日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
8 巻, 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 長沼 芳和
    2001 年 8 巻 4 号 p. 377-381
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    眼瞼痙攣は, 開眼困難を主徴とする原因不明の疾患であり, これまで効果的と考えられる治療法は存在しなかった. 1997年よりようやく本邦でも使用可能となったA型ボツリヌス毒素製剤は, 本症の治療において大きな進歩をもたらした. 眼瞼痙攣には眼瞼以外にも顔面頸部の多くの筋の異常運動を伴うものや, 心理的変化を合併しているものもあり, 閉眼を抑制さえすれば治療が成功するというほど単純なものではない. しかしながら, 現存する手法ではボツリヌス毒素注射法に勝る眼瞼痙攣の治療法はない.
  • 癌性疼痛患者における意義
    森崎 浩, 橋口 さおり, 小竹 良文
    2001 年 8 巻 4 号 p. 382-386
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 全国医療施設へのアンケート調査結果より
    白戸 千之, 中路 重之
    2001 年 8 巻 4 号 p. 387-393
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 全国における低出力レーザー治療 (LLLT) の現状とその際の疼痛治療の効果判定に関する現状を把握し, 今後統一的な普及をはかるための可能性を検討した. 方法: 日本レーザー治療学会会員, およびペインクリニック学会の認定医指定研究施設の計410施設を対象にアンケート調査を行った. 調査内容は, 疼痛治療のための使用機器と治療方法 (含む機器の使用基準) および疼痛効果判定方法と有効率の算出方法が主であった. 調査期間は平成10年6月から10月までであった. 結果: アンケートの回答率は410施設中110施設であった (回収率26.8%). LLLTは72施設 (65.5%) で行われており, うち32施設はレーザーのみの使用で, 残り40施設ではスーパーライザーも併用していた. 各施設における疼痛効果判定をみると, 主として Visual Analogue Scale (VAS) を用いるところが34.4%, 主として Pain Relief Score (PRS) を用いるところが25.0%あった. また判定方法の分類として, 著効, 有効, 微効, (不変), 増悪の5分類が36施設 (35.6%), 著効, 有効, (不変), 無効または増悪の4分類が59施設 (58.4%) であった. しかしいずれの分類を用いている施設でも, そのほとんどが, 有効を著効, 有効のみとしていた. 結論: 同一条件で効果判定を行う際の一つの基準として以下の提案をしたい. すなわち, 照射方法として1点を10秒位, 1回の治療を10分位とし, 1週2~3回行う. 大体10回を目安とし, 中止はその施設にまかせる. 効果判定にはペインスコアを用い, 「0~10」のスケールを使用する. 即時効果は治療直後にPRSを用いて毎回記録する. 持続効果はVASを用いて治療開始時, 一定の期間を置いた時点と治療終了した時点で記録する. この際, ペインスコアの分け方としては劔物らによるLLLTの効果判定法に準じ10から0~2を著効, 10から3~5を有効とするか, 著効, 有効, 微効まで分けても有効率への算出は10から3~5までとすることで統一する.
  • 内田 和秀, 坂本 三樹, 中川 恵理, 舘田 武志
    2001 年 8 巻 4 号 p. 394-397
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    ホットプレート法における前肢嘗めと跳躍までの反応時間を, マウスを用いて各種刺激強度 (45~65℃) で比較した.
    両反応時間は刺激強度低下とともに延長したが, その割合は跳躍でより鋭敏であった. 両行動間の比較では, 全刺激強度にわたり跳躍でより反応時間は長かった. 各刺激強度における両行動間の反応間に相関は認められなかった. 疼痛行動の観察において, 前肢嘗めは最も早く認められ, 対照的に跳躍は最も遅く認められた. 壁への寄り掛かりは跳躍よりも早く, 室温のケージ内でも認められた. また, 足踏みは必ずしも認められる行動とは言えない.
    これらの結果および行動観察より, 前肢嘗めおよび跳躍はそれぞれホットプレート法における疼痛閾値と疼痛耐性水準の指標になると結論する.
