日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
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28 巻 , 2 号
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原著
  • 藤原 亜紀, 位田 みつる, 渡邉 恵介, 木本 勝大, 吉村 季恵, 上田 雅也, 川添 豪哉, 大鐘 ひなつ, 川口 昌彦
    原稿種別: 原著
    2021 年 28 巻 2 号 p. 11-16
    発行日: 2021/02/25
    公開日: 2021/02/25
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    【はじめに】毛髪コルチゾール値は慢性ストレスの客観的指標となる可能性が示唆されている.【目的】慢性疼痛患者と健常者の毛髪コルチゾール値を比較し,慢性疼痛患者の毛髪コルチゾール値が高値となるかを調べる.【方法】患者群と健常群の毛髪コルチゾール値,主観的ストレス度,健康関連QOL,不安,抑うつを比較した.また,毛髪コルチゾール値と各因子の相関関係を調べた.【結果】毛髪コルチゾール値の中央値[四分位範囲]は,患者群10.6[7.1]pg/mg,健常群11.9[6.5]pg/mgであり,群間に有意差を認めなかった(p=0.42).主観的ストレス度も群間に有意差を認めなかった.毛髪コルチゾール値と主観的ストレス度に相関関係は認めなかった.【結語】慢性疼痛患者の毛髪コルチゾール値は健常者と有意差を認めなかった.慢性疼痛患者では毛髪コルチゾール値は,ストレス状態の客観的指標とならない可能性がある.

症例
  • 堀川 英世, 服部 瑞樹, 伊東 久勝, 竹村 佳記, 山崎 光章
    原稿種別: 症例
    2021 年 28 巻 2 号 p. 17-21
    発行日: 2021/02/25
    公開日: 2021/02/25
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    72歳,女性.13年前開腹回盲部切除術が施行され,7年前から右下腹部創部痛が出現した.創上端部に一致した圧痛を認め,Carnett徴候陽性であったため前皮神経絞扼症候群(anterior cutaneous nerve entrapment syndrome:ACNES)と診断した.圧痛部位に腹直筋鞘ブロックを施行し,痛みは消失した.その後創下端部痛が出現し,同様の症状を訴えたため再度ブロックを施行したが,効果は一時的であった.20カ月間同部位にブロックを繰り返した.痛みはブロックにより緩和するが,短期間で再燃した.治療を続けた結果,痛みの改善は不十分であるが,患者のQOLは改善した.

  • 榊原 賢司, 橋本 龍也, 中谷 俊彦, 山本 花子, 蓼沼 佐岐, 齊藤 洋司
    原稿種別: 症例
    2021 年 28 巻 2 号 p. 22-26
    発行日: 2021/02/25
    公開日: 2021/02/25
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    高用量のオピオイドを要する難治性の旧肛門部痛に対し有害事象を認めることなくサドルブロックを行えた1例を経験したので報告する.症例は40歳代男性.直腸がんに対し直腸切除術,人工肛門造設術後,旧肛門部痛に対し1日貼付型フェンタニル製剤40 mgで加療されていたが,numerical rating scale(NRS)8~10/10であり,痛みのコントロール目的で当院転院となった.サドルブロックを施行する予定としたが,高用量のオピオイドを用いており,サドルブロックにより急激な痛みの遮断がされることでオピオイドの相対的過量となることが懸念された.このため,オキシコドン注射液へスイッチング後,これを減量しながら20%テトラカインでサドルブロックを行った.施行直後よりNRS 0となったが,呼吸抑制などは認めなかった.その後,旧肛門部痛はNRS 5と再増悪したため神経破壊薬である15%フェノールグリセリンでもサドルブロックを行ったが,この際も有害事象は認めなかった.全経過を通し,オピオイドの相対的過量や退薬症状などの有害事象は認めず,安全に管理することができた.

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