日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
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8 巻 , 2 号
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  • 池田 祥子
    8 巻 (2001) 2 号 p. 53-58
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    慢性疼痛をもつ患者の身体所見と併せて, 心理的な側面を正しく評価し, 理解することは, 効果的な治療方針を検討するうえで大切である. ペインクリニック科における患者の心理アセスメントの実際を紹介する. 身体的な痛みを訴えて来院した患者に対して, 心理的なアプローチをする際は, 患者の心身相関についての洞察レベルを十分に考慮する必要がある. 臨床心理士による面接では, 来院経緯, 患者の症状, 患者が痛みをどのように体験しているか, 患者が認識している痛みの原因を聴取したうえで, 治療モデルを呈示する. 患者自身が心身両面からの治療の必要性を十分に理解し, 主体的に治療に参加してもらうことが大切である. また, 質問紙法, 投影法の心理検査をいくつか組み合わせて実施している. その際は, 患者に検査の意義と必要性を十分説明したうえで, 適切なテストバッテリーを組むことが大切である. 検査者は心理検査の構成概念を理解し, 解釈に習熟したうえで結果を患者にフィードバックする. 心理アセスメントの結果により, 神経ブロック療法適応, 薬物療法の適応, 他科コンサルテーションの必要性などを検討し, 身体的所見と併せて治療方針を決定する.
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  • 高宮 清之
    8 巻 (2001) 2 号 p. 59-63
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    片側顔面痙攣 (hemifacial spasm) は顔面神経支配筋の発作的, 反復的な収縮であり, 顔面神経根部が脳底血管に接触・圧迫され, 顔面神経が異所性に興奮して生じると考えられている. ボツリヌスA型毒素治療は本症に対してきわめて有効かつ安全性も高く, 本邦では2000年1月に保険承認された. 投与対象筋は眼輪筋, 皺眉筋, 大頬骨筋, 小頬骨筋, 笑筋, 口輪筋, オトガイ筋, 広頸筋などであり, 1投与部位当たりおおよそ2.5~5単位の毒素を筋注するが, 眼輪筋には26Gツベルクリン針を用いて皮内注の要領で分割投与を行うと副作用が少ない. ボツリヌスA型毒素は神経筋接合部の末梢神経終末に取り込まれ, アセチルコリン放出を阻害し, 筋の麻痺を起こすが, おもな作用は傷害された神経末端の求心性の脱神経であり, 近傍の神経分枝による麻痺筋の再支配が起こるまでの3~5カ月間効果が持続する. 効果減弱後, 反復投与を行う. 本治療の有効率は90%以上である. 副作用はほとんどが一過性のものであるが, 閉瞼不全による乾燥性角結膜炎には注意が必要である. ボツリヌス毒素治療は他のジストニアや種々の病態に対しても有用であり, 今後の臨床的検討が望まれる.
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  • 高橋 俊明, 澄川 尚, 荻原 幸彦, 本間 豊彦, 一色 淳
    8 巻 (2001) 2 号 p. 64-73
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 本研究はフォルマリン誘発疼痛反応に及ぼす高分子量のGABA受容体サブタイプ関連薬の影響を比較し, 疼痛反応における脳および腰髄内GABA受容体サブタイプの役割を明確にすることを目的とした. 方法: 腰髄クモ膜下腔または側脳室内へGABA受容体関連薬物を投与し, フォルマリン誘発疼痛反応に及ぼす影響を, ラットの flinching 反応を主とした行動薬理学的検索から解析した. 筋弛緩の判定は斜板法を用いた. 結果: GABAa受容体作動薬 (15nmol) の腰髄クモ膜下腔投与は筋弛緩が発現し, しかも, フォルマリン誘発疼痛反応を消失させた. しかし, 同mol数の側脳室内投与では筋弛緩ならびに疼痛反応のいずれも有意な変化は認められなかった. 一方, GABAb受容体作動薬 (15nmol) の腰髄クモ膜下腔投与は明確な筋弛緩は認められなかったが, フォルマリン誘発疼痛反応を抑制し, 側脳室内投与では痙攣の発現とともに増強が観察された. さらに, GABAb受容体作動薬の脳室内投与で生じる疼痛増強は競合的拮抗薬で有意に抑制されたが, 痙攣は抑制されなかった. 結論: 脳および腰髄内GABA受容体サブタイプのフォルマリン誘発疼痛反応における役割の相違が明らかとなった. さらに, 上位中枢におけるGABAb受容体は痙攣発現機構のみならず, よりフォルマリン誘発疼痛反応増強に密接に関与していることが示唆された.
