目的: 星状神経節ブロック (SGB) において, 穿刺部位の損傷を小さくする目的で, 先端を三角錐に刃付けし, 薬液注入のための側孔を設けたSGB専用のブロック針 (SGB針) を試作し, その特性および臨床使用の効果を検討した.
方法: SGB針での損傷範囲および穿刺抵抗を市販の注射針(八光社製) と実験的に比較した. また, SGB針を臨床に使用し, 19名の患者で89回のブロックを行い, ブロックの効果, 合併症, 術者の感想および患者の訴えを検討した.
結果: SGB針の穿刺時の損傷範囲は小さく, 穿刺抵抗は市販の注射針と同等であった. 臨床での使用においても, 穿刺および薬液の注入に支障はなかった. ブロックの効果は良好に得られ, 重篤な合併症はなく, 皮下出血や硬結を認めなかった. 患者からのSGB針に関する不快な訴えもなかった.
結論: 試作したSGB針は臨床での使用が可能であり, 穿刺による組織損傷を小さくできる可能性が示唆された.
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