日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
検索
OR
閲覧
検索
21 巻 , 1 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
コラム
総説
  • 光畑 裕正
    21 巻 (2014) 1 号 p. 2-9
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    局所麻酔薬のアナフィラキシーの頻度は非常に少ないものの,発症すれば死に至ることもある.局所麻酔薬のアナフィラキシーについて,その機序と臨床症状を概観し,アナフィラキシーの治療を述べた.アレルギー反応では,遅延型アレルギー性皮膚炎が約80%と頻度は高く,アナフィラキシーは約1%程度とされている.局所麻酔薬使用時のアナフィラキシーは局所麻酔薬やバイアル瓶に含まれている保存薬,ラテックスが抗原となる.アナフィラキシーは迅速に診断し,治療をできるだけ早期に始めることが,治療を成功させる鍵であり,現在広く使用されている診断基準を示した.また,アナフィラキシー治療の第一選択薬は酸素,補液,アドレナリンである.局所麻酔薬使用時にアナフィラキシーが発症したときには,原因薬物の同定は臨床上必須のことである.局所麻酔薬を頻用するペインクリニック医師は,頻度が少ないといえどもアナフィラキシーの治療には習熟しておく必要がある.
    抄録全体を表示
原著
  • 堀江 太朗, 金井 昭文, 鈴木 麻葉, 岡本 浩嗣
    21 巻 (2014) 1 号 p. 10-15
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    【目的】帯状疱疹における神経障害を簡便に評価するスケールはない.今回,亜急性期(皮疹消退から発症2カ月まで)において,感覚神経障害で変化する触覚,交感神経障害で変化する皮膚温を量的に評価し,帯状疱疹後神経痛を予測できるかを検討した.【方法】亜急性期の帯状疱疹関連痛患者83人に対し,罹患皮膚の最も痛い部位と対側健常皮膚における触覚,電流知覚閾値,皮膚温を計測し,発症1年後までの痛みの強さ(numerical rating scale:NRS)と生活の質(pain self-efficacy questionnaire:PSEQ)を評価した.【結果】健側と患側で有意な皮膚温差はなかったが,皮膚温差と発症2カ月以降の最小NRS,平均NRS,最大NRS,PSEQとの間に有意な相関があった.すなわち,患側皮膚温が健側より低いほど,NRSは高く,PSEQは低かった.一方,患側は健側よりも触覚が有意に低く,電流知覚閾値が有意に高かったが,いずれの程度もNRSまたはPSEQとの間に有意な相関はなかった.【結論】亜急性期の患側皮膚温が健側よりも低いほど,帯状疱疹後神経痛の予後が悪い危険性があることが示唆された.
    抄録全体を表示
講座
  • 浅井 隆
    21 巻 (2014) 1 号 p. 16-22
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2014/02/05
    ジャーナル フリー
    痛みに関する臨床研究を報告する場合,他の臨床研究と違い,特殊な統計法を用いないといけない,と考えている人がいるようである.しかしながら,統計法自体に違いがあるのではない.痛みに関する臨床研究に関しては,痛みの程度の評価法および集計法,そして適切な統計法を,研究を開始する前に決めておくことが重要となる.痛みの程度の評価には視覚的アナログ尺度(visual analogue scale:VAS)が多く用いられるが,その評価法,データの種類は1種類でなく,適切な統計解析法も違うため,それらの違いを理解したうえで,研究をする必要がある.適切な統計法の選択ができるようになる“早道”は,まずはデータを集計する方法を理解したうえで,統計解析法の種類を選択することである.
    抄録全体を表示
症例
  • 西村 絵実, 田中 信彦, 橋口 浩志, 渡部 由美, 山賀 昌治, 恒吉 勇男
    21 巻 (2014) 1 号 p. 23-26
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2014/02/05
    ジャーナル フリー
    両側の膝下部から足背部までの感覚障害と足底部のアロディニアがあった患者に対して,集学的治療を行った.症例は14歳,女児.足底部に針で刺されるような痛みが出現し,歩行困難となった.小児の複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)の特徴を有していたが,診断基準を満たさなかった.当科で両足底部に8%リドカインを用いたイオントフォレーシスを施行しながら,患者・家族との信頼関係の構築に努めた.精査で異常を認めず診断に難渋した.その後,小児精神科で身体表現性障害と診断され,ミルナシプランの内服を開始した.同時期よりリハビリテーション部で歩行訓練を開始すると,独歩が可能となり初診から1年後に完治した.慢性痛の小児に集学的治療を行い,痛みが消失し,社会生活が可能になった.