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  • 棚橋 識生, 柴田 政彦, 竹山 栄子, 川原 玲子, 真下 節, 吉矢 生人
    8 巻 (2001) 2 号 p. 74-77
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    1997年7月から2000年3月までに22例の三叉神経痛患者に対してプロポフォール鎮静下に三叉神経高周波熱凝固を行った. その治療成績, 治療の満足度に関するアンケート調査の結果, 副作用について概説する. 治療成績, 満足度ともに良好で優れた方法であるといえる.
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  • 眞鍋 治彦, 加藤 実, 宮崎 東洋, 比嘉 和夫
    8 巻 (2001) 2 号 p. 78-82
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 帯状疱疹の治療では, 急性帯状疱疹痛を軽減し, 帯状疱疹後神経痛への移行を防止することが重要である. イギリス, フランスでは帯状疱疹の治療指針が提唱されている. しかし, それらは激しい急性帯状疱疹痛に対して有効な神経ブロックが行われていない国での治療指針である. 交感あるいは感覚神経ブロックが実施されている本邦での急性帯状疱疹痛の治療指針は異なる可能性があり, 指針の作成を試みた. 方法: 急性帯状疱疹痛の治療に用いられている非ステロイド性抗炎症薬, 抗ウイルス薬, 神経ブロック, 副腎皮質ステロイド, 鎮痛補助薬についてこれまでの報告を検討し, 個々の症例の治療指針を作成した. 結果と結論: 帯状疱疹の大多数を占めている, 免疫不全がなく, 発症72時間以内で50歳以上の症例では抗ウイルス薬, 非ステロイド性抗炎症薬を服用し, 急性帯状疱疹痛が激しい症例には, 神経ブロックの併用が勧められる. 他の症例の治療指針についても述べた.
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  • 加藤 佳子, 加藤 滉, 山川 真由美, 小田 真也
    8 巻 (2001) 2 号 p. 83-86
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 肺癌の終末期疼痛管理におけるモルヒネの持続静注法が果たす役割を調べる. 方法: 1988~1998年に当科で死亡時までモルヒネの持続静注を行った肺癌患者33例を対象に, モルヒネの持続静注の期間および投与量等を調査した. 結果: 診断時の病期は32例 (97%) がIII期以降の進行肺癌で, 26例 (79%) がIV期であった. 当科受診の目的は33例全例が疼痛緩和で, 11例 (33%) で呼吸苦の緩和も求められた. 肺癌の初発症状として咳20例 (61%) についで痛み14例 (42%) が多い. 当科初診時に骨転移を26例 (79%) に認めた. モルヒネ持続静注の期間は1~161日 (平均22日, 中央値18日) で, 45%はモルヒネ持続静注開始から2週間以内に, 約90%は1カ月以内に死亡した. 1日モルヒネ投与量は10~1,500mg (平均136mg, 中央値80mg) で, 15例 (45%) が50mg未満で, 85%は200mg未満で疼痛がコントロールされた. 結論: 肺癌は進行も痛みの出現も早い. 早期から痛みの治療を開始し, 特に呼吸や嚥下が困難になった末期ではただちにモルヒネの持続静注に切り替えて, 速やかに苦痛緩和をはかることが大切である.
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  • 水野 樹, 中山 泰典, 土肥 俊之
    8 巻 (2001) 2 号 p. 87-89
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    長期の瘢痕性疼痛に対して, ステロイドと局所麻酔薬の浸潤ブロックを施行し, 完全な除痛が得られた症例を経験した. 症例は61歳, 女性. 36歳時, ガラスで左前腕を切傷し, その後2度のガラス片の摘出術を受けた. 56歳時から, 術後の瘢痕部から左前腕全体に疼痛を生じた. 以後5年間, 消炎鎮痛薬, 抗うつ薬, 向精神薬の投与を試みたが, 症状の軽減は得られなかった. 疼痛は持続性であり, 瘢痕部にアロディニア, 痛覚過敏を認めた. 瘢痕部にデキサメタゾンとリドカインの浸潤ブロックを2度施行することにより, 疼痛は徐々に軽減し, 1カ月で完全な除痛が得られた. 長期の瘢痕性疼痛に対して, ステロイドと局所麻酔薬の浸潤ブロックは有効な可能性があり, 考慮すべき治療法であると思われた.
