄膜炎も考慮する必要がある.
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