    抄録全体を表示
  • 大路 牧人, 境 徹也, 田中 絵理子, 澄川 耕二
    21 巻 (2014) 1 号 p. 27-30
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    メトロニダゾール(MNZ)は,嫌気性菌や原虫による感染症に有効な抗菌薬である.薬剤性神経障害の原因薬剤は多岐にわたるが,MNZでも起こりうる.今回われわれは,MNZにより生じた薬剤性末梢神経障害に対し薬物療法を行ったので報告する.症例は77歳の男性である.5カ月前に腰痛が出現し,非結核性抗酸菌性脊椎炎と診断された.MNZ 1,500 mg/日が開始されたが,投与より1カ月で四肢の痛みとしびれ,複視,意識障害,構音障害が出現し,薬剤性神経障害が疑われた.MNZを中止後,中枢神経症状は数日で軽快したが,末梢神経症状は残存した.プレガバリン75 mg/日とトラマドール/アセトアミノフェン配合錠2錠/日を投与されたが軽快せず,当科紹介となった.デュロキセチン20 mg/日を投与したが,無効であったため中止した.その後,プレガバリンを150 mg/日に増量し四肢の痛みは軽減したが,しびれは残存した.プレガバリンはMNZによる末梢神経障害の痛みに対して,投与を考慮してもよい薬剤であると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 若泉 謙太, 樋田 久美子, 米川 裕子, 豊川 秀樹, 上島 賢哉, 安部 洋一郎
    21 巻 (2014) 1 号 p. 31-34
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    三叉神経節に対する三叉神経痛の治療後に有痛性感覚脱失(anesthesia dolorosa)を発症した3症例を経験したので報告する.症例1は71歳,女性.2年前に他院で三叉神経節バルーン圧迫術を行われた.右三叉神経領域の感覚は消失していたが,右顔面全域でしびれを伴う痛みがあり,視覚的評価尺度(visual analog scale:VAS)で82 mmの持続痛であった.アミトリプチリンで痛みは軽減した.症例2は72歳,女性.1年前に他院で微小血管減圧術を行われた.左三叉神経領域の感覚は消失していたが,手術直後から眼窩の異常感覚があり,VASで50 mmの持続痛であった.アミトリプチリンで痛みは軽減した.症例3は62歳,女性.1年前に他院でアルコールによる三叉神経節ブロックを行われた.左三叉神経領域の感覚は消失していたが,VASで50 mmの持続痛があった.アミトリプチリンは副作用のため効果を判定できなかったがプレガバリンで痛みは軽減した.顔面の有痛性感覚脱失は,三叉神経節に対する三叉神経痛の治療後に低確率で発症する.一般に難治性の痛みであるが,3症例とも痛みを軽減することができた.
    抄録全体を表示
  • 八反丸 善康, 渡邉 恵介, 藤原 亜紀, 篠原 こずえ, 若山 寛, 橋爪 圭司
    21 巻 (2014) 1 号 p. 35-39
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    患者は47歳の男性.起立性頭痛,嘔気,耳閉感が出現し,硬膜下血腫穿頭除去術を2回受けた後に当院を受診した.CT脊髄造影で広範囲に造影剤漏出を認めたため,特発性脳脊髄液漏出症と診断しC7/Th1,Th11/12間の2カ所から椎弓間的硬膜外自家血パッチを施行した.いったん退院となったが,自覚症状の再燃,造影脳MRI所見の残存を認めたため,再度CT脊髄造影を施行したところ,造影剤の漏出を認めた.硬膜外腔背側の癒着を考慮し,左右両側からの経椎間孔的硬膜外自家血パッチ(transforaminal epidural blood patch:T-EBP)を予定した.右T-EBP施行後は脊椎CTで神経根周囲,腹側硬膜外腔への自家血の広がりを認めた.左T-EBPは肋間神経造影となったため中止し,C7/Th1から椎弓間的自家血パッチを施行した.その後,症状,造影脳MRI所見の改善を認め寛解と判断した.今回の経験よりT-EBPは有効な治療法となる可能性がある.