  • 加藤 茂久, 中河 達史, 原 保史, 佐々木 由紀子, 浦部 伸方, 小林 敏信
    2001 年 8 巻 4 号 p. 398-401
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    癌性疼痛に対して硫酸モルヒネ徐放剤960mg/日を内服中の31歳女性に全身麻酔を施行した際, 術中覚醒を経験した. 前投薬に鎮静薬は用いず, 硫酸モルヒネは手術室入室3時間半前まで通常量を投与した. フェンタニル100μg, ドロペリドール2.5mg, プロポフォール80mg (1.86mg/kg)で麻酔を導入し, 入眠後ただちに亜酸化窒素60%, イソフルラン1%の吸入を開始し, 約4分後に気管挿管した. 麻酔維持には亜酸化窒素60%とイソフルラン0.4~1%を用いた. マスク換気, 気管挿管から覚醒に至るまでの術中管理に問題はなかったが, 翌日の回診時, 患者は気管内チューブを挿入された記憶があることを自発的に訴えた. 本症例と全く同じ麻酔導入を別の10名の患者で脳波モニタ装着下に行った結果, 挿管時の麻酔深度は十分と思われたにもかかわらず, 本症例では挿管時の記憶が存在したことより, 本症例にとっては導入時のプロポフォール量が不十分であり, プロポフォールに対して交叉耐性が生じていた可能性が考えられた. モルヒネ長期大量投与患者の全身麻酔ではオピオイド以外の麻酔薬に対する交叉耐性の存在をも念頭においた綿密な麻酔管理が必要である.
  • 柴田 茂樹, 福島 浩, 柴田 伊津子, 澄川 耕二
    2001 年 8 巻 4 号 p. 402-404
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    われわれは急性腸炎症状を併発した帯状疱疹症例を経験したので報告する. 症例は60歳, 女性. 右下腹部痛と腰背部痛が出現し, 腹部エコーとCT検査で腸炎が疑われ, 内服治療を受けたが軽快しなかった. 3日後に右Th10領域に帯状疱疹が生じた. 内視鏡検査で同部の粘膜の発赤と浮腫性変化がみられ, 病理組織検査で炎症細胞 (好中球とリンパ球) 浸潤とリンパ濾胞からなる非特異的炎症像が認められた. アシクロビル内服と持続硬膜外ブロックにより, 右下腹部痛, 腰背部痛は消失し, 経過は良好で後遺症を残すことなく退院した.
  • 鬼頭 幸一, 多淵 八千代, 大東 豊彦, 笹井 三郎
    2001 年 8 巻 4 号 p. 405-407
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    リドカインに比べ, ブピバカインでは脊椎麻酔後の一過性の神経症状 transieut neurologicsymptoms (以下TNS) の発生率は非常に低いとされている, われわれは, 等比重ブピバカインによる脊椎麻酔後にTNSを生じたと思われる症例を経験した. 症例は40歳, 女性. 0.5%等比重ブピバカイン3.6mlによる脊椎麻酔後切石位とし, 円錐切除術が施行された. 麻酔回復後も両下肢のしびれが残り, 術後1, 2日に, 両下肢のL5領域の痛覚脱失, L4,5-S1の異常感覚 (ジンジンした痛み) が確認された. 神経学的所見, 神経伝達速度およびMRIにより総腓骨神経障害, 腰椎の器質的病変は否定的であった. 7日後には神経症状は消退しており, 典型的なTNSの症例と考えられた. TNSは切石位や足を屈曲する手術で, 高比重液, リドカインを用いた脊椎麻酔において発生率が高いと報告されている. 等比重0.5%ブピバカインによる脊椎麻酔後のTNSの報告はまれである. 本症例では, 切石位での等比重0.5%ブピバカインによる脊椎麻酔におけるTNSを報告した.
  • 鈴木 聡美, 野中 明彦, 内田 昌子, 山口 敏昭, 熊澤 光生
    2001 年 8 巻 4 号 p. 408-411
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
    目的: 手掌多汗症における発汗量の客観的評価のために局所発汗量測定装置にて発汗量を測定した. また直線偏光近赤外線の星状神経節近傍照射〔polarized infrared ray irradiation around the stellate ganglion (PIRISG)〕が手掌発汗に与える影響もあわせて記録した. 方法: 手掌多汗症を自覚する成人ボランティア2名と健常者とで発汗量を比較した. 両側手掌の安静時発汗と精神的負荷 (暗算) により誘発される精神性発汗とを局所発汗量測定装置で記録した. 結果: 手掌多汗症者では安静時発汗量は健常者と差はないが, 精神的負荷により発汗速度が著明に増加した. 健常者では精神的負荷終了後速やかに発汗速度が減少したが, 手掌多汗症者では負荷終了後も発汗速度の亢進状態が長く持続した. そのため手掌多汗症者では精神的負荷による発汗量が健常者に比べ著明に増加した. PIRISG後は精神性発汗量は著明に抑制され, 照射と反対側でも精神性発汗量の抑制が観察された. 結語: 局所発汗量測定装置により手掌多汗症者では精神的負荷時に発汗速度が増加するため発汗量が増加することが客観的に確認できた.
  • 2001 年 8 巻 4 号 p. 412-416
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 8 巻 4 号 p. 417-428
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 8 巻 4 号 p. 429-431
    発行日: 2001/10/25
    公開日: 2009/12/21
    ジャーナル フリー
feedback
Top