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  • 北見 公一
    8 巻 (2001) 2 号 p. 90-95
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 種々の疾患でみられる眼窩深部痛の病態を4臨床例より検討し, 治療法について考察した. 症例1: 72歳, 女性. 眼窩深部痛で発症した内頸動脈海綿静脈洞瘻であった. 症例2: 34歳,女性. 慢性群発頭痛. 翼口蓋神経節 (PPG) の高周波熱凝固 (RFTC) が有効であった. 症例3: 51歳, 男性. 眼窩深部痛を主訴とし, 後頭神経痛も併した大後頭三叉神経症候群であった. C2神経節RFTCで眼窩深部痛は残存したが星状神経節ブロックの併用で軽快した. 症例4: 67歳, 男性. 三叉神経痛. 群発頭痛として治療されていたが, 絞られるような痛みのなかに穿刺痛の要素があり, 三叉神経血管減圧術を行って眼窩深部痛の消失をみた. 考察: 眼窩深部痛は顔面痛のうちでも, 群発頭痛, 三叉神経痛, 耳鼻科疾患の関連痛, 眼疾患など種々の疾患でみられる興味深い症状である. 著者は上記症例の経験と眼窩周囲の神経分布形態より, 眼窩深部痛はPPGの刺激を引き起こす病態, すなわち局所の炎症のみならず, 中間神経刺激, 三叉神経刺激, 海綿静脈洞内圧上昇, 交感・副交感神経刺激などを引き起こすさまざまな病態からの結果であると結論した. 診断的意義の大きい症状であるとともに, 治療には局所神経解剖学の知識が不可欠と思われる.
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  • 佐藤 紀, 中林 賢一, 一瀬 廣道, 並木 昭義
    8 巻 (2001) 2 号 p. 96-98
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    ウェルナー症候群は思春期以後にさまざまな老人様徴候を通常の老化のほぼ倍のスピードで, ある規則性をもって発現する常染色体劣性の遺伝性疾患である. 今回, ウェルナー症候群と診断された患者の労作時の両足底部痛としびれに対して, 腰部硬膜外ブロック, 仙骨硬膜外ブロック, 腰部交感神経節ブロックを施行し良好な結果を得たので報告する.
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  • 高橋 浩, 金丸 哲也, 藤本 久実子, 佐藤 重仁
    8 巻 (2001) 2 号 p. 99-102
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の上腹部痛に対する腹腔神経叢ブロック実施1カ月後に胸痛と呼吸困難を訴えて, 緊急入院となり乳び胸と判明した症例を経験した. 51歳の男性で, アルコールによる急性膵炎を発端とする慢性膵炎, 膵石症で入退院を繰り返していた. X線透視下腹臥位にて両側の腹腔神経叢ブロックを行い, 左上腹部痛は消失したが, 右上腹部痛が持続するため, 4日後に右側のretrocrural法によるブロックを実施した. 22G, 12cmのブロック針にて穿刺時に白濁液が吸引されたため再穿刺し, 体神経に異常がないことを確認後, 無水エタノール13mlを注入した. ブロック後右上腹部痛も軽快し, 翌日の胸部X線写真で異常を認めず, ブロック7日目に退院した. 退院時, 背部の穿刺部痛と左右肋間痛を軽度訴えていた. 退院後初診時(ブロック後28日), 右肩の痛みと胸痛があったが, 右肋間神経ブロックで軽快した. 立位呼吸音に左右差はなかった. その4日後, 胸痛と呼吸困難のため緊急入院となった. 胸部X線写真で右胸腔に大量の液体貯留を認め, ドレーン挿入にて白濁液が排出され, 乳び胸と判明した. 20日間の内科的保存療法で軽快退院となった. 腹腔神経叢ブロック後は乳び胸が遅発性に起こることもあり, 注意深い経過観察が必要である.
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  • 永尾 勝, 奥田 圭子, 濱口 眞輔, 見塩 六生, 奥田 泰久, 北島 敏光
    8 巻 (2001) 2 号 p. 103-106
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    交通外傷後の complex regional pain syndrome (CRPS) type Iは, 通常頸部に激しい外傷が加わった場合に発症するが, われわれはMRIで交通外傷によると思われる異常所見がないにもかかわらず, 左上肢のCRPS type Iを呈した症例を経験したので報告する. 症例は48歳, 男性. 2年前に交通事故に遭い, 近医にて外傷性頸部症候群の診断で薬物療法と理学療法を受けたが症状の改善が得られないために, 当科を紹介され受診した. 左上肢の灼熱痛, 浮腫, 痛覚過敏, アロディニア, 冷感, チアノーゼを認め, Gibbons scoreからCRPS type I (RSD) と診断した. 20回の星状神経節ブロックにより疼痛は半減し, 社会復帰が可能となった. 本症例ではMRIで外傷を示す所見はなかったが, 交通外傷時に頸部の屈曲, 過伸展, 軸捻転などによって下頸部交感神経遠心性線維が伸張, 不完全断裂を起こし, CRPSを発症したものと推察した.
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  • 8 巻 (2001) 2 号 p. 107-110
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 8 巻 (2001) 2 号 p. A1-A2
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
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