    抄録全体を表示
  • 杉目 史行, 山内 正憲, 新谷 知久, 岩崎 創史, 山蔭 道明
    21 巻 (2014) 1 号 p. 40-44
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2014/02/05
    ジャーナル フリー
    ミネソタ多面人格目録(MMPI)の施行が,慢性痛患者への介入方針を決める際に役立った2症例を報告する.症例1は70歳代,男性.腰部脊柱管狭窄症による腰痛と,6年前に受けた肺がん手術後の肋間神経痛の改善目的で紹介となった.臨床心理士の査定は“情緒的に不幸感や神経過敏で悩みやすい面と,ストレスに対して症状を悪化させやすい面が存在する”という評価であった.治療方針は情動面へのアプローチに重点をおいて,1カ月に1回の診察で症状の確認と傾聴,および母性的な対話,内服薬処方を行った.5カ月後,患者は痛みを受容し,リハビリに通い,車の運転が可能となった.症例2は60歳代,男性.4年前に右膝蓋骨骨折に対し骨接合術を受けたが,術後下肢痛が持続し当科紹介となった.MMPIの結果は“真面目で社会に同調し,他者と協調できる適応的なタイプ”という評価であった.治療方針は身体的な治療を優先し,脊髄刺激療法を行った.ADLの改善を認め仕事に復帰し,外来フォローとなった.MMPIが介入方針の補助となった対照的な慢性痛の2症例を経験した.MMPIは慢性痛患者に介入する適切な行動様式を判断する客観的な指標となりうる.
    抄録全体を表示
  • 上村 裕平, 平川 奈緒美, 笹栗 智子, 江口 有一郎
    21 巻 (2014) 1 号 p. 45-49
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2013/12/20
    ジャーナル フリー
    薬剤性骨軟化症による全身痛の症例を経験した.原因薬剤はB型肝炎治療薬adefovir dipivoxilと考えられた.肝炎患者に対する同剤の投与で骨軟化症を引き起こした報告はきわめてまれであり,診断に難渋した.42歳,男性.5年前よりB型肝炎にて加療中であった.当科初診9カ月前から両膝痛,両足関節痛,腰背部痛が出現した.膠原病や神経筋疾患などを疑われ,複数科で数カ月にわたり精査をされたが原因不明であり,当科へ紹介となった.薬物療法や硬膜外ブロックなどでは痛みの軽減なく,入院加療を行った.その際の頸椎MRI検査で頸椎棘突起骨折を認めた.血液検査ではアルカリホスファターゼの上昇と血清リンの低下,腎機能障害を認めた.骨塩量も低下しており骨代謝異常を疑った.リンとビタミンDの補充療法を行ったが,症状は不変であった.精査の結果,Fanconi症候群による低リン血症とそれに伴う骨軟化症が疑われた.Fanconi症候群の原因として,adefovir dipivoxilが疑われたため,休薬したところ著明な痛みの改善と骨塩量の上昇を認めた.
    抄録全体を表示
  • 権 哲, 細川 豊史, 深澤 圭太, 吉本 祐子
    21 巻 (2014) 1 号 p. 50-53
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2014/02/05
    ジャーナル フリー
    201X年に当科受診の食道がん術後の66歳男性.8年前のA病院にての術直後は,痛みなく日常生活が可能であったが,2年後に食道再建部の狭窄が生じたため拡張術を受け,その頃より創部と吻合部の痛みを訴えるようになった.がん性痛との主治医の診断のもと,モルヒネ速放剤の投与が開始となり,その後B病院緩和ケア科に紹介され,約5年間オピオイドによる痛みのコントロールが行われた.当院初診時には,数種類のオピオイド処方と頓用のモルヒネの頻回使用により,モルヒネ換算で500 mg/日以上を使用している状態でありモルヒネ依存を呈していたが,入院のうえ漸減を試み,離脱に成功し社会復帰できた1症例を経験した.WHO方式がん疼痛治療法に準じた,痛みがとれるまでのオピオイドの増量,レスキュー使用を含めた管理は,“がんそのものによる痛み”に通常適応があり,術後の慢性創部痛である本症例では,オピオイド依存の可能性が生じるため適応とならない.本症例は,非がん性慢性痛に対するオピオイド鎮痛薬処方に準じた治療と管理が必須となる.
    抄録全体を表示
  • 秋山 拓也, 立石 貴久, 河村 信利, 松下 拓也, 吉良 潤一
    21 巻 (2014) 1 号 p. 54-58
    公開日: 2014/03/12
    [早期公開] 公開日: 2014/02/05
    ジャーナル フリー
    症例は49歳,女性.X-24年に多発性硬化症と診断され,X-11年右顔面痛を発症した.以降,投薬,三叉神経枝ブロックやガンマナイフを施行されてきた.X年6月右顔面痛のコントロールが不良で,内服中のカルバマゼピンによる肝障害が悪化し中毒域に達したため,痛みのコントロールとカルバマゼピン減量目的に入院となった.頭部MRIおよび眼輪筋反射検査など客観的検査で症候性三叉神経痛が確認され,カルバマゼピンを減量し薬剤を調整した.第9病日コデイン投与後から痛みは著明に改善し退院となった.症候性三叉神経痛で抗痙攣薬,抗うつ薬などの効果が不十分なとき,オピオイドも考慮する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
短報
その他
学会・研究会
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top